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ハムのための東海汽船案内①

2011-08-31 | シャック便り

伊豆諸島に渡る際にお世話になることの多いのが東海汽船。ところが船旅をしたことがない方も少なからずおられるようですから、今回は東海汽船について掘り下げてご紹介したいと思います。アマチュア無線で利用する上での注意点も入れてゆきます。

 

[東海汽船とは?]
東京都港区に本社のある東証2部上場の海運会社で、航路はほぼ伊豆諸島に特化しています。関連会社の神新汽船・伊豆諸島開発などとあわせて伊豆諸島の全有人島(9島)への航路を持ち、エリアの旅客・貨物輸送をほぼ独占しています。

近年は伊豆諸島北部に超高速ジェット船を投入、東京-大島間がわずか1時間45分に短縮されています。

 
[東海汽船の航路は?]
大きく分けると以下の通りになります。
大島航路(片航路)
 東京-大島-利島-新島-式根島-神津島(客船・ジェット船)
 熱海-大島(ジェット船)
 下田-神津島-式根島-新島-利島-下田(神新汽船)

三八航路
 東京-三宅島-御蔵島-八丈島(客船)

その他航路
 八丈島-青ヶ島(伊豆諸島開発)

この他季節により館山や横浜、久里浜などを経由する便もあります。詳しくは東海汽船のサイトにある時刻表を確認して下さい。

伊豆諸島の各航路ではフェリーの運航はありません。しばしばネット上で「フェリー」と書かれている記事がありますが、上記の船では貨物としても運べませんからご注意下さい。どうしても自動車を持ち込みたい方は東海汽船系の貨物船会社である伊豆七島海運に相談してください。貨物船のスケジュールが毎日ではない上に運賃も結構高いためあまりお勧めしません。

 

[どんな船か?]
詳細は東海汽船のページをご覧下さい。
大型客船
 さるびあ丸 

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 かめりあ丸

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超高速ジェット船
 セブンアイランド(愛・虹・夢) 

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神新汽船
 あぜりあ丸
伊豆諸島開発
 還住丸

 
[船に乗るには?] 
東海汽船は全席全等級指定制です。自由席はありません。当日空席があれば予約なしでも乗船できますが、予約をお勧めします。予約はインターネット(クレジットカードによる即時決済)と電話予約(乗船当日支払い)があります。

客船はいくつかの等級に分かれており、値段も大きく違います。
特等   個室・ベッド付き 
特1等  数人の小部屋に2段ベッド
1等   数人の小部屋で毛布付き
特2等  大部屋に2段ベッド 毛布1枚付き

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2等   大部屋で雑魚寝(和室)かリクライニング座席(座席)

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1等と2等では運賃に2倍の開きがあります。安い2等から埋まりますので2等を希望される方は早めの予約をお勧めします。2等の和室・座席は選択できます。横になることのできる和室の人気が高いようです。

ジェット船は全て2等座席ですが、特別料金が加算され、ほぼ特2等(2等の1.5倍)に近いです。

神新汽船と伊豆諸島開発は全席自由席のため予約不要です。満席になることはまずないと思われます。 

 
[乗り場は?]
東京の乗り場は竹芝桟橋です。JR浜松町駅北口から海側に進んだ突き当たり、またはゆりかもめの竹芝駅下車すぐです。

各島の発着港は以下の通りです。
大島 元町港・岡田港(下り夜行客船のみ岡田港に固定)
利島 利島港
新島 新島港(黒根)・渡浮根港(ジェット船のみ)・羽伏浦港(かめりあ丸のみ)
式根島 野伏港
神津島 神津島港(前浜)・多幸湾(三浦漁港)
三宅島 三池港・錆ヶ浜港・伊ヶ谷港
御蔵島 御蔵島港
八丈島 底土港・八重根港

大島・新島・神津島・三宅島・八丈島は複数の港のうち上記の優先順で条件のよい港を選んで接岸します。従ってこれらの島から船に乗る際は必ず現地の東海汽船代理店に電話をして発着港の確認を行って下さい。電話番号は東海汽船のサイトや時刻表をご覧下さい。

