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TPPで国際連帯を アジア4か国がシンポ

2016-02-02 | 先住民族関連
農業協同組合新聞-2016.02.01 

 TPP(環太平洋連携協定)に反対する運動をアジアでつなげようと、市民や農民からなる「TPPに反対する人々の運動」は1月30日、東京で国際シンポジウムを開いた。日本を含むアジア4か国のTPPに対する政府の対応、それに反対するそれぞれの国内の運動について情報交換し、TPP成立阻止の思いを確認。最後にTPP成立阻止に向け、連帯のアピールを採択した。
 アジアから参加したのはマレーシア、韓国、ニュージ―ランドの3か国。マレーシアは中国系の華僑に対して、マレー人優遇政策(プミプトラ)をとっているが、TPPが成立すると、この政策の維持が難しくなる。同国の独立系メディアのジャーナリストファウアズ・アブドゥル・アズィズさんは「マレーシアは政府調達の比率が非常に高い。規模も大きいため、TPPで国内企業を優先して発注できなくなると、その及ぼす影響が大きい」と指摘。
 また同国でも広範な市民団体によるTPP反対の運動が組織されているが、プミプトラと非プミプトラ、さらには民族間の利害関係が複雑なため分断されやすいと指摘。「民族間の温度差を克服して、反対運動を導かなければならない」と話した。
「TPPに反対する人々の運動」国際シンポジウムソウル市の社会的経済の政策・理論面を担当するチョン・テイン(鄭泰仁)氏 米国・EUとの自由貿易協定を結んだ韓国の状況は、ノ・ムヒョン元大統領の首席秘書官を努め、現在ソウル市の社会的経済の政策・理論面を担当するチョン・テイン(鄭泰仁)氏が報告した。
 同氏は、FTAは韓国の経済成長、貿易の拡大に貢献していないことを、具体的な統計数字で挙げた。米韓FTAによるISDC(投資家対国家の紛争解決)による提起が始まっており、内国民待遇、最恵国待遇、公正衡平待遇などの条項違反として係争になっている。
 それにも関わらず韓国では、一部にTPP参加の声もある。チョン氏は「TPPの批准に反対し、新たな公正な貿易協定を要求しよう」と呼びかけ、具体的には(1)サービス自由化のポジティブリスト(禁止でなく、可能な事項を決める)化、(2)ラチェット(自由化不可逆規定)規定の削除、(3)未来最恵国待遇の削除、(4)ISDCの見直し、または削除、(5)保健医療関する章の見直しの5つを挙げる。
 また、米国主導のTPPが中国封じ込めという政治的性格が強いことを指摘。今後の対策として、「アジアと世界の平和と繁栄に向けて、米国と中国との間で中立的な地域協定を構築することはできないか」と問題提起した。
「TPPに反対する人々の運動」国際シンポジウムニュージーランドのモアナさん ニュージーランドのモアナさんは先住民族のマリオ族の血をひく同国の歌手。ドイツで「モアナ」という自分の名前を入れたアルバムを発売したとき、商標登録していた会社の抗議によって変更せざるを得なかった。「どうしてヨーロッパの会社が、ポリネシアで一般的なモアナという単語の使用を支配できるのか。お金を得るために私たちの文化を食い物にしている」と言う。
 またモアナさんは、マリオ族が長年にわたって、ニュージーランド政府とたたかい、勝ち取ってきた少数民族としての権利が、世界規範のTPPによって奪われることを恐れる。「TPPの内容次第では、政府が国連による先住民の権利に関する宣言など、国際的な義務に対応することを妨げることを懸念する」。
 シンポジウムは最後ににアピールを採択。それぞれ国内でTPPの批准阻止の闘いに全力をあげると同時に、「その闘いを国境を越えてつなぎ、アジア・太平洋地域の先住民、農漁民、都市生活者、労働者らによるTPP成立阻止の包囲網を作り出すことを呼び掛ける」と宣言した。
     ◇
 「TPPに反対する人々の運動」は、2010年発足した個人有志の市民集団。生協や農民・消費者組織などと連携し、国内、海外のネットワークを作りながらTPP反対の運動を続けている。
(写真)モアナさん
http://www.jacom.or.jp/nousei/news/2016/02/160201-29043.php

アイヌ民族首飾り、盗難か 北海道登別市の資料館

2016-02-02 | アイヌ民族関連
産経ニュース 2016.2.1 19:35更新
