JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

モービルアンテナ流用のVDP基台は使えるか?

2015-10-25 | JF4CAD技研
岐阜の販売店CQオームさんで独自にプロデュースしたV型ダイポールの基台が話題になっているようです。商品サイトはこちら。市販のモービルアンテナをV型ダイポールのエレメントにしてしまおうという発想で、M-Jコネクタ付きの基台とバランがセットになっています。

お値段は12,800円で、他にバランを省いた基台のみのセットもあるようです(こちらは9,800円)。第一次ロットの50台は発売から4日で完売し、現在第二次ロットを販売中とのこと。同店では同業店への卸販売も受けるとのことでかなり張り切っているようですね。


これ使えるんですか?」という問い合わせがありましたので結論から先にお答えしたいと思います。
(1)同じ仕様のモービルホイップを2本持っているなら検討してもいいと思います。
(2)V型ダイポールを作るために基台+アンテナ2本を買うのはコスト的に見合いません。

モービルホイップとダイポールではたとえ短縮であっても性能差があり、はっきり言ってダイポールの方が飛びますし聞こえます。実際この夏JP6SRV 臼井OMと朝倉郡筑前町に移動した際にSRV局はモービルホイップ、私はダイポールでした。SRV局からは「モービルホイップでは聞こえない相手と59でQSOできている」と驚かれていました。互いのアンテナの給電点の高さに違いがある影響もありますが、それだけで「聞こえないvs59でQSOできる」の差は出てきません。やはりアンテナの差だと思います。

従って同じ仕様のモービルホイップが既に手元にあり、現時点で活用できていないのならこういう使い方もアリだと思います。


一方で最初からこの基台+アンテナ2本を買うことはお勧めできません。モービルホイップは元々車で使うことを前提としており長さは長いものでも2.5mくらいしかありません。つまりエレメント長2.5mの短縮V型ダイポールにしかならないのです。

これってRadixのRD-S106なんかと同じ長さであり性能も変わらないはずですよね?それでは7MHzのアンテナを作ることを前提にRD-S106+コイルセットを新規で買った場合とこの基台+アンテナ2本を買った場合でお値段を比較してみましょう。

RD-S106+7MHzコイル 13,800+4,200=18,000円(税別)
基台+HF-40CL×2 12,800+7,614×2=28,028円(税別)
ほぼ同じ性能で約1万円の差となり残念ながらコスト上見合わないことになります。


着想は面白く、一部の局が裏技的にやっていたことを誰でも実現できるようになったという点では意義があると思います。ただやっぱり高いかな、というのが正直な感想です。

私自身はバラン含めダイポールを自作しますからこういった金具は不要ですし、お値段ももっと安く作っています。アマチュア的にいろいろ考えて試行錯誤してみるのも面白いでしょうね。
コメント
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