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「仙台藩陣屋跡」土塁復元へ 白老町教委、保存活用計画を策定 ウポポイとの関連重視

2021-04-16 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/15 05:00
 【白老】町教委は町陣屋町にある国指定史跡「白老仙台藩陣屋跡」について、史跡の保存や伝承、昨年開業したアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」と関連した活用を図るための「保存活用計画」を策定した。今後は計画に基づき、土塁の復元作業や資料展示の改善などに取り組む。
 計画はA4判カラー184ページの冊子にまとめており、3月に作成した。期間は2021年~30年度。今後の修復作業や調査の方針、史跡に関する資料やこれまでの調査結果を盛り込んだ。
 具体的には、土塁や建物跡は定期的な点検で状況を把握し、劣化が生じている箇所は復旧。御本陣跡や兵粮(ひょうろう)蔵跡などの施設は復元に向けた調査を進める。ウポポイ関連では、藩士が取り組んできたアイヌ民族との共生の逸話を発信していく。ガイドの質向上のための研修や勉強会を実施、企画展示の開催も行う。
 22年度までに整備基本計画を策定し、23年度以降から遺構の復旧や絵図面の複製を始める。文献調査は21年度から、発掘地質調査は22年度から順次開始する。
 08年に宮城県丸森町の旧仙台藩士宅から発見された絵図面「仙台藩白老陣屋之図」には元陣屋の建物や周辺の地形が詳細に描かれており、計画の典拠資料として活用。絵図に描かれながらも、現在確認できていない痕跡もあり、調査の参考にするという。
 同史跡は江戸幕府が仙台藩に命じて造営させた遺跡で、1856年(安政3年)から12年間にわたり、仙台藩士が警戒に当たっていた。藩士は先住民族だったアイヌ民族との関係を構築する役割も担っていたという。周辺の河川や丘陵地を含めた面積は約35ヘクタール。
 冊子は200部発行し、道内外の図書館などに寄贈する。仙台藩白老元陣屋資料館の武永真館長は「陣屋跡の整備や活用により、多くの人に史跡を知ってもらえれば。今後の調査による新たな発見にも期待したい」としている。(斎藤佑樹)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/533161
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