議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

ロゴ付き有価物

2008年11月05日 05時37分11秒 | コンサル日誌
■窓口の問題
 廃棄物と有価物で、社内で管理窓口が異なっていることがよくあります。例えば、有価物は販売部門が管理しているような場合です。廃棄物管理部門の管理でも有価物のチェックは甘くなりがちですが、販売部門ではもっと甘くなってしまいます。

■有価物の売却リスク
 例えば、そのモノが単なる在庫処分品やほんの少しだけ不具合がある製品であれば、そのまま再利用できてしまうことがあります。裏市場に不良品が流れることになります。また、売れる金属部分だけ抜き出して、他の部分は不法投棄されてしまうこともあります。そこに自社のロゴマークが入っていたら大変です。もしかしたらe-waste問題にも巻き込まれるかもしれません。このように、有価物であっても安心できるとは限りません。
 ところが、販売部門にはそのような意識はあまりないことが多いようです。何しろ、相手は“得意先”ですから、与信管理はしても売ったものの使い道を詮索するなんてことは通常しないはずです。

■どうすればよいのか?
 まず、有価物であっても副産物の管理は廃棄物管理部門に任せることをお勧めします。廃棄物管理部門はこのリスクをしっかり認識し、内部監査の対象とするとよいでしょう。また、売却先の現場を確認するとともに、不適正な処理がされないように契約書に記載しておくべきです。結局は、廃棄物の処理委託並みの注意が必要と考えるべきでしょう。

 余談ですが、資源価格の下落により、これまで売れていたものが、実は売れなくなっていることもあります。特に少し前までの資源価格の高騰の折に「売れる」ということで考えていたものが、今はダメかもしれません。ご注意ください。
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