曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

初めて踏み込んだ林道

2019年02月10日 | 日記

今日の花

椿の世界的名花 玉之浦   2~3年前に、友達が送ってくれたいろんな種類の椿の枝を挿し木しました。その中にあった椿ですが今年初めて花をつけました。

 


 日曜日です。私の生活に曜日はどうでもよいのですが、多くの人たちが連休を楽しんでいると思うと私も遊びに行こうかなという気になりました。少し寒いけど天気は良し、以前から入ってみたいと思っていた山道があるのでそこへ行ってみることにしました。山の中へ入って何が楽しいのやらとお思いでしょうが、町にはないものがありますし、人間社会とは別の世界を知ることもなかなか楽しいものです。何かとの初めての出会いがあるかもしれないといった期待感が未知の土地への誘いとなるのかもしれません。若いころには未知の領域としてまったく人の入らないような山の中へも行きましたが、今は体力的に無理できないのでまず道路が山の中を走っている所を選びます。車で入れる限り入ってそれから先を歩きます。今日選んだ場所は大島の中でも山深いところですが地図に林道が載っていますので選びました。

予想していた通り、林道を約1㎞も入ると車は通行止めになっていました。それでも林道は奥へと延びていましたので行けるとこまでは行こうと歩き始めました。もちろん歩かないことには出会いも発見もありませんので、大事な場所では歩かねばなりません。

今の日本では農業は衰退気味ですが、中でも林業はみんなから忘れられているのかと思うほど関心の低い業種です。木材は海外から安いものがいくらでも手に入るので経費の掛かる日本の森林から切り出すことはしません。そして、日本は位置的に気温の程よい中緯度にあり雨の多い気象に恵まれているので放っておいても山の木々は良く育ちます。日本の森林資源は伐採するより成長する量の方がはるかに多いので、年々森林資源は溜まって行く一方だと何かに書いてありました。かなり先の将来お金になるかもしれませんが、現代社会では今すぐ金にならないことに手間暇をかける人はいませんよね。荒れ果てた林道を歩いていて人間の痕跡が消えてゆくのを感じつつも、反面生の自然にふれあうことができました。

 


林道入り口

ここはまだ人間の社会です。花が植えられていて寒いながら春の雰囲気いっぱいでした。

 

林道は山の中へ向かっています。

1kmほどは行った所で道路は通行止めとなりました。ここまでが現在の人の社会です。

車を置いて歩くことにしました。

この状態では車で入るのは不可能で、おそらく何年もこの林道は利用されていないようです。

やがて、土砂崩れで林道は見えなくなりました。落ちた土砂は新しく昨年の梅雨の豪雨で落ちたものでしょう。

乗り越えてゆくと向こう側に林道は続いていました。

山も段々険しくなってゆきます。

そしてまた土砂崩れです。

乗り越えてさらに奥へ進みます。

道の側に沢があり、こんな所にもキジョランが生えていて葉にはアサギマダラの幼虫が付いていました。人がいないところでいろんな生き物が営みをしているのです。

 

遠くの山の頂に人間の営みも見えます。

 

ついに林道が無くなりました。でもこの辺りの道は新しい感じがします。さらに奥へ向かって伸びる計画もあったのでしょうか。

 

野鳥の姿はたくさん見ましたが、私の近くへ寄って来てくれたのはこのジョウビタキだけでした。可愛い小鳥です。 

これ以上進むのは藪こきになってしまい大変なので引き返すことにしました。

 

数百年後にはこの林道は跡形もなく消えていることでしょう。そして私の足跡は数日で消えることでしょうね。