三宅島を例にしますと、船は三池港・錆ヶ浜港・伊ヶ谷港のうちいずれか1つの港にのみ接岸します。島を回って3つ全てに寄港するわけではありません。また、朝の船が錆が浜に着いたからといって午後の船が錆が浜という保証はありません。三池港になることもあります。錆が浜と三池は車で20分程度離れており間違うと船に乗り遅れることもあります。

三宅島の場合は上りでしたら通常正午頃に発着港が決まりますのでそのあたりの時間に現地の代理店に電話して確認して下さい。あるいは宿の方に自分の携帯の番号を知らせておき、連絡してもらう方法もあります。

なお、いくつかの島ではソフトバンクの携帯はつながりません。最もつながりやすいのはドコモですので、グループでドコモの携帯を持っている人がいるか確認を取った方がいいと思います。

預け荷物のある方は締切時間が早いため早めに竹芝桟橋で手続きして下さい。締切時間は東海汽船の案内に電話すると教えてくれます。

 
[就航率は?]
伊豆諸島は外海に面した島が多く、しかも火山島で波の穏やかな湾の構造になっていない港が多いことから風や波の影響を受けやすく、港湾事情は決して良好とは言えません。就航率は季節によって大きく異なり、海況の安定する初夏から夏場(9月の敬老の日前後)は高いのですが、季節風の強い冬場の就航率は大きく下がります。

最も就航率が高いのが大島で、低いのが御蔵島と利島です。利島は大型客船の利用が基本だと思って下さい。ジェット船を利用の際は必ず海況と就航状況を確認すること、代替の交通手段を確認しておくことをお勧めします。

伊豆諸島開発の青ヶ島も就航率が低く、特に冬期は10%台という年もあります。青ヶ島への渡島はヘリが基本であり、船は海況の安定する初夏から夏場以外は使えないと思って下さい。

 
[条件付きとは?]
竹芝桟橋に行くと、「○○島につきましては条件付きとさせていただきます」などと掲示やアナウンスがある場合があります。

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条件付きとは船を出航させるものの、接岸できるかは未確定という意味です。船が現地に接近した時点で現地係員が風や波の高さなどを計測し、安全に接岸できると判断すれば接岸となります。ダメな場合は通過(最終港の場合は引き返し)になります。利島・御蔵島はこの条件付きになっているケースが多いです(逆にこれらの島が最初から就航の場合は非常に穏やかな航海だと思って下さい)。

東海汽船としては条件付きの島に着けるかどうかはあくまで「現地係員の判断」としていますので出発前にカウンターの係員や船員に聞いても明確な答えは返ってきません。心配な場合は現地の宿泊先に電話して海況を確認してみるのがいいと思います。

実際のところ条件付きはそれなりの確率で接岸しますので乗ってみるのがベターです。下りがダメな場合は途中で下船しなければ折り返しの上りで接岸したときに追加料金無しで下船できます。折り返しの上りも欠航となった場合は竹芝桟橋に戻ったときに運賃が全額払い戻されます。

航海中は案内所にあるホワイトボードで就航状況が確認できます。出航時点で「条件」となっている島が「就航」に変わっていれば就航決定です。ジェット船の場合は時折船内を回っている船員に確認して下さい。

 

[運賃の払い戻しは?]

欠航および条件付き運航となった場合に乗船しないのであれば無手数料で払い戻しを受けることができます。ただしこれは東海汽船の乗船券に限った話であり、現地の宿は条件付き運航を理由にキャンセルした場合はキャンセル料を取られるケースが多いようです。上記の通り利島や御蔵島は条件付きでの就航が通常ですから、条件付きなら乗船することをお勧めします。心配な方は乗船当日の夕方に予約確認の意味も込めて宿泊先に電話してみるといいと思います。欠航の場合は手数料を取られないケースが多いと思いますが、この辺は各宿泊先に確認してください。

 

続きます。

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