伝統文化の回復目指す子孫
新潟新聞 2025/5/22 10:59(最終更新: 2025/5/22 11:17)
太平洋戦争で日本軍がほぼ全滅した北太平洋アッツ島の戦いから今月で82年。軍の占領によって島を追われた先住民族は戦後も戻ることを許されず故郷を失った。その子孫が伝統と文化の回復を目指す取り組みを始め「日本政府には償いとして、文化施設の整備や島の原状回復を支援してほしい」と訴えている。
▽散り散り
「われわれの運命を決定的に変えてしまった」。米アラスカ州の最大都市アンカレジでヘレナ・パガノさん(43)は嘆息した。アリューシャン列島の西端に位置し、首長だった曽祖父ら42人が住む島に1942年6月、旧日本軍の千人以上の部隊が上陸した。
島民らは北海道小樽市に連行され、鉱山で働かされた。曽祖父を含め、...
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