「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

戻ってきた真空管アンプ

2019年12月05日 | オーディオ談義

このほど、東京在住の「S」さんにお貸ししていた「2A3シングル」アンプが手元に戻ってきた。

「S」さんはもともと福岡市にお住いの方だが、2年ほど前に転勤で東京へ。

大のオーディオ好きで、タンノイ「コーナーヨーク」(モニター・シルヴァー)と「PP5/400」アンプを愛好されている。

         

東京赴任時にタンノイ「チャトワース」(モニター・レッド)を持って行かれたが、アンプについては「これを使ったらいかがですか」と我が家から自主的に「2A3シングル」を提供していた。

何しろアンプの置き場所に困るほどなので一台くらいは差支えなし(笑)。

それがこのほどSさんが新しい真空管アンプを調達されたので、およそ2年ぶりの帰還となったわけ。これがそう。



出力管「2A3」の愛好者は多いと聞くが、かなりクセのある球でドライブするのがなかなか難しいという噂をちらほら聞く。

我が家の「2A3」アンプの概要は、前段管とドライバー管を兼ねて強力なドライブ力を発揮する「6DE7」、出力管「2A3」はフランス製の「VISSEAUX」(刻印:ヴィソース)、整流管は「5X4G」(ロジャース)というシンプルな構成。

出色はテレビ球の「6DE7」で、こんな珍しい球を使う発案者は「北国の真空管博士」に決まっている(笑)。

製作は「チューブ・オーディオ・ラボ」(新潟県)さんなので、企画立案と製作について両者のコラボで成り立っている。

さっそく我が家の「3ウェイシステム」で聴いてみたが、低音域の充実度には目を見張るほどだった。これなら「ウェストミンスターはもう要らん」というほどだった(笑)。

ひとまず好感触を得てから、「もっと良くなるかも」といろいろ弄ってみた。

まずは裏蓋を開けてから作業に取り掛かった。

いかにもプロの所業といえる整然とした回路配線に、素人が手を加えるのは気が引けるほどだが、オーディオ界には次のような迷信があるのだ。

「アンプの生命線の一つであるカップリング・コンデンサーに極小値の良質のマイカコンデンサーをパラってやると音が良くなる!」

幸い「ウェスタン製の極小値のマイカコンデンサー」をこの日のために2個手に入れていた。

慎重に左右両チャンネルに半田付け。中央部に見える茶色の四角い2個がそれ。

   

難なく作業を終え裏蓋を閉じて正常な姿勢に戻した。

次は前段管「6DE7」の球の入れ替え。

何しろインターステージトランスが不要なほど強力に出力管「2A3」をスウィングできる球である。この球次第でガラッと音が変わるのは必定だ。



3種類の球を準備していて、左からアメリカ球の「レイセオン」、「RCA」そして日本製の「NEC」。

レイセオンといえば宣伝を一切しないので一般的にはあまり有名ではないが、知る人ぞ知るアメリカきっての軍事産業(ミサイル製作など)である。

昔は軍事用の真空管を沢山製作しており、何しろ血生臭い戦場で人の命を左右するほどの真空管だからその緻密さと高信頼性については「泣く子も黙るレイセオン」といわれるほどだ。今でも高値で取引されているほど。

ただし、この「6DE7」球は北国の真空管博士によると、

「レイセオンはミサイルづくりで忙しいので、日本の東芝かNECあたりに発注したものでしょう。とはいえ引き取るときに抜き打ち検査をやるので、メーカー側もそれなりに入念に作っているはずです」

Sさんにお貸ししていたときは「RCA」球だったが、我が家では気分転換で「レイセオン」に差し換えてみた。

さあ、試聴だ。ハラハラドキドキワクワク~。

おッ、何だか透明感が一段と深くなった感じですよ~(笑)。

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