「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

選り取り見取りの音

2016年04月26日 | オーディオ談義

文豪「夏目漱石」は若き日の「芥川龍之介」に対してこう諭した。

「世間は才能の前には頭を下げないが、根気に対しては頭を下げる。才能をひけらすことなく、牛になったつもりで根気よく進みなさい。」

じぶんも才能は何も持ち合わせていないが、オーディオの「根気」だけは誰にも負けないつもり。

「またオーディオの話か」と思われるのがシャクなので、冒頭からつい「根気」をアピールしてしまった(笑)。

去る4月上旬に2種類の「ディヴァイディング・ネットワーク」(2ウェイ式、以下、「ネットワーク」)が到着してから4週間が経った。

この道具はアンプはそのままにして可聴帯域の周波数を2つに分割して別々のSPユニットで鳴らせる便利な代物だが、さして音質の劣化も感じられず何よりも「好みの音」へのアプローチが大幅に増えたのがいい。

しかし、一方ではあまりに増えすぎて最近では何が何やらじぶんでも訳がわからなくなったのでここでしばし立ち止まって頭を冷やしてみることにした。

まず3系統あるシステムのうち、ウェストミンスターに絞って整理してみよう。

まずネットワークが来る前のシステムは フィリップスのユニット(口径30センチのダブルコーン:アルニコマグネット型)をフルレンジで鳴らしていたわけだが、無難ではあるもののどうしても開放感が足りずに“こじんまり”とまとまってしまう傾向がある。

そこで2種類のネットワークの出番となっわけだが、分類すると次のとおり。

1 パイオニアのネットワーク(8Ω仕様:クロスオーヴァー 4000ヘルツ)の活用

 (1) 4000ヘルツまではそのままフィリップスのユニットに受け持たせてそれ以上の周波数帯域を二つのツィーターユニットで実験。

            

ワーフェデールのコーン型ツィーターとJBLの075ツィーターの競演となったが、両者とも能率が高いのでSP用のアッテネーターを使っての聴き比べとなったが実に興味深いものだった。

ワーフェデールはヴァイオリンの音色に品があってまるでピンと張った絹糸のように光沢があり、それはそれは筆舌に尽くしがたい美しさ。一方075は陽気で華々しくシンバルの音色にかけては独壇場。

まったく甲乙つけ難しでどちらにするか随分迷ってしまうがやはりクラシックを主体に聴くのならワーフェデールだろう。

(2) ウーファーユニットをフィリップスからJBLのD130(口径38センチ)に替える 

これも随分面白そうだ。そのときは同じJBL同士でツィーターは075で決まりだろう。ぜひ試してみたい組み合わせだが、今は忙しいので(?)将来の愉しみにとっておこう。

2 テクニクスのネットワーク(クロスオーヴァー 1200ヘルツ)の活用

(1) タンノイのオリジナルユニット(同軸2ウェイ、口径38センチ)を使う

これでユニットと箱とが当初通りのオリジナルの組み合わせとなる。このユニットを引退させてからもう数年経つが当時とはアンプが様変わりしたことだし、どういう音が出るか興味津々。

しかし、今のフィリップスのユニットがあまりにもお気に入りのため出番はもう少し先だ(笑)。その場合1200ヘルツ以上をワーフェデールに替えるのも十分考えられる。

(2) 1200ヘルツ以下にJBLのD130を使う

この場合は1200ヘルツ以上を075に持たせるのは酷なのでJBLの「175」ドライバーあたりを持って来ると完璧なジャズサウンドとなろう。ウーファーの箱がウェストミンスターだから世界で唯一のサウンドとなる。

一方では1200ヘルツ以上にワーフェデールを持ってくるのも面白い。アメリカとイギリスの掛け合わせで国籍不明の音になるが、クラシックとジャズが両方いける可能性もある。これもそのうち実験してみよう。

以上、二つのネットワークの使い分けで選択肢が大きく広がり「選り取り見取りの音」が得られるのがいい。


次にシステムを代えてグッドマンの「AXIOM300」(口径30センチ:ダブルコーン、アルニコマグネット型)について。

これも現在16Ω仕様のネットワークを使ってクロスオーヴァー4000ヘルツで楽しんでいるが、ツィーター用のワーフェデールのユニットをウェストミンスター側に惜譲したので後継ユニットを探していたところたまたま見つけたのがイギリスFANE社のコーン型ツィーター(口径10センチ)。

FANE社なんて名前は初めて聞くが、どうやら古き良きラジオ時代の由緒あるメーカーらしい。かなりの競り合いを切り抜けて無事落札。

           

いかにも品の良さがそこはかとなく漂ってイギリス製品らしい雰囲気。薄くて軽量のコーン紙がピ~ンと張ってとてもいい音が出そうな予感がする。AXIOM300と同じイギリス勢同士だしインピーダンスも同じ15Ω前後なので相性が良さそうだ。

我が家に到着したのが23日(土)。さっそくボリューム調整なしでセットしてみた。

         

今日で3日目だが、まったく穴が見当たらず言うことなし!真空管アンプは「Px25シングル」だが、気の遠くなるほど「いい音」とはこういう音を指すのではなかろうか(笑)。


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