南大東島移動運用メモ
久米島に続き南大東島の運用メモです。
[南大東村]
南大東村は久米島同様沖縄本島南部と同じ島尻郡に属します。JCGで見ればそれほど珍しくはありません。しかし、IOTAやJIIA、JIAなど離島アワードでは沖縄本島とは別カウントとなります。元々人口が少なく観光客(もちろん移動運用)も少ないのでニーズはかなりあると思います。
石垣島や宮古島と違って観光客が少ないため南大東島の事情を紹介したガイドブックはほとんどなく、あっても2~3ページしか紹介されていません。もし何か調べたいことがあればご質問ください。分かる範囲でお答えします。
村役場・郵便局・農協をはじめ、商店・宿などは在所地区とその周辺に集中しています。それ以外の地区にはほとんど何もありません。
ちなみにすぐお隣の北大東島と南大東から約150km離れた沖大東島(ラサ島)は北大東村に属します。沖大東島は全島がラサ工業株式会社の私有地かつ米軍の射撃演習場になっており一般人の立ち入りが禁止されています[1]。ですから沖大東島からQRVした例は恐らくないと思います。
[1]このように一般人の立ち入りができない島は結構あり、伊豆諸島の鳥島、小笠原諸島の硫黄島、南硫黄島、南鳥島などが該当します。
[島内での運用]
島は幕(ハグ)と呼ばれる周縁部が盛り上がった構造をしています(お盆を思い浮かべて頂くと分かってもらえると思う)。在所など人の住む幕下からは海が見えないばかりか磯の香りすらしません。北海道の内陸にある村のような感じのする不思議な島です。
UHFでのダクト伝搬狙いなどを除けば幕上での運用は特に必要ないと思います。逆に幕上にはNTTの衛星電話中継所や風力発電機など運用の障害になる施設がありますから平地(幕下)での運用でいいと思います。幕下でも公園など随所に移動運用ができる場所があります。毎度の注意ですが沖縄は日差しが強く、熱中症や重度の日焼けになる危険がありますから、必ず公園にある東屋や車の中などで運用するようにしてください。
島内の中心である在所地区には144/430のGPが上がっている家が2軒ほど確認できました。これらのバンドをお使いの場合は一声かけておくのがいいと思います。
なお、沖縄本島の方も大東島は未交信という方が多いそうです。たまにでいいですがビームを本島に向けてあげるといいと思います。
[島へのアクセス]
JAL系のRACが那覇から日に2便を運航しています。発着時間から島の人は「午前便」「午後便」と呼んでいます。午前便は那覇-南大東の単純往復ですが午後便は北大東との三角運航で、曜日によって
①那覇→北大東→南大東→那覇
②那覇→南大東→北大東→那覇
のどちらかになります。
所要時間は午前便で1時間少々です。その割に運賃が高く、先得割引などの割引運賃でも結構な値段(私の時は先得のチケットレス割引で片道17,800円)です。運賃や三角運航のパターンなど詳しくは日本航空(0120-25-5971)に確認してください。
日帰りも無理ではありませんが、最大でも5時間しか滞在できないため、時間的にも経済的にも効率が良くありません。(過去にナインティナインの岡村さんが東京から日帰りで南大東ロケという強行スケジュールをやったそうです)
RAC便ですので無料手荷物の重量制限が10kgです。重い荷物は郵便局またはヤマト運輸で送るのがいいと思います。余談ですがこの路線はJALマイレージバンクの対象外でマイルが貯まりません。貯まったマイルを無料航空券に引き替えることもできません。ご注意ください。
他には那覇港から大東海運の「だいとう」という貨客船があり、一晩かけて南大東に着きます。運航スケジュールが直前にならないと決まらず使いにくいです。そのかわり安いので時間に余裕があり安く済ませたい方は検討してもいいかも知れません。問い合わせは大東海運(098-861-0515)まで。日本では珍しいカゴに吊されて上陸という体験ができます。
[島内でのアクセス]
空港から宿への送迎は宿の方がやってくれます(宿の予約時に午前便か午後便か言えばOK)。レンタカー、レンタサイクルもあります。あとは島の人の車に便乗するしかありません。
[宿泊施設]
グレードの高い順にホテル吉里・サザンクロス・民宿金城の3軒です。いずれも在所にあります。各宿とも予約・問い合わせは電話で。なお「飛行機(もしくは船)の予約ができてから宿の予約をお願いします」とのことです。あとは西港近くにバンガローとキャンプ場があります。在所まで食料を調達に行くのが大変ですが値段は格安です。
また、JTA商事(日本トランスオーシャン航空の子会社)や沖縄ツーリストが往復航空券+ホテル吉里宿泊がセットになった那覇発着のツアーをやっています。いずれも値段が安く、本土-那覇の航空券とこれらのツアーを組み合わせて使う手もあります。なお、この両社は他にもかなりマイナーな島のツアーもやっているので沖縄の離島に興味がある方は要チェックでしょう。
[島内の店]
在所地区にお店があります。Aコープ(農協)ほかお店が数軒あります。食料や生活物資の調達に問題はないと思います。写真はホテル吉里の目の前にあるケンチャンストアー。
どの宿も昼食が出ませんが、在所には「大東そば」をはじめ食事どころがありますし、商店でお弁当も売っています。夜も居酒屋が何軒かありますから食事には困らないと思います。娯楽も万全で、カラオケやビリヤード、パチスロの店までありました(苦笑)
金融機関は郵便局と農協のみです。工具等電設資材は与儀商店というお店で扱っています。
[注意点]
携帯電話はNTTドコモのみ使えます。auとソフトバンクは開通の予定無しだそうです。公衆電話は空港か在所の主要施設にしかないので注意してください。いずれも衛星経由なので通話にタイムラグが生じます。
テレビは小笠原向け衛星回線を利用しており、天気予報やローカルニュースは首都圏のものです(琉球放送や沖縄テレビではなくTBSやフジテレビが映ります)。天気予報が確認しにくいので注意してください。島の人に聞くか南大東の測候所に問い合わせると教えてくれます。
余談ですが沖縄県に系列局のない日本テレビとテレビ東京は小笠原では視聴できても大東島では視聴できないようになっているそうです。
新聞は那覇から空輸され、午前便が欠航しなければ昼前にその日の朝刊が商店に並びます。
ちなみに大東諸島にはハブはいないそうです。
[おみやげ]
ラム酒・大東ようかん・マグロのジャーキー・月桃茶・パパイヤの漬け物など。空港売店や在所の商店で手に入ります。