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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。
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2025年8月展覧会拾遺

2025-08-27 22:14:24 | 行ったもの(美術館・見仏)

 毎日、暑いのでぐったりしている。職場は涼しいのだけれど、帰宅すると、もう何もする気力が起こらない感じ。気がつけば8月も終わるので、あれこれ行ったものから。

文化学園服飾博物館 戦後80年企画『衣服が語る戦争』(2025年7月16日~9月20日)

 戦勝への期待の中で作られた着物、物資不足の節約生活の中で着られたもんぺや国民服、同時期の欧米のドレスやファッション誌を展示し、戦争が衣服や人々の生活に及ぼした影響を考える。いわゆる「戦争柄」の着物も出ていた。私が「戦争柄」の存在を知ったのは、2007年刊行・乾淑子さんの『図説・着物柄にみる戦争』である。そして、すっかり忘れていたが、2015年にも同館で『衣服が語る戦争』を見ている。戦争柄の着物は、主に子供に、特に晴着として用いられたと思っていたが、大人用の襦袢もあって驚いた。ポップなTシャツみたいだと思った。今回は、昭和初期に被服協会が調査のために収集した、中国やモンゴルなどアジア各地の民族衣装が展示されていたのも興味深かった。2階ロビーには、戦時中の文化服装学院の教師と生徒の回想が紹介されていたが、1945年5月24日未明の山の手大空襲で校舎を焼失しているのだな。

半蔵門ミュージアム 特集展示『ほとけに随侍するもの』(2025年4月23日~8月31日)

 脇侍や眷属(部下・仲間)など、主尊に随侍するものをテーマとして、彫像・絵画を展示する。福島県会津の如法寺に伝来した応現身像のうち、同館所蔵1躯(やや大きい)と早稲田大学會津八一記念博物館所蔵6躯(30センチくらい、フィギュアっぽくてかわいい)を展示。童女身は顔がお面のように取れていて不思議だったが、玉眼を嵌めるためと気づいて納得した。絵画『弁才天十五童子像』の童子には、ひとりずつ名前があり、酒泉童子は酒壺を持ち、飯櫃童子は飯櫃(めしびつ)を持っている!

大倉集古館 特別展『藍と紅のものがたり』(2025年7月29日~9月23日)

 古来より、日本の色彩文化において欠かせないものが、植物のアイとベニバナから生まれる藍色と紅色である。本展では、ふたつの色と染料技術の歴史、そこから生まれた衣装や衣服を紹介し、その魅力を見つめなおす。1階展示室は「紅」、2階展示室は「藍」を特集する。ベニバナは3世紀に中国から日本に伝来した。襦袢や合着に使われた「紅板締め」は、むかし京都文化博物館の常設展で見た記憶があった。紅花染めの広がりの例として、八百屋お七が取り上げられているのも面白かった。私は黄八丈のイメージだけど、豊国(国貞)の浮世絵では、赤い着物を着ているのだな。藍染めは正倉院宝物にも例があるが、普及したのは江戸時代。藍の濃淡によって複雑な絵柄を表現するものもあるけれど、私は青海波とか市松模様とかのパターン模様が「粋」で大好き。

サントリー美術館 『まだまだざわつく日本美術』(2025年7月2日~8月24日)

 2021年に開催した展覧会『ざわつく日本美術』の第2弾。前回展で、うわっ!と思った『袋法師絵巻』が冒頭に取り上げられていて苦笑してしまった。このほか「ぎゅうぎゅうする」は、あれもこれもの「〇〇尽くし」を集める。「おりおりする」は卓上に屏風の模型が用意されていて、好きなように折ったり広げたりして鑑賞することができる。長年、屏風にこだわってきた同館らしい試みだと思った。「らぶらぶする」は様々な恋愛模様を絵画化した作品を紹介。男装の麗人が帝に寵愛されてしまう『新蔵人物語絵巻』いいよねー。「ぱたぱたする」は手箱や重箱んのデザインを展開図で楽しむ。「ちくちくする」は津軽こぎん刺し。「しゅうしゅうする」は「蒐集する」でコレクターの紹介。彫刻家の朝倉文夫が和ガラスコレクターだったとは知らなかった。


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