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北海道新聞2023年10月4日 10:00(10月4日 13:56更新)
多くの旅行者が行き交う新千歳空港を記者が歩き、知られざるスポットを紹介する連載「ディープに歩こう 新千歳空港」。5回目は、驚きの“超”高級ホテルが空港にあると聞き、のぞいてみました。(千歳支局 山崎真理子)
北海道の最高級ホテルの一つが、新千歳空港にある。国際線ターミナルビルに併設された「ポルトムインターナショナル北海道」。その最上階にある「数寄屋」スイートの基本料金(2人1室)は、驚きの1泊100万円だ。
■窓から飛行機が一望
250平方メートルある室内の中央には、日本の伝統建築様式「数寄屋造り」の和室広間。幅24メートルの壁一面に配置された窓からは離着陸する飛行機が一望できる。まさに絶景。歓声を上げること間違いなし。
専用温泉付きのバスルームに応接セット、ダイニングテーブル…。人気ユーチューバーがホテルにプライベートジェットで横付けして宿泊したことでも話題になった。
「ご安心下さい。スーペリアルームも用意してございます」。こちらの思いを察したかのように総支配人の近藤賢督(よしまさ)さん(48)が穏やかな笑みを浮かべた。
ホテルは碧雲(へきうん)堂ホテル&リゾート(千歳)が運営する。客室は5~8階まで全171室。5、6階はスーペリア(108室)、7、8階が各種スイートになっている。記念日などに頑張れば手が届きそうなスーペリアは43平方メートル。アメニティーや調度品などはスイートとほぼ同じで「都内の高級ホテルにも負けません。コスパが1番いい部屋です」と太鼓判を押す。
館内には、日本食、フレンチの各レストラン、カフェ、オーセンティックバーのほか、温泉、スパ、ジム、茶室も備える。
■滞在する美術館
もう一つ、ホテルを紹介する上で忘れてはならないのが「滞在する美術館」であること。葛飾北斎の木版画「北斎漫画」のオリジナル作品が全室に飾られ、宿泊者専用サロンには、伊藤若冲の水墨画も。江戸時代の名画や江戸から明治にかけてつくられた工芸品などあちこちに「お宝」が潜んでいる。真偽は定かではないが「昨日のテレビで500万円の値が付いていた器と同じじゃない?」と興奮した宿泊客の声も聞こえる。
同じく数寄屋スイートに飾られた美術品。螺鈿(らでん)の装飾が美しい
4階のロビーには松前藩家老で画家の蠣崎波響(かきざきはきょう)がアイヌ民族の首長らを描いた「夷酋列像(いしゅうれつぞう)」の高精細複製作品が展示され、その後ろの土壁には、アイヌ民族が決起したクナシリ・メナシの戦いで多くの犠牲者が出た根室の赤土が使われている。
4階ロビーに飾られている「夷酋列像」の高精細複製作品。後ろの赤土は根室から取り寄せた
和と洋を「いいとこどり」した居心地抜群の空間とおもてなしの良さは今夏、大手予約サイトの「泊まって良かった宿大賞2022」で「総合」と「接客サービス」で1位に輝いた。
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