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百年記念塔解体 戸惑う学校 札幌・江別の小中校章・校歌の題材

2019-04-17 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/16 10:40

解体方針が決まった北海道百年記念塔(中央)。校章は(右上から時計回りに)厚別区の厚別北中、厚別北小、厚別東小、もみじ台南中、ひばりが丘小、白石区の東川下小
 道が解体を決めた北海道百年記念塔(札幌市厚別区)は、札幌市厚別区と江別市を中心とした小中学校の校歌・校章に文言やデザインが取り入れられている。記念塔は少なくとも小中学校18校で校歌に、9校で校章に使われている。ただ、既存の学校で校歌や校章を変更する例はほとんどなく、教育関係者の意見も「変更すべきだ」「しなくてもいい」と分かれている。
 「生まれた時から百年記念塔があったので、塔がなくなることも、校歌や校章から消えるのも違和感がある」。記念塔が校歌と校章の両方に使われている厚別北中(厚別区)の1年女子生徒(12)は戸惑いをあらわにした。
 厚別区の郷土史に詳しい杉浦正人さん(59)によると、塔がある区内では小中学校24校中、8校の校歌、5校の校章で使われている。記念塔を目視できる清田区や白石区、江別市の小中学校でも使われている。厚別区に多いのは近いのと、記念塔完成後の1970年以降にできた学校が多いこともある。
■心を込めて歌えない
 2001年に札幌市内全小中学校の校章について調べ、冊子を作製した厚別区の元教員岡田祐一さん(75)は、校歌と校章両方に記念塔が使われていた、みずほ小(厚別区、現もみじの丘小)に勤務したことがある。岡田さんは「当時は100年持つと言われていた。50年ほどで取り壊されると分かっていたら校歌や校章に取り入れなかったのでは」と分析する。現もみじの丘小で記念塔は校歌・校章に使われていないが、岡田さんは「校歌は未来への思いを込めることが多い。現存しないものが入っていては心を込めて歌えない」と話す。
■先住民族に配慮せず
 塔に最も近い厚別東小(厚別区)は校歌・校章に記念塔が使われている。1993年の開校時と、後に校長として勤務した安井敏彦さん(66)は「開校の時に思いを込めた校歌などは歌い継いでほしい」と語る。杉浦さんも「アイヌ民族の歴史に配慮せず建設されたことを受け入れ、教訓にするためにも残すことに意味がある」と別の観点から「変えるべきではない」と考える。
 校歌や校章の変更は可能だが、今のところそうした動きはない。札幌市教委は「古くて時代に合わないという理由で校歌を変えた例はあるが、それ以外では聞いたことがなく、現段階で変えたいという申し出はない」としている。(石川実和)
 <ことば>北海道百年記念塔 北海道開拓使が置かれて100年の1968年に建設期成会が着工、70年に完成した。100年にちなみ高さは100メートル。外装材に特殊な鋼板を用い、表面にできる保護性のあるさびが浸食を抑え、設計者は耐用年数100年を目指した。だが、腐食が進み危険性が指摘され、2014年から展望台などの立ち入りが禁止。アイヌ民族から塔は同化政策の象徴との批判も出ていた。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/296771
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