 北海道の登別市郷土資料館で、同市出身のアイヌ語研究者、知里真志保氏が収集し、展示されていたアイヌ民族の首飾りと耳飾りがなくなり、市教育委員会が道警室蘭署に被害届を出していたことが1日、分かった。室蘭署は窃盗容疑で捜査している。
 市教委によると、なくなったのは、3階展示室のガラスケースに展示されていた、ガラス玉の首飾り「タマサイ」(7万8千円相当)と、耳飾り「ニンカリ」(4万5千円相当)の2点。知里氏の遺族が平成15年に寄託した。1月19日に学芸員が資料の確認調査をした際になくなっているのが分かり、同23日に被害届を出した。
http://www.sankei.com/affairs/news/160201/afr1602010029-n1.html

深刻な環境破壊・先住民の人権侵害を生む熱帯雨林の違法伐採。

2016-02-02 | 先住民族関連
違法木材は今も商社・建設業を通して日本に。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ 2016年1月31日 1時38分配信
伊藤和子 | 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
東京を本拠とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは今年1月14日、「マレーシア・サラワク州 今なお続く違法伐採による先住民族の権利侵害 報告書」を公表しました。
マレーシア・サラワク州(マレーシア最大の州)では先住民の権利を侵害し、環境を破壊する熱帯雨林の違法伐採が続いています。木材の多くは日本へ。商社・建設業等を介し私たちの家や職場等の建物になっています。報告書では熱帯雨林の違法伐採が引き起こす先住民族の権利の侵害について報告するとともに、サラワク州の伐採企業、サラワク州政府、日本企業及び日本政府等の違法伐採に関与する関係者に対し、違法伐採の撲滅に向けた実効的な対策を取ることを求めています。
1 マレーシアのサラワク州とは。
ボルネオ島をご存知でしょうか。自然や熱帯雨林、オランウータンのイメージを持つ方も多いかと思います。
こちらのなかで広い面積を占めているのが、マレーシアのサラワク州です。
サラワク州には昔からの先住民族が住んでいました。彼らは、何世紀にもわたって、熱帯雨林ととに生活してきました。伝統的な法律や慣習に従い、狩猟や農耕などで生活する彼らにとって、熱帯雨林は生活は切っても切り離せないものでした。
彼ら、先住民族の土地に対する権利は、マレーシア憲法においても認められ、先住民族の慣習法上の権利(Native Customary Right)と定義されています。
2 違法な森林伐採
しかし、豊富な森林資源に目をつけた地元と国際的なビジネスが、彼らの生活を奪うようになりました。
サラワク州政府及びマレーシアの木材伐採企業は、違法伐採によって豊富なサラワク州の熱帯雨林を激減させ、何世紀にも渡って熱帯雨林で生活してきた先住民族の生活様式に重大な影響を及ぼしてきました。
こちらは、1960年当時のサラワク州の地図です。森におおわれていますね。
ところが2010年にはこうなってしまいました。
緑の部分はごくわずか。赤い部分が伐採により奪われました。
サラワク州における森林伐採は、マレーシア政府の管理するライセンス制度により規制されており、先住民族の土地に対する権利は、ライセンス制度の下で保護されることが想定されています。
ところが実際には、州政府は、先住民族の土地に対する慣習権を無視した地元企業の伐採計画に対してもライセンスを乱発、企業はライセンスのない場所でも違法伐採を行い、先住民の森林を暴力的に奪い、住民を追い出し、加工・輸入して利益を得てきたのです。
そこで、熱帯雨林破壊による伐採を実行してきたマレーシア地元の企業はこの6社、いずれも巨大な企業グループです。
Samling Group、 Rimbunan Hijau Group、WTK Group、Ta Ann Group、KTS Group及び Shin Yang Group
もちろん、熱帯雨林の伐採は、重大な環境破壊ですし、温暖化の要因にもなります。そして、先住民の権利も侵害しています。こうした環境破壊、人権侵害については1980年代から指摘され、「サラワク・キャンペーン」というキャンペーン活動が国際的にも展開されました。これを受けて、欧米諸国はこうした木材を買わなくなっていったのですが、そんななかでも買い続けてきたのが、日本と中国です。
とくに、日本はサラワク州の木材及び木材製品の主要な輸入国であり、サラワク州の違法伐採材が至るところに使用されているのです。
