沖縄県で離島路線を中心に運航している航空会社が琉球エアーコミューターです。
この会社は他社が運航しない路線を多く持っており、小規模離島への渡島には不可欠な存在です。ところが今ひとつ分かりづらい面がありますので整理してみました。
[琉球エアーコミューターとは]
沖縄県のローカル路線を担当する航空会社で、日本トランスオーシャン航空(JTA)の子会社です。一般にはRACの愛称が使われます。全てプロペラ機での運航ながら那覇-南大東間のような片道400kmの長距離路線も抱えています。
沖縄県の離島路線は元々全てJTAが担っていましたが、小規模離島への路線をRACに移管し、ジェット機はJTA、プロペラ機はRACと住み分ける現在の形となっています。
[保有機材は?]
現在保有している機材は全てカナダのボンバルディア社製で、以下の2種類があります。
DHC-8-100型機 定員39名 4機
DHC-8-300型機 定員50名 1機のみ
DHC-8-100型機は前方に電車の座席のように4人席があります。日本では珍しい進行方向と逆向きの座席があります。
DHC-8-300型機は全日空では56席で使用していますが、日本では定員が50席を越えると客室乗務員が2名必要となるためあえて50席にしています。このためややゆったりした感じを受けます。
[マイルが付く?つかない?]
RACはJALグループですからJALマイレージバンクのマイルが付きます。
以前は那覇-久米島など特定路線のみという制約があったのですが、2012年7月にこれが撤廃され全区間でマイルが付くようになりました。マイルの上級会員になるためのFly on Pointも全区間で加算されます。
ちなみに南大東-北大東間のフライトマイルは8マイルで、JMBでは最小のフライトマイルです。
[機内サービス]
JTAの沖縄県内路線と比べても非常に簡略化されており、キャンディやおしぼり程度しか出ません。飲み物は空港で買ってから乗り込んでください。トイレについても手洗いの水を止めており、おしぼりを配る方法に変えています。なお南大東-北大東、宮古-多良間線では短距離のためベルト着用サインが解除されず飛行中はトイレが使えません。空港で済ませてから乗るようにしてください。
オーディオサービスもなく、機内誌「Coralway」が置かれている程度です。
[他の路線との乗り継ぎ]
JALグループおよびANAグループとは乗り継ぎが可能です。乗り継ぎにすると最終目的地まで荷物を預かってくれるメリットがあります。また、到着便が遅れた場合は乗り継ぎ便が少し出発を待ってくれるか後続便に振り替えてくれます。乗り継ぎには会社が定めた所定の乗り継ぎ時間以上を確保することが求められますので、事前に時刻表や公式サイト、電話案内などで確認をお願いします。
JALグループ(日本航空・日本トランスオーシャン航空)では出発地の空港にあるカウンターで乗り継ぎの手続きをするか乗り継ぎ便として航空券を購入すればOKです。非常に簡単で便利なので乗り継ぎにしておくことをお勧めします。RACの機材運用はかなりタイトなため遅れが出る可能性があります。この点からも乗り継ぎにするメリットがあります。
ANAグループとの乗り継ぎはANAの国内線案内に電話するか空港のカウンターで確認してください。
この他のスカイマークやLCCとは乗り継ぎの取扱ができません。荷物は空港で一度受け取って預け直しですし、到着便の遅れにより乗り継ぎ便に乗れなくても自己責任となり、新しい便の買い直しで多額の出費となることもあります。利用される場合は十分に余裕をもたせた乗り継ぎ計画を立ててください。
[マイル上級会員の扱い]
基本的にJALやJTAと変わりません。ただしラウンジがあるのは那覇空港のみですし、多良間・大東など離島の空港では手荷物の優先引き渡しが行われない場合があります。元々定員の少ない機材ですから優先にならなくても影響はほとんどないと思います。
手荷物許容量についても誤った解釈をする場合がありますが、きちんと交渉すれば許容量の優待を受けられると思います。
[大東島路線の特例]
南大東・北大東への便のうち、午後に運航される便は曜日により那覇→北大東→南大東→那覇もしくは那覇→南大東→北大東→那覇のいずれかの経路となります。このため利用便によっては乗り継ぎ扱いとなりますが、当日の乗り継ぎとなる場合に限り直行便と同じ運賃となる特例があります。
この特例を利用する場合、JALのWebサイトからは直接予約ができません。国内線予約に電話するか空港等のカウンター(全国のJALグループのカウンターで可能)で予約してください。
乗り継ぎとなった場合でも直行便と同じマイルとなり、南大東-北大東間の8マイルは加算されません。
[満席なのに空席?]
RACの運航する路線は特殊な路線が多く、満席表示なのに実際の機内には空席があることがあります。これは燃料の関係で搭乗者数を制限していることや、「村長持ち席(緊急時のため村が確保している席)」の存在が理由のようです。
「こんな離島路線に39人も乗らないだろう」と思わず早めに予約することをお勧めします。特に沖縄の年中行事や村の祭礼、船の運休日などは終日満席ということもありますからご注意下さい。
[持ち込める荷物]
以前はかなり厳しい制限がありましたが、現在は「100席未満の航空機」の制限通りです。
機内持ち込み 3辺合計100cm以内かつ重量10kg以内
預け荷物 20kgまで無料
「機内持ち込み可能」としているキャリーバッグの中には100席以上の機体に合うサイズで販売している製品もあります。RACでは積めない場合もありますから念のためサイズの確認をして下さい。
また、JALグループ国内線では預け荷物(有料)の最大重量は100kgですが、RACの場合は小型機であり貨物と混載されるため、搭乗便で運びきれない場合があります。預け荷物が20kgを越える場合は事前に国内線予約等に相談の上で持ち込むことをお勧めします。超過料金は1kgあたり200円です。