苫小牧民報2024.10.02
白老町石山の白老港第3商港区で9月27日、一般社団法人白老モシリ主催の海のイオル(伝統的生活空間)「地引き網漁体験」が行われた。親子連れら約150人が重たい網を左右から力いっぱいたぐり寄せ、掛かったヒラメやサバに歓声を上げた。
網を引く参加者(提供)
地引き網漁は、先住民族のアイヌが和人と関わる中で覚えた漁法。アイヌと和人の関わりと歴史について考え、食べ物を大切にするアイヌの精神文化にも触れてほしいと、体験会を実施している。
参加者は二手に分かれ、一斉に「よいしょ」と声を掛けながら、港内に仕掛けられた網を何度も引っ張った。掛かった魚が海面から飛び跳ねるのを見ると、声にますます力が入り、実際に上がったサバやヒラメ、ボラなどを観察したり、触れたりして地引き網漁の楽しさを満喫した。魚は参加者に振る舞われた。
会場ではサケの解体体験も行われたほか、伝統食のオハウ(温かい汁物)、イナキビご飯、チマチェプ(サケの串焼き)などアイヌの伝統料理が出され、参加者は笑顔で舌鼓を打った。