3 違法伐採の背景にある汚職
マレーシアの法律上は確認されてきた先住民族の土地に対する権利、これがどうして無視されて森林伐採が横行したのでしょうか。
この原因としては、1980年代から続 い てきた サラワク州政府における汚職を挙げることができます 。
国際 NGOグローバル・ウィットネスは、サラワク州 の前首席大臣(サラワク州の知事のような役職)であり、1985年から 2014 年までは資源計画環境 大臣でもあったアブドゥ ル・タイブマハムド氏(Abdul Taib Mahmud)が、サラワク州での汚職を生みだし、汚職の横行に最も深く関与してきた人物であると名指しで批判しています。
グローバ ル・ウィットネスが極秘に撮影したビデオでは、タイブ氏の 近親者を含む多くの大企業関係者が、タイブ氏に依頼することより、簡単にライセンスを取得できたと話しています。
国際環境団体Bruno Manser Fondsによれば、このようにして与えられた伐採 のためライセンス と、そこから得られた利益のほとんどが、サラワクの6つの巨大伐採企業である Samling Group、 Rimbunan Hijau Group、WTK Group、Ta Ann Group、KTS Group及び Shin Yang Groupに渡っており、いずれの企業もタイブ氏の関係組織と親密な関係にあると指摘しています。
伐採のライセンス収入はサラワク州政府の最大の収入源でもあったため、サラワク州政府は木材産業と共通の利害を有していました。
こうして、州政府は 巨大伐採企業と癒着し、伐採 ライセンスを乱発して森林伐採を進めてきたのです。
4 先住民への人権侵害・環境・生物への影響
このように 先住民族 先住民族 の保護よりも木材産業発展を優先した結果、 サラワク州において は急速な森林破壊と共に深刻な、人権侵害が引き起こされてきました。
伐採ライセンスが得られると、巨大企業は下請けを通じて先住民から暴力的に土地を奪い、どんどん木を切ってしまいます。さらに、大手6社は、ライセンスで伐採許可を得た土地の外まで拡大して、勝手に先住民の森に入り込んで、ライセンスを乱用して伐採を続けてきたというのです。
先住民が依存してきた森はあっという間に丸裸にされ、先住民は追い出されるのです。伐採に反対して、抵抗しようとする先住民には治安部隊が動員され、暴力がふるわれ、逮捕されました。
下の写真は1980年代の伐採の際の写真として先住民の方からいただいたものですが、無抵抗の先住民の女性たちが木を切らないでと懇願しているのに、軍が動員されて伐採を強行している様子が示されています。
最近ではさすがに軍は動員されなくなったようですが、今も大企業グループや下請け業者による強行なやり方は続いていると言います。
森を突然奪われる、そしてずっと営んできた人たちが生活の拠点を奪われたらどうなるでしょうか。
多くの先住民は読み書きもできませんし、都市での生活にはなじめません。森林を追い出されて、生活困窮に陥り、男性は肉体労働で酷使され、女性は犯罪や性的搾取のターゲットになる、不幸な事態が相次いでいます。
生活していくことができないため、他に選択肢がなく、自分たちの生存を脅かす伐採やダム建設のために働くことを余儀なくされる先住民もたくさんいました。
そして、これは明らかに環境破壊であり、生物多様性を害し、貴重な動物たちの生存を危機にさらしてきました。
5 憲法・州法が認めた先住民の権利・裁判所は「違法伐採」認定
マレーシアの憲法とサラワク州の土地法は、明確に先住民に対する土地の権利を認めています。ところが州は業者と癒着して権限を乱用し、法律に反する違法伐採を認め続けてきたのです。
これに対し、先住民は裁判を起こし、伐採が違法であることを認めさせようとしてきました。
地方裁判所、控訴裁判所などでは、先住民の土地の権利を侵害する伐採が違法であることが認められ、違法伐採に関与した企業に対し、先住民に対する補償を命ずる判断が続いてきましたが、近年、最高裁でもこうした判断が確認されました(詳細は報告書をご確認ください)。
それでも違法伐採は止まりません。
マレーシアでは、「仮処分」による伐採の差し止めを裁判所が出したがらず、長い時間かけて裁判で違法が確認された時には、すでに、先住民の土地は違法伐採で丸裸にされ、貴重な森は伐採され、木材となって売り出されているからです。こうした、裁判所で違法伐採だったと確認されるような木材は、判決が出たころには、日本などの取引国に輸出され、使用されているのです。
