中小企業診断士の関係で、経済産業省のダイバーシティ研修を受講した。もちろんオンライン研修。最初に大学の先生によるダイバーシティの研究、次は、ダイバーシティ経営をやっているある運送会社さんのロールモデルの紹介、最後にダイバーシティ経営診断ツールの紹介だ。
セミナーを聴いて気づきが2か所あった。一つ目は、「ダイバーシティ経営を実践している企業さんは経営成績がいい」という点。分析するとそのような結果が出てきたようだが、待てよ、その逆もあるのでは。つまり、経営成績のいい企業さんは、余裕があるためダイバーシティに力を入れているのでは。これって、まさに鶏と卵の関係だ。まあ、ダイバーシティを推進する方は、いい方に解釈するだろうけどね。
また、多様な人材がいると、どうして経営成績がよくなるのかもしっくり来ない。力仕事の多い建設業などだとすると、作業効率を上げるには、若い男性が多くいる方が仕事は早いはずだが・・なぜ、多様な人材を増やすスダイバーシティが経営成績に寄与するのかは、よくわからない。もしかしたら、人員構成のベストミックスでもあるのだろうか。
もう一点。診断ツールの紹介、ダイバーシティとは、女性、高齢者、障碍者、外国人、LGBT等の方を積極的に活用しようとするものだが、外国人で引っかかった。
今、日本の最大の課題は、不景気が20年以上続いていることだ。人材不足で、外国人を安く買い叩いて、日本人と競争させ、そのため日本人の給料が上がらず、いや下がって、物価やGDPが伸びない。世界的にみて日本だけがこのような状態だ。これが日本の最大の課題なんだが、なんでわざわざ外国人を積極的に採用するんだ。政策が逆だろうが。
外国人といっても給料の高い欧米人がわずかで、大半は中国、東南アジアで、給料の少ない国の人達だ。彼らは出稼ぎに来ているのだ。外国人客の多いホテルなどでは、その国の従業員を採用するのがいいのはわかる、しかしそれはほんの例外だ。
ダイバーシティ推進の仕事に従事する方たちは、それが仕事で、外国人のを増やすのが一番いいと信じているようだ。しかし、自分の推進する仕事が自分たちの給料を下げているのに気が付かないんだろうか。人材が不足するなら外国人を採用するんのはなく、採用の給料を上げることだ、そうすれば日本人は集まる。GDPも上がる。
外国人採用を経済産業省が後押しするのは、なんなんだろうか? ダイバーシティそのものには反対ではないが、こと、外国人の積極採用には反対である。