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<言葉の現在地2024>市井の営み、沖縄映す鏡 県民の半生を編んだ「沖縄の生活史」

2024-06-18 | ウチナー・沖縄

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北海道新聞2024年6月17日 10:42(6月17日 10:44更新)

「沖縄の生活史」みすず書房刊4950円

 その本は、ずしりと重い。上下2段組みで880ページ。5.5センチの厚みがある。昨年5月にみすず書房から出た「沖縄の生活史」。地元紙・沖縄タイムスの2022年の連載企画を1冊の本に仕上げた。100人の聞き手が聞いた100人の語り手の聞き書き集だ。県民の4人に1人が亡くなった沖縄戦とその後27年間続く米国による統治、日本復帰後も続く米軍基地と隣り合う暮らし…。そんな沖縄ならではの歴史を背景にしつつも、記録されたのは百人百様の生活のきめ細やかでみずみずしい言葉の数々だ。沖縄を訪れ、何人かに会いに行った。(編集委員 関口裕士)

■100人が語り100人が聞いた 

 1972年の復帰から50年に合わせた企画。一般公募に手を挙げた100人が両親や祖父母、親戚、友人、知人から話し手を選び、半生を聞き取った。聞き手が約1万字にまとめた原稿は22年5~12月、1人分を上下2回で連載した。現・政経部長の福元大輔記者(46)が企画し、岸政彦・京大教授(56)=社会学=と石原昌家・沖縄国際大名誉教授(83)=平和学=が監修した。

■それぞれの「復帰」

 名護市在住の比嘉(ひが)チハルさん(45)は父親に話を聞いた。テレビディレクターで普段は「物語のある人」を取材することが多い。口数が少なく趣味もなく、建築関係やタクシー運転手など仕事を転々とし、ただ家族のために働いてきたように見える父は「普通すぎて、語るものがないみたいに自分の中で決めつけていた」。でも、父の子ども時代の話などを聞いて「父の人生に、こんな豊かな物語があったんだと発見がありました」。

 掲載後、父は今の勤務先の警備会社の同僚から見たよと声をかけられたという。親戚は大量に新聞を買ってみんなに配った。「脚光を浴びるとかって、人生の中でそんなになかったと思う。うれしそうな父を見て、やって良かったなと思いました」

・・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1025625/

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