議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

やはり携帯電話を回収したら一般廃棄物のようです

2009年06月03日 05時53分57秒 | ニュースクリッピング
下記のような報道発表がなされていたことはご存知でしょうか。こんな記事を見ると、好奇心がむらむらと沸き起こってきます。

(お知らせ)使用済携帯電話回収促進キャンペーンについて

環境月間に合わせたキャンペーンだそうです。

<質問>
で、このキャンペーンの窓口の「環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室」にお電話し、回収した携帯電話の廃棄物の区分は?排出事業者は?という質問をしました。

<回答>
模範解答を立て板に水のごとく、いただきました。ちゃんと検討したのでしょう。
「横浜と京都で回収したものは一般廃棄物です。市の委託業者が処理します。」だそうです。そりゃそうですよね。一般廃棄物の広域認定の対象として、「廃携帯電話用装置」を追加したのはつい最近ですし(報道発表資料はこちら、本ブログの関連記事はこちら)。

なお、携帯電話各社が新しい携帯電話を販売する際に下取りして回収した携帯電話は、下取りしたものなので産業廃棄物になる=携帯電話各社が排出事業者になる、ということでした。

おっしゃるとおり、現在の制度においては、これが正解なんですよね。

■私が期待していた回答は。。。
でも、私が期待していたのは「いや~、これはキャンペーンですから、キャンペーン実施主体の携帯電話各社が排出事業者になります。もちろん、産業廃棄物になります」という回答だったのです。環境省がこの解釈で走っているということが確認できれば、コンサルをする上でも重要な参考情報になるはずだったのですが、残念です。え、そりゃ無理ですって?そうかもしれませんねぇ。

■すごい話
つまり、今回のキャンペーンのように、新しい製品を購入する以外のタイミングで(=下取りでない)、消費者が携帯電話を地元のショップに持ち込んだ場合、それは一般廃棄物になるわけです。ショップとしても、それをリサイクルできるところまで運搬するためには、一般廃棄物の収集運搬業者に委託しなければなりません。排出者は消費者なので、自社運搬になりませんし。それか、今回のように市町村にお願いですね。

・下取り品とそうでないものは別車両で運搬??
 したがって、ショップとしては下取りした携帯電話(産業廃棄物)と、そうでない携帯電話(一般廃棄物)を分けて管理することになります。もちろん、産業廃棄物と一般廃棄物の両方の許可を持った車両がなければ、別々の車両で運ぶことになります。ひゃー、馬鹿馬鹿しいですね。
だから、広域認定なのでしょうか。ただ、現時点で携帯電話の広域認定は出ていません。審査中なのでしょうか。

■やって欲しい改正
 産業廃棄物と一般廃棄物の業の区分をなくして、収集運搬業は国が許可を出す、という改正ですね。これで、広域認定なんて不要になり、社会的コストが著しく軽減されます。皆様、どう思われますか?

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 消費期限が近い食品の販売方法 | トップ | 基礎編を今月も実施します!! »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
補足です (堀口昌澄)
2009-06-03 13:48:31
下記パンフレットにあるとおり、ショップでは破砕機を使って処理しています。
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=13557&hou_id=11149

これは、一般廃棄物の処分にあたるのではないですか?と上記リサイクル推進室に聞いたところ、「そこまでは関知していないので、廃棄物対策課に聞いてください(堀口意訳)」ということでした。

廃棄物対策課に聞いたところ、やはり基本的には一般廃棄物の処分なので許可が必要とのことでした。

これも本当は、個人情報の保護が目的なので、許可不要と言ってほしかったのですが、、、。
返信する

コメントを投稿

ニュースクリッピング」カテゴリの最新記事