北海道新聞 2025年4月4日 10:32
糸満市の壕内で遺骨収集をする宮田士暖さん。この場所付近ではアイヌ民族出身の兵士が5人亡くなったという
アイヌ民族にルーツを持つ東京学芸大2年の宮田士暖(しのん)さん(20)が今春、沖縄戦の戦没者の遺骨収集に参加した。昨年初めて参加した際に、民族と戦争の関係に触れた経験が心に残り、今年も現地に足を運んだ。アイヌ民族や朝鮮、台湾などの民族が、日本兵として戦った歴史。「半ば強制的に戦わされる心境や背景はどんなものだったのか」。80年前の戦地に立たされた先人たちに思いを巡らせる。
3月初旬、宮田さんは沖縄県糸満市にいた。草木が生い茂る森の中の、巨岩が折り重なる場所。沖縄守備軍の歩兵第32連隊第1大隊の本部壕(ごう)入り口だ。アイヌ民族関係者によると、この周辺でアイヌ民族出身の兵士5人が亡くなったとされる。
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