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道内20カ所の陣屋紹介 白老の資料館開館40周年特別展 絵巻や急須80点展示

2024-07-31 | アイヌ民族関連

佐藤圭史 有料記事

北海道新聞2024年7月30日 19:05(7月30日 20:04更新)

写真や図面が展示されている仙台藩白老元陣屋資料館の特別展

 【白老】仙台藩白老元陣屋資料館(町陣屋町)が今年10月、開館40周年を迎える。江戸時代末期、幕府の命令を受けた仙台藩がロシアから蝦夷地(えぞち)を守るために駐屯した元陣屋の歴史や意義を、町内外に伝えてきた。40周年を記念し8月18日まで、道内の他の陣屋に関する資料を集めた特別展を館内で開いている。

 仙台藩は白老を「元陣屋」として1856年(安政3年)に完成させ、広尾や厚岸などに出先の「出張(でばり)陣屋」を置いた。元陣屋は約120人の藩士が暮らす長屋に、武器や食料を保管する倉庫、馬小屋などを設けた。主要部の面積は6万6千平方メートル。12年間で閉められたが今も土塁や建屋跡といった遺構が残り、1966年に史跡指定され、2022年には北海道遺産に選ばれた。

 資料館は史跡の立体模型や武具、絵図など約800点を収蔵し、このうち約300点を常設する。資料館友の会に所属する高校生から80代の会員10人が案内役を務める。地元の小学生や高校生は授業の一環で資料館を訪れ、地元の歴史を学ぶ。近年の年間入館者数は8千人台で推移する。

 特別展は「蝦夷地の陣屋」と題し、江戸時代末期に現在の函館や石狩、北斗の各市など道内20カ所に置かれていた陣屋について伝えるのが狙い。関係自治体の博物館などから借りた約80点を今月27日から展示している。

 石狩市浜益区の景観を描いた絵巻や、北斗市で出土された急須や土瓶もあり、初日に訪れた登別市の会社員、鋳鍋(いなべ)達也さん(53)は「歴史的なものを見るのが好きで初めて訪れた。一つ一つに当時の人の思いが込められているように感じ、素晴らしかった」と話した。

 40周年を節目を迎え、武永真館長は「さまざまな企画を仕掛けて、少しでも多くの人に足を運んでもらいたい」と話す。特別展は通常の入館料で観覧でき、白老町民は無料。町外は高校生以上300円、小中学生150円。午前9時半~午後4時半。月曜休館(祝日の場合は翌日)。問い合わせは同資料館、電話0144・85・2666へ。

■アイヌの人との交流も 記念シンポ 道博物館学芸員が講演

 【白老】仙台藩白老元陣屋資料館(町陣屋町)の開館40周年記念シンポジウム「全道陣屋跡の現状と課題」(町主催)が28日、町コミュニティセンターで開かれた。北海道博物館学芸員の三浦泰之さんが町民ら65人を前に、陣屋の歴史背景について基調講演した。

 三浦さんは「東北諸藩による幕末の蝦夷地(えぞち)警備」と題し講演した。幕府が南下政策を進めるロシアから蝦夷地を守るために陣屋を置いたと説明。東北諸藩の藩士が陣屋を訪れた際の様子を描いた絵巻を紹介し「アイヌの人たちとの交流など、絵から当時を知ることができる」とした。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1044577/

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