議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

衝撃!!環境省が総合判断をしました

2014年09月19日 01時06分37秒 | ニュースクリッピング
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なんと、環境省が都道府県知事を差し置いて(?)、廃棄物の定義について
公式に総合判断をしました。


■グレーゾーン解消制度、というのがあります。
国内外の経済界から、とってもショボイと評判のアベノミクスの3本目の矢です。
どうせ使えないと思って無視していたのですが、実はすごいかもしれません。

要は、法のグレーゾーンについて、所轄省庁に白黒はっきり判断してもらう
ための制度です。

この制度に沿って、9月12日に、鉛バッテリーを原料とする粗芒硝液は「廃棄物」
に該当するという回答が出ました。

産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」の活用! 
 ~鉛バッテリーを原料とする粗芒硝液の廃棄物への該当性が明確化されました~


似た制度で、ノーアクションレターというのがありますが、あれは
「地方公共団体が処理する事務(法定受託事務及び自治事務)に係るもの」
は対象外でしたので、廃棄物の定義、区分を環境省に問うことはできません
でした。つまり、自治体に聞いてね、自治体ごとに言うことが違っても、
しらないよー、ってことです。

一方、国会答弁で、グレーゾーン解消制度について政府参考人がこう説明しています。

「グレーゾーン解消制度でありますけれども、対象となる条文については
 一切制限を設けておりません。政令、省令、通達、いかなる分野であっても、
 グレーと思われる部分については問合せ可能になってございます。」

つまり、ノーアクションレター制度とは違い、自治体に判断を投げることは
しないようです。グレーゾーン解消制度の条文は、こんなんです。
とりあえず、第1項だけ引用します。

********************
産業競争力強化法 第9条第1項
 新事業活動を実施しようとする者は、主務省令で定めるところにより、
 主務大臣に対し、その実施しようとする新事業活動及びこれに関連する
 事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令
 (告示を含む。以下この条及び第十五条において同じ。)の規定の解釈
  並びに当該新事業活動及びこれに関連する事業活動に対する当該規定の
  適用の有無について、その確認を求めることができる。
********************


「主務大臣に対し、規定の適用の有無について確認を求めることができる」
のだそうです。廃棄物処理法なら、当然環境大臣です。

使えます!!

ただ、新規事業活動を実施しないと、問い合わせできませんけどね。

オフィスで昼休みにみんなで食べたコンビニ弁当をきれいに洗ったものを
処理業者に回収してもらう場合(新規事業活動として認められるかな?)
産業廃棄物の委託基準と一般廃棄物の委託基準のどちらが適用されるか、
確認求めることもできるはず。
どんな回答になるかなぁ。この際だから、どっちかに決めてほしいなぁ。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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遅々として進まない規制改革も、何回もやっていると、似たようなネタを
出さざるを得なくなり、以前のネタとどう違うかアピールしなければ
ならなくなり、結果的に進歩している、ということなのかもしれません。

地方分権とのバランスが難しいとは思いますが、廃棄物の定義、区分が地域
ごとにそんなに違ってはやはり困ります。
どうやら、問い合わせした会社名も公表されない(開示請求したら分かるかな?)
ようですから、お困りの方は活用されるとよいかもしれません。


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