こうした事態を受けて、マレーシアの国家人権委員会(SUHAKAM)は、 サラワク州を含むマレーシア各地での先住民の土地での森林伐採について調査を行い、2013年4月に正式な調査報告書"Report of the National Inquiry into the Land Rights of Indigenous Peoples"を公表。調査結果を踏まえて、違法な森林伐採により先住民の権利が侵害されている、と断定。住民族の権利保護ため 18項目、 71個の提言を行いました。
なかでも重要な勧告は、森林伐採について、企業は、先住民の事前の同意を取らないといけない、その同意は、自由意志に基づき、十分な情報提供のうえになされなければならない、という点でしょう。
これは、Free(自由意志による)、 Prior (事前の)、Informed(十分情報を提供された)、Consent (同意)、略してFPICと言われる、先住民の権利保障の重要な原則ですが、そのことが森林伐採にあたって必要だと勧告されたのです。
6 最近の動き
さて、最近になり、長く続いたこのひどい慣行にも見直しの機運が出始めています。
サラワク州で違法伐採の原因をつくってきたとされている首席大臣タイブ氏は、2014年2月にサラワク州の首席大臣を退き、後任として就たアデナン・サテム(Adenan Satem)氏は、違法伐採の問題に本格的取り組む姿勢を見せています。
例えば、 サテム氏は、2014年10月には、違法伐採の問題が処理されるまで新ライセンスの新規発行を停止すると宣言しています。さらに、大手6社が、ライセンスで許可された土地以外でも違法伐採をしているとして、6社に違法伐採を行わないよう直接警告をしました。
他方、マレーシア中央政府は 、2014年3月に出されたマレーシア国家人権委員会(SUHAKAM)報告書を受けて、タスクフォースを立ち上げて検討を進めて、同報告書のほぼすべての勧告を反映した勧告を出し、さらにマレーシア政府は2015年 6 月にはタスクフォースの勧告をほぼすべて受け入れることを決定したと報道されています。
タスクフォースの勧告には、先住民族の土地の権利を正確に認識し、開発に際し影響を受ける先住民族に事前通知をし、同意を得ること、つまり先ほどのFPICなどが含まれており、マレーシア政府はこらの勧告を 1 年以内乃至 3 年以内に実施する予定とされています。
ただし、今後本当に先住民族の立場に立った改革が実行されるかは予断を許さない状況にあるといえます。
7 日本では、違法伐採木材はほとんどフリーパス
こうしたなか、皆さんに是非知っていただきたいのは、
日本はサラワク州の木材及び木材製品の主要な輸入国であり、日本においてもサラワク州の違法伐採材が広範に使用されているということです。
日本では、違法木材の輸入を防止する法的な枠組みとして、
・グリーン購入法
・林野庁が策定したガイドライン等
が存在します。
しかし、民間部門に対し違法に伐採された木材の輸入を禁止したり、違反した輸入者に刑事罰を科す法令は全く存在しません。
また林野庁のガイドラインに基づき「合法木材制度」という制度が作られていますが、これは民間の自主的な取り組みに過ぎず、合法か否かは、例えばサラワク州に関していえば、州の認証文書があればよいとされ、独自の合法性審査の仕組みがありません。
これは、違法伐採した木材を輸入しないように厳しい法規制を進めている他のG7諸国に比べて、著しく不十分で、ほとんどフリーバスということができます。
これで、温暖化を含む地球環境問題に率先して取り組む国の姿勢といえるでしょうか。
今年はG7サミットが日本で開催される年であり、環境・温暖化・企業責任は大きな議論の対象となるでしょう。議長国として恥ずかしくない法整備を進める責任が日本にはあるはずです。
8 サラワク材を使っている日本企業
2012年の統計によれば 、
サラワク州の 木材取引38%(金額ベース、 9億米ドルに相当)が日本向け
と記載され、日本の民間業者はたくさんのサラワク材の輸入にかかわっています。
主要な輸入業者には 主要な輸入業者には 以下の企業とその子会社が含まれています( 順不同)。
・双日株式会社
・伊藤忠商事株式会社
・住友林業株式会社
・三井住商建材株式会社
・丸紅建材株式会社
・トーヨマテリア株式会社
・ジャパン建材株式会社
また 、以下の大手建設会社が事業においてサラワク州木材を使用しています。
・清水建設株式会社
