今日は、フォーラムの2日目。
午前は、あのジョン・スカリー氏が登壇したが、都合で、欠席。
午後に行ったら、サイン本が売っていたので、ゲット。
さて、中身は?
今日は4本講演を聴講したが、どれもすばらしく、申し訳ないほどだ。
1本目は、公認会計士の脇氏の話。
何故、企業の不正会計は、繰り返されるのかというテーマだったが、極めて明快だった。
世界中で、不正会計は、繰り返されているが、日本と欧米の不正会計が起こる理由は、まったく異なる。
しかしその対策は、欧米からの輸入に頼っている。
だから、日本では機能しにくい。
その違いを理解した上で、是々非々で、日本での対策を議論していく必要があろうという結論だった。
まさにそう思う。
原因や、その対策は、見えている。どう具体的に導入していくかだ。
2本目は、伊藤元重教授の話。
伊藤教授の話は、シンガポール時代聞いたことがあったが、その時は、FTAがテーマだった。
今のTPPの原型だ。
流暢な英語で、パネルディスカッションにも出られていたのを思い出す。
今日のテーマは、日本経済への提言。
今の日本をどう再生させていくかについては、議論百出で、定説はもちろんない。
伊藤氏の話は、相対的に言えば、ポジティブなものだった。
今の経済低迷は、人口減、リーマンショックの後遺症、技術革新の停滞の3つにまとめられる。
そして、その対策として、海外への投資、技術革新があるが、後者については、これからまさにITの力が活用できるはず。ディープラーニング、AIの世界だ。
サブスクリプションビジネス(物を売るのではなく、物を使った施設を作り、サービスを売る)もヒントになろう。
環境問題、高齢化の問題を乗り越えていくには、技術革新を推し進めていくしかないというのが結論だった。
そういった意味では、現政権の政策をサポートする理論と言えるだろう。
3本目は、IFRSの話。
パナソニックで、実際IFRSを導入された方の話だったから、具体的かつ、現場に密接した話で、勉強になった。
まだ試行錯誤の部分もあり、今後の展開もありそうだ。
4本目は、目玉のINSEAD教授のW・チャン・キム氏の講演。
ブルーオーシャン戦略についての話だった。
ずいぶん前から提唱されているそうだが、私は、初めてだったので、とても新鮮だった。
ブルーオーシャンに対する言葉は、レッドオーシャン。
目に見えているマーケットで、差別化を図り、コストを下げ、競争相手を研究し、戦う。
しかし、これは、消耗戦。
ブルーオーシャンは、今見えていないマーケットを創設し、そこで、競争のない世界で、のびのびと、ビジネスを伸ばす。
例えば、任天堂、アップルのビジネスがそれにあたる。
技術革新、生産ラインの改善運動ももちろん重要だが、それをビジネス(マーケット革新という言葉を使っていたが)にどう繋げるかの発想がより重要と説く。
ヨーロッパでは、屋外で、自由にクラシックを聴くイベントが流行っているという。
これも、消耗戦で縮小していたクラシック音楽の業界を変えた。
TEDの講演のように、全身を使っての熱のこもった講演で、大拍手。
ということで、今日も頭のリフレッシュが、大いにできた有意義な1日となった。