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宮沢・レーン事件「最後の証人」マライーニさんに聞く 「私のルーツの一つが日本に」

2024-06-13 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2024年6月12日 21:03(6月13日 1:44更新)

都内にある宮沢弘幸さんの菩提寺で講演するダーチャ・マライーニさん(中央)=内山岳志撮影

 ノーベル文学賞の候補として名前の挙がるイタリア人作家ダーチャ・マライーニさん(87)が12日、都内の寺院で講演した。一問一答は次の通り。

 ―新刊「Vita Mia(わが人生)」で訴えたかったことは何ですか。

 「私にとって日本は、子供の時期8年を過ごした大切な所です。私のルーツの大事な一つが日本にあると思っています。よく聞かれる質問は、むごい扱いを受けた日本になぜ親愛の情を抱き続けていられるのかということです。確かにこの外国人収容所で大変な経験はしました。私は日本人がそばにいるという状況で過ごし、子供心に感じたのは、敵となる存在は収容所の中にはいるが、外にいる日本人は皆、私たちの味方だということです。人は、絶対的な力を手にすると、自分でも知らないうちに非常に残酷になる、サディスティックになってしまうものなのです。収容所の特高警察は、古い軍隊主義思想の人々で、私たちを裏切り者として扱い、どんな残酷なことをしても正しいという考えでした。ただ、それは実際の市民とは違うと理解しています。だからこそ、私は日本人と今でも良い関係を続けていられるのです」

 ―あなたの文学は、閉じ込められた領域からの脱出や反ファシズム、弱者に寄り添うことがテーマになっていることが多いように思います。

 「当時建国された、ナチスドイツと同盟を組むサロ共和国に従属を宣誓しなければ収容所に送られると言われました。しかし、両親は拒否しました。人種差別への反対というイデオロギーのためでした。周りの人々は母だけは幼い娘がいるからサインするだろうと考えていましたが、そうしませんでした。両親とも民主主義という理想に非常に忠実でありました。その結果、当時6歳の私と2歳の妹も、国家の裏切り者として扱いを受けることになりました。これが戦争の悲惨さです」

 ―誰もが持つ暴力性を抑制すること、読む、書くといった文化活動の役割について教えて下さい。

・・・・・・

 ―宮沢弘幸さんとの記憶を聞かせて下さい。

・・・・・・

 ―世界では軍備強化の動きが強まっています。

 ・・・・・

 ―収容所でのエピソードを。

・・・・・・

―父フォスコさんが研究したアイヌ民族について差別やヘイトが今まだ根強く残っています。どうあらがうべきですか。

 「幼稚園や小学校から人種による差別は絶対的な悪だと教えことから始めてはいかがでしょう。ユダヤ人や中国人、アフリカ人など、あらゆる人種は同じDNAを持ち、科学的には同じです。幼い頃から人間はみな同じで、同じ権利と義務があると理解する必要があると思っています。この人種差別というものは、社会の分断を誘発し、支配力を高めることにも利用されます」

―最後に宮沢さんへ一言。

 「宮沢さんは本当に理不尽な理由で逮捕され、拷問を受け、最後には病気で亡くなりました。彼は戦争の犠牲者です。でも、同じ事は世界中で起きています。人を敬うリスペクトが、サスペクトの疑いに取って代わる時は、戦争の一歩手前です。こうした空気をは避けるべきものだと強く訴えたい」

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1023981/

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