奈良春の旅も最終日。昔から憧れだった、山の辺の道を歩いてみることにした。
天理駅から、スタートし、三輪駅まで、JRの駅4つ分。約6時間のハイキングだった。
快晴ではなかったが、ちょうどいい天気加減で、温度もちょっと汗ばむぐらい。
すれ違う人々と「こんにちは!」とあいさつをしながら、すばらしい体験ができた。
日本最古の幹線道路と考えられ、神社、お寺、古墳群、奈良盆地の風景、歌碑など見所も多い。
スタートは、天理駅。天理は初めてだったが、天理教の街にまず驚いた。教会本部はもちろん、病院、学校、宿舎などすごい。天理市庁舎まで、独特の形状。
体力温存のため、駅から石上神宮(いそのかみじんぐう)まで、タクシーを使ったが、運ちゃんが、天理市作成のすばらしいガイドブックをくれた。完璧なガイドブック。本書によると8つのコースがあり、運ちゃんによると、全コースを制覇するには、最低3日必要とのことであった。当日は、山の辺の道(南コース)を軸に、うろちょろしたということになる。
石上神宮では、鶏が、神鶏として放し飼いにされている。
異世界のような雰囲気。百済王が倭王に献じたのではないかと言われる七支刀(ななつさやのたち)でも有名。伝承が真実なら、4世紀のことだ。蘇我氏に滅ぼされた物部氏の総氏神である。日本最古の神社の一つで、古事記に登場する神々を祀っている。万葉集にも詠われている。
楼門は、鎌倉時代末期の建造。
拝殿は、平安末期のものと言われ、国宝。まだ、宮司さんがお清め中だった。
何故か、牛様も鎮座。
楼門を挟んで、本殿の反対側に、摂末社が並んでおり、この出雲建雄神社の拝殿は、国宝に指定されている。今は、廃寺となった内山永久寺から大正時代に移築したものだ。その後、内山永久寺跡にも行ったが、跡かたもなかった。廃仏毀釈のすさまじさを感じる。
石上神宮から、いよいよ山の辺の道ハイキングに出発。
しばらく行くと芭蕉句碑があった。
うち山や とざましらずの 花ざかり
読み手が宗房とあるが、芭蕉の若かりしころの名前という。まさに、花盛りのタイミングに訪れることができた。確かに、外様(とざま≒よそ者)は、ここ(内山)が花の名所だなんて知らないよね。
芭蕉句碑は、この美しい池の畔にある。この池は、廃寺となった内山永久寺の本堂池だった。かつては、関西の日光と呼ばれ、五十余の塔頭を有したという。
水面に浮かぶ桜の花びらがご覧いただけるだろうか。