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踏み絵?

 11月になったのでお稲荷さんに行って来た。毎月一度参拝するたびに、周りの風景が少しずつ変わっていくのが面白い。1ヶ月前には稲穂が垂れていた田はきれいに刈り取られていたし、少しばかり色づいた木々も沿道に見られた。きれいに晴れ上がり、エアコンを切った車内は暑いくらいだった。定点観測をしたらもっと季節の移ろいが分かって面白いだろうな、などと思いながらお稲荷さんに到着した。
 さすがに平日には、休日のような賑わいはない。と言っても、鳥居の横にある無料駐車場は満車で駐車できなかった。仕方ないので向かいの有料駐車場に止めることにした。こちらに駐車してある車はまばらだった。休日だったら、車を止めるのを待つようにして、係りのおっちゃんが駐車料金200円を取りにくるのだが、どういうわけだか誰もやって来ない。「おかしいなあ、平日は開放されているのかなあ・・」と思いながら出口のところまで歩いていくと、料金所と命名されたプレハブ小屋の窓に「不在のときは料金入にお願いします」と書かれていた。

 

「200円をこの箱の中に入れろってことだよなあ」と妻にたずねてみた。
「そうじゃない。料金入って書いてあるし」
「入れる人いるのかなあ」
「だって駐車料金200円って書いてあるから、入れなきゃいけないでしょう」
「だけど、誰もいないんだよ。開放してあるんじゃないの」
「まさか、そんなことはないでしょう。ただで止めるわけにはいかないよ」
「そりゃあ、そうだけど・・」
 なんとなく釈然としない思いもしたが、係員がいなければ、私有地に無断で車を止めるわけだから、それなりの料金を払っておいたほうが無難だろう。200円で後味の悪い思いをするのも嫌なので、料金入に100円硬貨を2枚投入した。チャリンと音がしたから、箱の中にお金は結構貯まっているようだった。
「ちょっと、待って」と歩き出した妻に声をかけてみた。
「他の人がお金を入れるかどうかちょっと見てみようよ」と私が言うと、
「趣味の悪いことしないでよ。私は先に行くから」と答えてすたすた歩いていってしまった。そう言われればそうかと、私も思い直して稲荷に向かったが、中には料金を払わずに行ってしまう人もいるだろうなあ、と邪推していた。まあ、そんなことを考える私のほうが了見が狭いのだけれど・・。
 
 境内の一角に菊の花が何鉢も飾られていた。11月といえば菊の月だ。昔はいろんなところで大輪の菊の花を見かけたものだが、最近ではあまり見かけなくなった。菊の花に人気がなくなったのだろうか。それにしても、これだけ集められると見ほれてしまう。

  

 

 参拝し終え、いつも立ち寄るうどん屋で昼食をとった後、隣の店で売っていた「鬼まんじゅう」を買って、参道を歩きながら食べた。昔懐かしい「いもういろう」の味がして少しばかり郷愁にかられた。来るたびに新しいものが見つかるから本当に面白い場所だ。


 

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