北海道新聞2023年7月13日 10:00
【北区】戦禍が消えることを願って詩を読み語りする、演劇集団グループ森(東区、小川道子代表)の公演が2日、札幌エルプラザで開かれました。札幌在住の作家、土橋芳美さんがロシアのウクライナ侵攻を受けて昨年7月に発表した長編詩「ウクライナ青年兵士との対話」や、反戦、脱原発を貫き、今年3月に死去したオホーツク管内滝上町出身の童話作家、加藤多一さんの作品を団員らが読み、70人余りの聴衆に平和の大切さを訴えました。
「ウクライナ青年兵士との対話」(サッポロ堂書店発行)はウクライナの戦場で銃弾を受け、瀕死の重傷を負って死の淵にある青年が主人公です。体から抜け出した青年の魂が札幌でアイヌ民族の老婆と出会い、争いごとを避けるためにアイヌ民族が大切にしてきた「チャランケ」(とことん話し合うこと)を教わります。
この本を読んで感動した小川代表が「多くの人に紹介したい」と読み語りの公演を企画。長年親しくしていた加藤さんをしのんで、加藤さんの作品も公演に加えました。
「ウクライナ|」は北海道詩人協会理事で旭川在住の詩人、柴田望さんが青年役、小川さんが老婆役を務めて、読み語りました。
「死の間際、アイヌのおばあさんとチャランケについて話し合えたこと、ぼくは忘れません」
「あなたがウクライナを愛し、平和な明日を思い描いたというその言葉を私は忘れない。ロシア兵もウクライナ兵も、そう、死んではいけない。殺してはいけない」
2人は平和への祈りを込めて熱演し、25分ほどの読み語りが終わると、静まり返っていた会場から大きな拍手が送られました。
また、加藤さんの作品は、詩集「タイチの場合」の4編と、先の大戦で軍馬として大陸に送られ、帰ってくることがなかった馬の物語「ホシコ-星をもつ馬」のダイジェスト版を団員4人と柴田さんがそれぞれ読み語りました。
2時間近くに及んだ公演は最後まで聴衆を引き付け、北区の50代女性は「ウクライナの青年の話は言葉の力、大切さを改めて感じさせてくれました。来て良かった」と話していました。(ライター・小野高秀)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/876361/
【北区】戦禍が消えることを願って詩を読み語りする、演劇集団グループ森(東区、小川道子代表)の公演が2日、札幌エルプラザで開かれました。札幌在住の作家、土橋芳美さんがロシアのウクライナ侵攻を受けて昨年7月に発表した長編詩「ウクライナ青年兵士との対話」や、反戦、脱原発を貫き、今年3月に死去したオホーツク管内滝上町出身の童話作家、加藤多一さんの作品を団員らが読み、70人余りの聴衆に平和の大切さを訴えました。
「ウクライナ青年兵士との対話」(サッポロ堂書店発行)はウクライナの戦場で銃弾を受け、瀕死の重傷を負って死の淵にある青年が主人公です。体から抜け出した青年の魂が札幌でアイヌ民族の老婆と出会い、争いごとを避けるためにアイヌ民族が大切にしてきた「チャランケ」(とことん話し合うこと)を教わります。
この本を読んで感動した小川代表が「多くの人に紹介したい」と読み語りの公演を企画。長年親しくしていた加藤さんをしのんで、加藤さんの作品も公演に加えました。
「ウクライナ|」は北海道詩人協会理事で旭川在住の詩人、柴田望さんが青年役、小川さんが老婆役を務めて、読み語りました。
「死の間際、アイヌのおばあさんとチャランケについて話し合えたこと、ぼくは忘れません」
「あなたがウクライナを愛し、平和な明日を思い描いたというその言葉を私は忘れない。ロシア兵もウクライナ兵も、そう、死んではいけない。殺してはいけない」
2人は平和への祈りを込めて熱演し、25分ほどの読み語りが終わると、静まり返っていた会場から大きな拍手が送られました。
また、加藤さんの作品は、詩集「タイチの場合」の4編と、先の大戦で軍馬として大陸に送られ、帰ってくることがなかった馬の物語「ホシコ-星をもつ馬」のダイジェスト版を団員4人と柴田さんがそれぞれ読み語りました。
2時間近くに及んだ公演は最後まで聴衆を引き付け、北区の50代女性は「ウクライナの青年の話は言葉の力、大切さを改めて感じさせてくれました。来て良かった」と話していました。(ライター・小野高秀)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/876361/