1日より就航したLCCのピーチ、3月はまずまずの滑り出しだそうです。一方でマスコミが妙に押しまくっていて広告代理店のプッシュなんだろうな、と勘ぐったりしています。とある番組ではMCがさも知ってそうに「今までの航空運賃は高すぎると思ってたんですよ」などと強調していましたが、果たしてそこまで言い切るほど安いのか検証してしまいましょう。
もちろん比較するにはちゃんと条件を整えないといけません。以下の通りとします。
・私の自宅(阪神地区某所)から福岡空港までとします。空港までの電車賃は当然考慮します。
・先日の福岡行きと同じく預け手荷物を2個(アンテナケース+機材バッグ)とします。
・ピーチは座席指定なし、ハッピーピーチ運賃(追加サービスのパックなし)、JALカード決済とします。
・比較対象は伊丹発のJALで、運賃は先得(予約変更不可)とします。マイルは後ほど考慮します。
・ピーチは空席により運賃が変動するため、ひとまずx円とし、JALと同額となる運賃がいくらかを求める形にします。
[JALの場合]
手荷物は無料ですので運賃+空港までの電車賃となります。
先得13,000円(先日の実績)+伊丹までの電車賃380円=13,380円
獲得マイル フライト516マイル+カード130マイル=646マイル
[ピーチの場合]
運賃 x円
手荷物 1個目1,050円+2個目2,100円=3,150円
カード決済手数料 210円
関空までの電車賃 1,160円(大阪-関西空港駅:JR利用 自宅-大阪は定期)
獲得マイル (x+3,510+210)×0.005マイル(合計13,000円なら65マイル)
とりあえすマイルの影響を考えないと両者が釣り合うxの値は8,480円となりました。つまり、ピーチの運賃が8,480円以下にならないとJALの方が安いことになります(マイルを考慮すると7,700円あたりが分岐点)。ピーチのサイトを見ていただければ分かりますが、この値段以下になっている日は4月の平日が多く、週末はこの値段より高い日が多いです。平日に安い=「ビジネスには使えない」と利用客が見ているのだろうと思っています。
仮に同額としても私の自宅からですと出発の70分前に家を出ればいい伊丹に対し、2時間以上かかる関空まで行くことは大変な時間ロスです。福岡までなら関空という選択肢は現実的にまぁないでしょう。
という結果です。その番組は「連日満席で大盛況」と紹介しているのに番組スタッフが取材で乗り込んでいたり(ホントに満席なら取材で乗れますか?)と突っ込みどころ満載でした。MCをやってる芸能人なんかは当日普通航空券で乗るのかも知れませんが、しっかり安い運賃を選べば従来の航空会社も十分安いんじゃないかと思います。
[さらにこんなレポートが・・・]
・運賃は付帯サービスの一切ない「ハッピーピーチ」と高いが少し付いている「ハッピーピーチプラス」があるが、搭乗数日前になるとハッピーピーチは「受付終了」となってしまう。従って当日予約は高い運賃体系しか選べない。
・子供の無料扱いは1歳まで。大手と違い2歳は有料となる。
・座席の指定変更、預け荷物の変更等はWebからは不可。変更は電話のみだが、電話で変更を依頼すると割高な電話での料金体系が適用される。
・預け荷物は1個目なら1,050円だが、2個目は2,100円と倍に跳ね上がる。2個預けると2,100円ではなく3,150円になるので注意。
・運航状況の公開が不十分。遅れが出ていても「遅れはありません」と表示されるし、「詳細は各空港会社の発着情報を見ろ」とのこと。ただでさえ遅延が起きやすいのにこの態度では時間にシビアな層はお断りでしょうね。
・1日の終わりは必ず関空に戻るダイヤのため、大幅に遅延した場合最終便は往復とも欠航になる可能性がある。
・係員を減らしているため、車いすなど介助の必要な人に十分な対応ができていない模様。
安くて万全という甘い世界ではないようですので、得失を吟味して選ぶことが重要かと思います。