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見もの・読みもの日記

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甲府・週末ミニ旅行(その2)

2007-08-28 23:53:51 | 行ったもの(美術館・見仏)
○武田神社と宝物殿『山本勘助展』

http://www.takedajinja.or.jp/

 武田信玄を祭神とする武田神社は、大正4年(1915)に「武田神社奉建会」が設立され、同8年に社殿が竣工されたそうだから、実は新しい神社である。明治神宮並み(1915年創建の告示)というか、橿原神宮並み(1890年創建)というか、とにかく近代の産物なのだ。しかし、武田神社の在り処は、信虎・信玄・勝頼の三代が居住した躑躅ヶ崎館の跡だというから、この上なく由緒は正しい。

 参拝のあと、境内の宝物館を覗いた。入館料300円というので、あまり期待を持たずに入ったら、意外と面白かった。甲斐とその周辺を描いた屏風仕立ての古絵図と、赤地に金で北斗七星を描いた軍扇には、思わず笑みがこぼれた。どちらもNHK『風林火山』のオープニングで、効果的に使われているものだ。大井夫人ゆかりの懐剣とか、平賀源心所持の武具(刀だったかな)という説明にも、ついドラマを思い出して反応してしまう。

 展示室の一角では山本勘助の特集が組まれていた。展示品は江戸の浮世絵が多い。江戸時代には、何度か武田流軍学のブームが起きており、浮世絵師もたびたび武田の武将たちを描いたようだ。最近、NHKステラの風林火山「取材こぼれ話」に、背中に矢の突き刺さった勘助のシルエット写真が掲載されていて、”最終回のネタバレか?”と騒がれていたが、何のことはない、江戸の浮世絵のままじゃないか、と思った。たとえば、こんなの。→山梨県立博物館のページ

 現在、いちばんの見ものは「風林火山」の旗(孫子の旗)だろう。子どもから大人まで、目を輝かせて眺め入っている。いつの時代のものとも確かには分からないが、古色蒼然とした趣きがある。「雲峰寺寄託」とあったので、帰ってから調べてみたら、塩山のお寺だった。行ったことあるぞ~。恵林寺と並んで、武田家ゆかりの寺宝が非常に豊富な古刹である。

 上杉謙信の「毘」の旗もあった。川中島の戦いに加わった某氏が持ち帰ったものだとか。ちょっと眉唾だが、まあ楽しんで眺めたい。このほかにも、武田家および家臣の家々に伝わった重宝が、この宝物殿に数多く寄託されている様子には、武田家と甲府の人々の絆の強さを、あらためて感じた。

 武田神社の参道に続く武田通りは、山梨大学のキャンパスを縦割りにし、甲府駅北口に続く。甲府の旧城下町の中心軸である。このあたり、特に見るものはないのだが、円光寺でGETしたリーフレットによれば、一帯は武田家の重臣たちの屋敷跡だそうだ。おお~ここは馬場美濃守の、とか、ここは甘利様の、とか、看板を見ながら歩くだけで楽しい。山梨大学(工学部)は飯富虎昌邸の跡なのね。

 法泉寺をまわって駅に着いたときは、汗でどろどろになっていた。そこで、駅からタクシーを飛ばし、一気に北上して、武田神社の裏手の山腹にある積翠寺温泉へ。日帰り入浴のできる要害温泉を訪ねた。女湯で、これだけ見晴らしのいい露天風呂は珍しいのではないか。夜は甲府市内の夜景が楽しめる。昼間は、けっこう近いところに人家があるので、こちらが見られる心配もないわけではないのだが、ほかにお客のいないのをいいことに、存分に羽根をのばした。ひと夏分の疲れが取れて、もー極楽!!



 そして17:00過ぎの「あずさ」で甲府を発ち、埼玉の自宅に戻ったのは、テレビの『風林火山』の始まる直前だった。今度は、違う季節の甲斐路に行きたいな。
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