JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

なぜ6エリアの移動局は7MHzと18MHzを組み合わせるのか?

2015-04-13 | JF4CAD技研
最近、6エリアのHFでアクティブな局が7MHzと18MHzを組み合わせてQRVするケースが増えてきました。電波伝搬を考える上で非常に興味深い内容ですのでご紹介したいと思います。


[6エリアの7MHzは・・・]
6エリアからQRVする局の多い1エリアや2エリアは距離があり、7MHzのオープンは朝夕を中心とした時間帯に限られます。

正午前後の昼間は近距離のみとなり九州内や4エリアの西部(広島・山口)や5エリアの愛媛などにしか飛んでくれません。これらのエリアにはアクティブな局がいるものの絶対数が少ないため局数が伸びず昼間に苦戦する理由となっています。

そのため朝夕の7MHzに夜間の3.5MHzを組み合わせた移動運用が盛んに行われてきましたが冬の時期は寒いこと、船の時間に縛られる離島では宿泊しない限りこの組み合わせが使えないことが欠点となっていました。


[昼間を有効活用できる18MHz]
7MHzで伸び悩んでしまう正午前後の時間帯を有効に活用できれば日帰りでのQRVが可能です。そこで使えるのが18MHzです。

6エリアからの18MHzは正午前後にF層伝搬により7エリアを中心に8エリアや1エリア北部(栃木・茨城など)がオープンします。Esと異なりほぼ通年オープンしますし、鹿児島など南九州だけでなく福岡など北部九州でもこのオープンを使えるのです。

7MHzと組み合わせて7→18→7とQSYしてゆけば昼間に苦戦することがなくなります。しかもこの時間帯DXは近場の東南アジアや太平洋方面しかオープンしないためDX狙いの局ともあまり競合しません。メリットが大きい組み合わせだと言えます。

東京・神奈川・埼玉の1エリア南部は若干距離が不足しスキップすることが多いのですが、Condxが良ければオープンすることがあります。もちろん距離のある南九州の方がオープンの可能性が高くなります。


[18MHzのアンテナはどうすれば?]
国内のF層伝搬ですので50W+モービルホイップなどでもOKだと思います。もちろんフルサイズダイポールを使うことができるなら強力かつ安定した飛びが期待できます。


[21MHzではどうなるか?]
18MHzは3アマ以上でないとQRVできません。4アマでもQRVできる21MHzで同じパターンが使えないか、と考える方がいるかも知れません。

残念ながら18MHzと21MHzは似て非なるバンドであり、6エリアからですと8エリアが最もオープンしやすくなります。つまり1エリアなどでは距離が不足しスキップする可能性が高いのです。

それでは21MHzで1エリアがオープンする距離からQRVすればいいのではないか?となりますが、それが可能なのは奄美群島や沖縄になると思います。確かに沖縄ですと21MHzは1エリアが通年オープンします。

九州本土からですとスキップしてしまいますのでやはり7+18の組み合わせの方がベターだと思います。


3エリアからですと18MHzが通年オープンするのは8エリアか沖縄くらいです。夏の時期を除けばそれほど重宝されないのですが、近距離しかオープンしない時間帯の7MHzでもそれなりQSOできますので18MHzが使えなくても何とかなるかも知れませんね。
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