FT-817で使うバッテリについての6回目は乾電池です。
[乾電池の特徴]
全国どこでも手に入る電池の標準品です。一口に乾電池と言っても実は色々あり、マンガン・アルカリなど様々です。ちなみにマンガン(赤)→マンガン(黒)→アルカリの順に高性能です。さらにパナソニックは「EVOLTA(エボルタ)」という高性能アルカリ乾電池を発売しており、従来のアルカリよりさらに長寿命・高性能だそうです(エボルタには充電式の製品もありますが、これはニッケル水素なので今回の話の対象外)。一時同社が販売していたオキシライドはエボルタに置き換わり既に生産が停止されています。
アマチュア無線ではハンディ機を中心に乾電池に対応した製品が作られてきました。最近のハンディ機は専用バッテリになってしまい、出番が少ないかも知れませんが、FT-817は乾電池対応の電池ボックスがあります。
長所としては、
・入手が簡単
・価格は比較的安い
・FT-817でそのまま使用可能
一方、短所としては
・容量が十分でない
・充電不可
といったあたりでしょうか。
[選定のツボ]
単3サイズ
FT-817の電池ボックスがそのまま使えます。電池ボックスには8本入りますから、12Vの電圧になります。この電圧ですとHIモードで使えそうに思えますが、乾電池は容量が大きくないため一番高性能のエボルタであってもHIモードで使うことは厳しいと思います。L3モードでの使用をお勧めします。
あるいは外付けの電池ボックスを作ってFT-817内蔵のFNB-85と併用するのもありでしょう。
単3電池は10本パックなど大量に販売されていますから、入手は簡単だと思います。
単1・2サイズ
外付けの電池ボックスを自作する必要があります。簡単な工作だと思います。単1の電池ボックスは近年なかなか手に入りにくくなっていますが、日本橋のデジットがいろいろ揃えています。長時間QRVするならやはりアルカリまたはエボルタをお勧めします。エボルタはオキシライドと違って単1や単2サイズのラインナップがありますから、長時間のQRVに向きです。HIモード狙いなら本数は9本で13.5Vとするか10本で15Vになるでしょう。
単1サイズの方が容量が大きく、エボルタのような高性能電池であればHIモードでもそれなりの時間運用できそうです。もちろんL3モードにすればもっと長時間使えます。
[入手方法]
近所の電器店やスーパー・コンビニ等。メーカーを選ばないなら絶海の孤島でない限り何とか入手できそうです。
[充電器]
乾電池は充電できないことになっています。ただ、乾電池の充電器という製品も市販されています。私も以前実験しましたが、弱い電流でじっくり充電することは可能なようです。ただし、元の容量までには回復しませんし、2~3回が限界です。
年に1回とか2回しか移動運用しないという方は充電式のバッテリを買うより乾電池の方が経済的だと思います。充電をしなくていいのでニッケル水素やリチウムイオンの充電器を自作できない方にも向いていると思います。また、コンテストなどで長時間運用を考えている方や遠征移動のときは万一の際を考え予備バッテリとしてお持ちになることも一つの方法だと思います。