登山やお城巡りにつきものの温泉、この温泉記事も、百名山や百名城に合わせて、百名湯シリーズにします。日本には温泉、数多くあるようだから、私の書いた温泉は、「百名湯」とは限りませんので悪しからず。ただし、この湯谷温泉は日本百名湯(日経新聞選)のひとつ。
ということで、お城巡りの宿は、長篠城からほど近い湯谷温泉。古宮城址と設楽原決戦場、長篠城址、それに湯谷温泉は、奥三河でいずれもほど近く、セットで訪問できる場所だ。
近くには仏法僧の鳴く、鳳来寺山という山がある。今回はパスだが、一度登ってみたいものだ。そして泊まった宿のそばは鳳来峡、大滝、それに天然記念物の馬の背岩がある。
お目当ての温泉、分析表には、ナトリウム・カルシウムー塩化物泉(低張性中性温泉)となっている。泉温は34.8℃で、温泉ではあるが、そのまま入浴にはちと冷たい。そこで水は入れずに、加温だけをしている。湯量は豊富なんだが、泉温がやや不足という温泉だ。ほかには、循環ろ過に塩素系薬剤が入ってる。従って、温泉の鮮度はやや落ちるね。
そして溶存ガス成分は、総計が4.2g/水1kgで、たっぷり。成分のうち20%以上を占めるのは、陽イオンではナトリウムイオン、カルシウムイオン、陰イオンでは塩化物イオンだ。これで、上記の名前が付く、良質の温泉の証、「療養泉」だ。実際、浴槽は、露天、室内とも、温泉成分のせいか、やや濁っている。
そして泉質は「塩化物泉」だ。平成26年に改定された泉質別の適応症だと、塩化物泉なら、切り傷・末梢循環障害・冷え性・鬱・皮膚乾燥症になる。
また泉質を一言で表現すると、「温まりの湯」「傷の湯」、「湯冷めしにくい湯」となる。露天から上がっても確かに湯冷めはしにくかった。温泉の中は撮れないので外から一枚撮影。
日本の温泉旅館は、旅館に入るとすぐに浴衣に着替えられ、すぐに温泉に入れる。そして朝だって浴衣のまま浴場に行き、入浴できる。改めてだが、これはいい。
都市部のホテルになると、浴衣のままでは食事はとれない、着替えないとレストランには行けない、従って、入浴は寝る前になってしまう。登山やお城巡りでの温泉旅館も、また楽し。