(毎日新聞 2010年11月13日 地方版)
◇心のサンクチュアリを
アイヌ語で「ニムオロ」と呼ばれた野鳥の楽園・根室。かつて海岸にありふれていたシマアオジ、海鳥のエトピリカやケイマフリも姿を消そうとしている。
「滅亡はある日突然やってくるのではない。当たり前のものがいつの間にか減っていき、完全に姿を消してから数年もたって、そういえば、と気づくのである」。根室市のナチュラリスト、高田勝さん(65)は12冊目の近著「ニムオロ原野--風露荘の春秋」(青土社、1900円)でそう書いた。
38年前に移住し、野鳥の愛好家が集まる民宿「フィールド・イン風露荘」を経営。米国にはハチドリのサンクチュアリなどを個人で作っている例があり、私設の野生生物保護区を作るのが当初の夢。「最低100ヘクタールの土地を確保し、シマフクロウとオジロワシを繁殖させたい」という願いはまだ果たせそうにないが、民宿に集う人々を通して「心のサンクチュアリは築けたかな」。【本間浩昭】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20101113ddlk01070068000c.html
◇心のサンクチュアリを
アイヌ語で「ニムオロ」と呼ばれた野鳥の楽園・根室。かつて海岸にありふれていたシマアオジ、海鳥のエトピリカやケイマフリも姿を消そうとしている。
「滅亡はある日突然やってくるのではない。当たり前のものがいつの間にか減っていき、完全に姿を消してから数年もたって、そういえば、と気づくのである」。根室市のナチュラリスト、高田勝さん(65)は12冊目の近著「ニムオロ原野--風露荘の春秋」(青土社、1900円)でそう書いた。
38年前に移住し、野鳥の愛好家が集まる民宿「フィールド・イン風露荘」を経営。米国にはハチドリのサンクチュアリなどを個人で作っている例があり、私設の野生生物保護区を作るのが当初の夢。「最低100ヘクタールの土地を確保し、シマフクロウとオジロワシを繁殖させたい」という願いはまだ果たせそうにないが、民宿に集う人々を通して「心のサンクチュアリは築けたかな」。【本間浩昭】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20101113ddlk01070068000c.html