2泊3日の予定で南東北紅葉大周遊の旅に出かけた。初日は那須塩原温泉郷の東部に位置する国内最長クラスのもにじ谷大吊り橋を渡った。橋の上から吊橋を囲む雄大な塩原渓谷の美しい景観を楽しむことができた。もみじ谷大吊橋は全長320メートルで無補剛桁歩道吊橋としては本州最大級の長さを誇る。橋の下のダム湖には台風19号の痕跡と思われる、おびただしい流木が浮かんでいて景観が損なわれていた。
2日目は予報通り雨模様の天候となったが、降ったり止んだりの天気だったので観光に支障をきたす程ではなかった。まず100万年もの間にまるで塔のように削られた奇岩の連なる紅葉の名所である「塔のへつり」に行き、塔の形をした吊り橋を渡り断崖まで行った。「へつり」とは会津方言で川に迫った険しい断崖のことだそうだ。そこから会津鉄道ローカル列車に乗車し湯野上温泉駅で下車し大内宿に向かった。大内宿は茅葺屋根の民家が立ち並び、江戸時代にタイムスリップしたかのような歴史情緒ある「半農半宿」の宿場町である。ここで名物のそばの昼食をとり、雨が降ってきたので足早に通りを歩きながら見学しバスに戻った。次に13年ぶりに会津若松(鶴ヶ城)を訪れた。当時の感じと違っていると思っていたら、赤瓦に葺き替えられ幕末戊辰戦争往時の姿によみがえっていた。日本国内でも赤瓦を使用した天守閣は珍しい。この日最後の見学地はアサギマダにデコ平のマーキングが見つかった裏磐梯五色沼を訪ねた。アサギマダラは夏には涼しい高原で過ごし秋になると暖かい地方へ南下して行く旅する蝶である。裏磐梯デコ平からはるばる姫路の当地まで秋の七草藤袴の蜜を求めて飛来して来たかと思うと蝶が愛おしく感じられた。裏磐梯五色沼はもう紅葉の真っ盛りで桧原湖の遊覧船に乗って紅葉を満喫した。
3日目となった昨日は天候にも恵まれ紅葉狩りには最高の日であった。日本百名山「安達太良山」は色とりどりの紅葉が山の斜面を埋めつくし、その景色は圧巻だった。次に那須高原に戻り、マウントジーンズゴンドラに乗りゴンドラ山頂駅からゴヨウツツジ展望台まで散策した。ゴヨウツツジはその名の通り枝先に5枚の葉が輪生状に付いていて、別名シロヤシオツツジと言われる。周り一帯はゴヨウツツジの群生地となっていて紅葉も美しい。色とりどりの紅葉(黄葉)群、茶臼岳、朝日岳も彼方に臨め見渡す限りの絶景を堪能して気分も高揚し素晴らし一日となった。