「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「最高の音」が出た試聴会

2016年04月14日 | オーディオ談義

今回ばかりは(ブログの)タイトルをどうしようかと迷ってしまった。

あまり華々しいタイトルにすると、二年前のように心ない読者から「はしゃぎ過ぎ」と中傷されるに違いないのでしばしためらったが、事実は事実なので“ありのままに~”ということでいかせてもらおう(笑)。

それほど昨日(13日)の試聴会は極めて評判が良かった。

なにしろお客さんのKさん(福岡)が「これまで聴かせていただいた中でAXIOM300もウェストミンスターも最高の仕上がりでした。(ヴァイオリンの)グァルネリとストラディヴァリの音の違いがこれほどはっきり分かったことはありません。この音なら、どなたが聴かれてもきっと驚かれると思いますよ。」

実はじぶんも「これまでで最高の音になった」と大いに自信があったのだが、そう思いつつこれまで何度も何度もそれが短慮の至りだったことを経験してきたので半信半疑だったのだがようやく自信が確信に変わったといえる(笑)。

今回の試聴会のテーマはおよそ2か月ぶりに我が家にお見えになるKさんなので、その間に変遷した我が家のシステム状況を聴いていただくことだった。

「男子三日会わざれば刮目して見よ」という故事があるが、我が家の場合は日変わりみたいにクルクル変わるので何が何やらサッパリだが、まあ、強いて挙げるとすれば次の2点に尽きるだろう。

 二系統のSPについてデヴァイディング・ネットワークの導入と追加したコーン型ツィーター(4000ヘルツ~)の効果

 
第4次改造が済んだ「PX25アンプ」の仕上がりぶり

           

はじめに聴いていただいたのは手前右側のスピーカーからで、グッドマンの「AXIOM300+ワーフェデールのコーン型ツィーター」。

「AXIOM300とワーフェデールの繋がりに全然違和感がありませんね。もしかしたらこのツィーターはマグネットの色が赤ですし、OEMでグッドマン製かもしれませんよ。。そう思わせるほど音が似通ってます。4000ヘルツでクロスさせたのは正解でしたね。トレバックス(グッドマンの専用ツィーター)とAXIOM301との2ウェイ構成のときもクロスオーバーは5000ヘルツにしてますから。」

駆動したアンプはPP5/400シングルアンプ。

           

これまで3回にわたって改造してきたアンプだが、このほどようやく「北国の真空管博士」の裏ワザによってトドメを刺してもらった(笑)。PX25系はμ(増幅率)が高くて、グリッドの処理にも独特の個性がありとても鳴らしづらい球として有名だがやはり独特のノウハウが必要のようだ。

出力管PP5/400(初期版)の次にPX25を、そして整流管をムラードの「GZ33」「GZ32」、STCの「5R4GY」を差し替えるなどいろいろ「球転がし」をしたが、音質がコロコロ変わるので真空管アンプならではのお楽しみ。

この中ではSTCの「5R4GY」が一番いいはずだったが、ガラスの内側が曇っていてどうやらヘタって来ているようでイマイチだった。整流管の劣化は想像以上に進みやすく、しかもじわじわと進行するので気が付きにくい。いっそのこと劣化したときはスパッと音が出なくなってくれた方がいいのに~(笑)。それにしても整流管は鮮度が大切だと肝に銘じたことだった。

これまで何度もPX25アンプを聴かせていただきましたが、中高音域の独特の艶にどこか芝居気があって、どうしても馴染めませんでしたが、今回はガラリと印象が変わりました。とても爽やかで品のいい音です。やはりいい球なんですね~。しかもこれまでと違ってPP5/400とPX25の差が接近してきましたよ。」とKさん。

ジャズからクラシック、そして声楽までいろんなジャンルをいっさい破綻なく鳴らしきったところで、いよいよ佳境に入って画像左側のスピーカー・ウェスミンスターへ。

駆動したアンプは「71Aプッシュプル」アンプ。試聴盤はオペラ「マクベス」(ヴェルディ作曲)。

          

「たった出力2ワットぐらいでこんなに豊かな、そして制動力のある低音が出るんですか!オペラもいろんなところで聴かせていただきましたが、こんなに伸び伸びと歌い上げる歌手たちは初めてです。それに、フィリップスのユニット(口径30センチ:アルニコマグネット)がとても利いてますね。メーカーが口径38センチのユニットは作らない、30センチで十分だと豪語したのがこれでよく分かりました。」というのがKさんの第一声だった。

ここでもデヴァイディング・ネットワークにより4000ヘルツでクロスさせたツィーターが大活躍。グッドマン製と称するものを聴いていたところ13時頃に玄関のチャイムがピンポ~ン。

宅急便のヤマトさんだった。一昨日オークションで落札したばかりの新たなコーン型ツィーターの到着だ。

               

サンヨーさんの型番SX401というシステムに付いていたツィーター・ユニットだという。口径はわずか5センチ。どうしようかと迷ったが製品の仕様をググってみると、「エッジレス」という極めて魅力的な言葉があったので迷わず飛び付いた!お値段はわずかガソリン10リッター分(笑)。

「サンヨーですけど付け替えて聴いてみますか?簡単な作業で済みますよ」と、お誘いすると「当時、サンヨーは松下(テクニクス)と姉妹会社です。いろんなノウハウが渡っているでしょうからけっしてバカに出来ませんよ。」

「それならちょっと待ってください。」事前準備していたバッフルに4か所のネジ止めと、ハンダでプラス、マイナスのコードを焼き付けて15分ほどで完了。

すぐに音出ししてみると、二人とも「グッドマン製(?)のツイーターよりもこちらの方が相性がいい!」。

まったくオーディオは値段じゃないですねえ~(笑)。

次いでオペラ「マクベス」を「是非AXIOM300の方でも聴かせてください」とのたってのご要望だったので、システムを切り替えた。「どちらがいいとも悪いとも言えませんが私はAXIOM300の鳴り方の方に魅力を感じます」とKさん。

スケール感よりも音のスピード感を何よりも重視されるKさんらしいご感想だが、じぶんはどちらかといえばウェストミンスターで鳴らした方が好き。この辺にどうしても二人の好みの差が出てきてしまうがそれはそれで仕方がない。

きっかり16時にKさんが辞去されたのでおよそ6時間にわたる試聴会だった。今回は我が家において「史上最高の音」が出たといっていいが、同時に、お客さんに対してこれまでずっと最後の切り札としてきた「AXIOM80」の出番がないままに終わった試聴会もこれが初めて~。


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