「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管アンプの「つばぜり合い」

2023年06月24日 | オーディオ談義

前々回の「オーディオシステムの衣替え」からの続きです。

そもそもの発端は10日前(14日)の倉敷市からお見えになった「Y」さんの一言だった。

「WE300Bアンプより6AR6シングルの方がいいと思います」

そのときは「そうですか・・」と、初対面の方への遠慮もあって軽く受け流していたのだが(笑)、製作費や真空管のお値段からすると前者は後者の5倍くらいのダントツの差だから、投資効果からみて持ち主にとっては「由々しき事態」といっていい。

人それぞれに感性が違うので仕方がないといえばそれまでだが、やはり気になってそのまま放っておけないよなあ。

さっそく対策を講じてみた。

まずは、第一弾として当日の300Bアンプの前段管には「471B」(「デフォレ」の刻印)を使っていたのでそこに疑いの眼を向けた。



希少な古典管だが、惜しいことにちょっと電流が少なめの規格の真空管なので、アンプに元気を出してもらうために新品同様の「71A」に差し替えた。

このアンプの場合、インターステージトランス「HA-106」(UTC)で前段管の出力を6倍増幅しているので、基本的なべースになる前段管をゆめゆめおろそかにできない。

第二弾は出力管を「WE300B」から、より「スピード」が速そうな「6A3」(刻印)に代えてみた。本来は互換性が無いのだが、我が家のアンプに限っては差し替え可能となっている。

これらの対策を講じてから、来ていただいたのが近隣にお住いの「Y」さんだ。困ったときの「Y」さん頼みがここ数年続いている(笑)。

お見えになったときは、いつもまるで「うわ言」のように「AXIOM80を聴かせてください」と仰るのだが(笑)、今回はあえてこの「梅雨用=窓開け放し」システムを聴いていただいた。



テスト用のソースはYさんが持参されたバッハの「ヴァイオリン協奏曲」。



開口一番「ほう~、AXIOM80じゃなくてもこんな音が出せるんですねえ・・」。

「どうです、いいでしょうが・・」と、ここぞとばかり調子に乗る軽薄さ丸出しの自分がいる(笑)。

「実は本日来ていただいたのは・・」と、おもむろに趣旨を説明してから「WE300B」アンプと「6AR6」(三極管接続)アンプの一騎打ちに入った。

ちなみに、「6AR6」真空管は初期型の「楕円型形状プレート」を使っている。

で、システムの中核を成す「スーパー10」(ワーフェデール)用のアンプを最初は「WE300B」で、そして次に「6AR6」と切り替えてから、「どうでした?」。

「ほとんど変わりませんよ~。もう紙一重という感じですが、強いて言うなら、6AR6アンプの方が静けさにおいて優っているように思います。録音現場の雰囲気の再現性がより高いように思えます。」

この「6AR6」アンプは「三極管接続」にすると、「あの銘管PX4の周波数特性と酷似します」(北国の真空管博士)とのことで、それを拠り所に購入したものだが、まったくもって「コスパ抜群」だったことになる。

ただし、前段管は指定の「6SL7」の代わりに「ミュー=増幅率」が同じ程度の「13D9」(英国:BRIMAR=STC)に代えている。



BRIMARの「13Dシリ~ズ」は性能・耐久性ともにまったくハズレがないようですね。

というわけで、この2台のアンプの落ち着き先は「「6A3シングル」がデッカの「リボンツィーター」(低能率)に、そして「6AR6シングル」が「スーパー10」となった。

とはいえ、そのうち飽いてきたときは「2A3シングル」「71Aシングル」「71Aプッシュプル」そして真打の「PX25シングル」などの出番となるのは目に見えている。

そして、試聴会の最後は「AXIOM80」を聴きながらの四方山話に移ったが、80を取り付けているバッフルを付け替えると、もっといい音になりそうですよ、というわけでこの画像を御覧になっていただいた。



「ああ、これはギターやヴァイオリンにもよくみられる裏打ちですね。AXIOM80がもっと良く鳴る可能性があるのであれば大いに興味があります。4mm程度の板厚は無理かもしれませんが、ギターの製作者に心当たりがありますので訊いてみましょうか」

「それは願ってもない事、よろしくお願いします」

「AXIOM80」用バッフルの製作・加工は今後の楽しみなテーマだが、低予算で済めばいいけれど・・(笑)。



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