・鹿島建設株式会社
・大成建設株式会社
例えば、国際NGOグローバル・ウィットネスが2013年9月に公表した報告書では、伊藤忠と双日が、違法伐採と認められる森林伐採で得られた木材の購入・輸入に関わったと指摘されています(ヒューマンライツ・ナウ報告書参照)。
そして、グローバル・ウィットネスが2014年12月に公表した報告書「衝突する二つの世界」には、日本の建設現場でサラワク材が使われているところを実際に写真撮影した状況が報告されています。
例えば、清水建設の東京・東上野の建設現場を見てみましょう。
使われている木材をみると
サラワク材が使われていることが刻印されたマークから明確となっています。
(3つの写真はいずれも東上野の建設現場・グローバルウィットネスの提供)
こうした実態を受けて企業は今後、どうしていくのでしょうか。ヒューマンライツ・ナウの問い合わせに対し、
双日は、 2015年9月に、違法伐採された木材の取扱いは行わないこと、森林伐採が及ぼす人権への影響軽減に努めること等を明記した木材調達方針を新たに策定した、
伊藤忠は、シンヤン・グループ(Shin Yang Group)とサムリン・グループ(Samling Group)に対して、第三者による調査と森林認証取得を働きかけるなど、改善のプロセスに入っているとしています。
建設大手のなかでも、木材調達の見直しを検討している会社もありますが、対応はまちまちです。
鹿島建設は 一部 支店において、シンヤン・グループ(Shin Yang Group)からの型枠合板調達を 2014年5月から停止するよう契約業者に指導しているほか、代替材の使用を検討しているとしています。
一方、清水建設 はサラワク州での違法伐採問題を調達部門と傘下企業に問題提起したとの情報があるのみです(以上、詳細はヒューマンライツ・ナウ報告書参照)。
しかし、いずれも 違法伐採材の流入を阻止するための抜本的な解決策 としては不十分といわざをえません。
サラワク州政府自身が、 同州における違法伐採の問題が深刻であると認めている状況下において、サラワク産の 合板利用を継続する限り、先住民族の人権侵害、又は違法伐採に関与している可能性が高いといえます。日本企業による木材調達に対する抜本的な見直しは急務といえるでしょう。
9 勧告  特に日本政府・日本企業は何をすべきか。
以上を踏まえて、ヒューマンライツ・ナウは、日本企業、日本政府、マレーシア企業、マレーシア政府に対し、以下の勧告を行っています。 
特にマレーシア企業には違法伐採を直ちに停止すること、マレーシア政府には、先住民の真の同意なき伐採を行わない仕組みを確立することを求めています。
また、日本企業に対しては、違法伐採を行っていることが疑われる6大伐採企業グループとの取引を停止し、違法伐採木材の輸入・取引を阻止すること、現在の法制度を改正して実効性のある違法伐採対策、違法木材の流入阻止のための法規制を確立することが重要です。
先住民の人権を侵害し環境を破壊する森林伐採によって得た木材を輸入し続け、対策を講じないことは、サプライチェーン上の人権・環境配慮に違反し、国連が2011年に採択した「ビジネスと人権に関する指導原則」が定めた人権尊重の責任に反するものです。
日本の有数な商社・ゼネコンは、国際社会の趨勢に基づいて、環境・人権保障の責務を果たすべきです。
今年のG7サミットでも、この問題は問われるはずですし、2020年の東京オリンピックに向けて、人権・環境に配慮しない調達を行う日本企業に対する国際社会の目は厳しくなりつつあり、人権・環境に反する企業への大規模なキャンペーンも想定される可能性があります。
こうしたキャンペーンが大規模に組織される前に、明らかに先住民の権利を侵害し、熱帯雨林を破壊し、環境を侵害し、温暖化を一層進めることになる違法伐採への対策に、日本政府・企業は早急に乗り出すべきです。
ヒューマンライツ・ナウの勧告
1. 日本企業に対して
A) サムリン・グループ及びシンヤン・グループを初めとする、サラワク州で違法伐採を行っている伐採企業との取引を直ちに停止すること。
B) 法令の改正を待たず自主的に、輸入木材及び木材製品のサプライ・チェーンの徹底的なdue diligenceを行い、自ら違法木材を監視できる仕組みを構築すること。
C) 環境の保全及び人権の尊重を重視するようCSRの指針を策定又は改訂し、かかる指針の内容をグループ内及び取引先に対して周知徹底すること。
D) 違法伐採に関する正確な情報入手のため、NGOや先住民族コミュニティとも継続的に対話を行うこと。
