JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

「2つめのアンテナ」を整備していますか?

2020-11-23 | JF4CAD技研
先日の沖縄移動、荒天の渡嘉敷島から何とか脱出し翌日浦添市から出ていたのですが、とある局から「今回の沖縄移動で渡嘉敷村の予定はありませんか」と言われました。この局は私が前日に渡嘉敷から出ていたことすら知らないようです。

他にも間もなく期間が終了となる某アワードの掲示板で「○×村がQSOできません どなたか移動をお願いします」との書き込みも見られます。

こういった局が持ってないのがアマチュア局にとって必要な「2つめのアンテナ」なのです。


[現代のアマチュア局には2つのアンテナが必要です]
「1つめのアンテナ」とは電波を出したり受けたりするアンテナです。HFで言うならモービルホイップや短縮GPよりもフルサイズのダイポールの方が飛びますし、八木にすればさらに飛びます。アンテナの重要性は今更言うまでもありませんよね。

1980年代や90年代のアマチュア局にとってはこの「1つめのアンテナ」だけでも十分楽しめました。アマチュア局が今より多かったからです。ところがアマチュア局の数が減った現代ではもう一つのアンテナが重要になってきました。それが「2つめのアンテナ=情報のアンテナ」です。


[情報のアンテナがないと・・・]
情報のアンテナを持たないまま365日日がな一日VFOを回し続ければ移動局しかいないとされる東京の利島村や沖縄の渡名喜村はいつか聞こえてきます。でもそんなことはできませんよね。

それを補うのが情報のアンテナです。

アマチュア局が減った現代ではもはや情報のアンテナを持たず「メール使えません」「ネット使えません」ではアワードを追うことすらできないのがアマチュア無線なのです。電波を出すアンテナがないのと同じ状態と言えます。


[クラスタはアンテナの一つに過ぎません]
情報のアンテナとして真っ先に思いつくのがクラスタです。いま・どこの周波数で・誰が・どこから出ているのかが一目瞭然です。もちろん情報のアンテナとして重要なのですが問題もあります。

一つは書き込む局が少ないこと。閲覧はしても書き込まない人が多いのでクラスタから漏れている珍しい局が多いのです。沖縄からのハイバンドはこの時期でも昼前後は本土がオープンします。でも誰も書かないから開いていないと思っている方が多いようです。積極的に書いてゆかないとクラスタ自身の情報価値が落ちてしまうことになります。

もう一つは気が付いたときには既に猛パイルになっていて余程の設備でないとパイルを抜けない状態になっていることがあること。「1つめのアンテナ」が平均レベルの局でさえ手の打ちようがない場合もあります。場合によっては「クラスタで見つけてももはや手遅れ」というケースがあるのです。


[「情報のアンテナ」のエレメントを増やしましょう]
クラスタだけでは不十分ですから他の情報手段も合わせて使ってみるといいと思います。あらかじめ「いつ誰がどこからどの周波数で出るのか」分かっていれば網を張ってあとは待ち構えるだけです。

例えばCQ誌などの情報、アクティブな局のブログやSNS、友人同士のメールや電話連絡網などの整備など様々な手段があります。まるで八木アンテナをエレメントを増やすかのように情報のアンテナのエレメントも増やしてゆけば確実性が増すことでしょう。


[アワードに挑戦するのなら]
アワードに挑戦される方は「頑張れば達成できる」と思わない方がいいです。まずはリストを見てQSOが困難な市区町村がどこかを見つけ出すことが大切です。一般的には北海道の道北や道東の町村、東北の県庁所在地から距離のある町村、東京の伊豆諸島、鹿児島の奄美やトカラ、沖縄の離島町村が該当します。これらは移動運用でないと取れないからです。

次にそれらの市区町村からQRVができそうな局が誰なのかを考えて早い段階からリクエストを出しておくこと、あるいはその局の動向を掴んでおくことが達成への鍵だろうと思っています。

具体的な局名を出して申し訳ないですが、私とほぼ同時期に奄美に行かれていたJA2KFC 橋本OMと私とでは運用スタイルが大きく違うことを理解できてないとトンチンカンなリクエストになってしまいます。

KFC局の場合は車をフェリーに積み込んでいるため持って行けるアンテナの制約が少なく、車からQRVできますから3.5MHzなどもQRVできます。一方で私は飛行機や船、バスを使って移動地に行くため持って行けるアンテナに制約がありハブの出る夜間にオープンする3.5MHzなどは危険なため無理ですがフェリーのない宮古や八重山にも行くことができます。同じように見えてカバーできる範囲が違っているのです。

私に3.5MHzのリクエストを出しても断られるでしょうし、KFC局に宮古郡多良間村のリクエストを出しても断られるでしょう。その点は理解しておくべきだと思います。


[リクエストは早めに]
言うまでもなく期限まであと1ヶ月といった段階でお願いしても応じてはもらえないはずです。今から渡嘉敷村をお願いしても沖縄近海では波の高い日が多くなっていますから渡嘉敷村への渡島自体が難しい時期に入っています。「年末までに何とかお願いします」と言っても「難しい」との回答になるでしょう。

アワードのスタート直後にリクエストを出しておくくらいがベターでしょう。
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