2. 現地企業に対して
A) 違法伐採を直ちに停止すること。
B) 伐採ライセンスが付与されているか否かに関わらず、先住民族から自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意が得られていることを自ら確認し、かかる同意が得られていることを条件として伐採を行うこと。
C) 森林関連法規やライセンス条件に違反する伐採、汚職に関与する行為等の違法行為を防止するためのコンプライアンス体制を構築すること。
D) 環境の保全及び人権の尊重を重視するようCSRの指針を策定又は改訂し、かかる指針の内容をグループ内及び取引先に対して周知徹底すること。
3. 日本政府に対して
A) 違法木材の取引を全面的に禁止し違反者に刑事罰を含む制裁を科すよう法令を改正すること。
B) 木材及び木材製品の輸入について実効的なdue diligenceを義務付けること。
C) 違法性の判断に当たり、汚職及び先住民族の土地に対する慣習権の侵害を含め幅広く諸法令(国際人権法を含む。)を含むことを明示するよう法令及びガイドラインを改正すること。
4. マレーシア政府及びサラワク州政府に対して
A) 違法伐採に対する規制を強化し、及び違法伐採に関わる汚職の摘発を強化すること。
B) 先住民族が狩猟、漁業、伐採及び収集に利用している土地についても先住民族の土地に対する慣習権を認めるよう法令を改正するとともに、先住民族の土地に対する慣習権の登録を迅速に進めること。
C) 伐採ライセンスの付与に当たり影響を受ける先住民族から、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)を得ることを条件とし、伐採企業への監視を強化すること。
D) 先住民族の土地に関する権利に関してSUHAKAMが2013年4月に公表した報告書記載の勧告に従い、法令を改正するか、又は、法令の運用を改善すること。
本報告書の全文はこちらからダウンロードできます。MalaysiaSarawakReport_20160114
伊藤和子 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20160131-00053812/

象徴空間へ準備本格化 白老町、先進地を視察

2016-02-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/22 14:05、01/31 12:11 更新
 【白老】アイヌ文化復興の拠点「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)の2020年開設に向けた、町の取り組みが活発化している。町が目指す多文化共生や町民主体のまちづくりに生かそうと、町職員らは国内外の先進地を視察している。新年度事業の構想も固まりつつあり、開設に向けた準備が進む。
 町は象徴空間の開設を見据え、町民が主体となった多文化共生のまちづくりを掲げている。取り組みの参考にしようと昨年12月、町職員7人が熊本県水俣市を訪問。水俣病の経験と教訓を生かし、町民主体で環境モデル都市づくりを進めてきた経緯などを学んだ。
 2月には戸田安彦町長や町職員ら10人が米国ポートランド市を視察する。同市は多民族が共生し、住民意見を取り入れたまちづくりを推進しており、地方創生のモデルとして世界的に高い関心を集めている。一行はポートランド州立大の協力を得て、関係機関などを訪問する。3月には同大の教授などを招き、町内で多文化共生をテーマにしたシンポジウムを開く予定だ。
 新年度事業では象徴空間に関する情報発信などに力を入れる。取り組み案では《1》町内3カ所に大型看板を設置《2》ポスターやチラシの作成《3》専用サイトの開設《4》観光宣伝誘致活動―などが挙がっており、新年度予算や協賛金で事業を進めていく考えだ。
 新年度は関連施設の整備も進む。中核施設の国立博物館は本年度に引き続き、建築・展示設計を進める。民族共生公園は設計に着手、アイヌ民族慰霊施設は現地調査を継続する。いずれも17年度の着工を予定している。
 町は「受け入れ態勢を整えるため、引き続き事業を進めていきたい」と話している。(土屋航)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0229470.html

新天地に希望、高まる移住熱 交流フェアに過去最高1万人超

2016-02-02 | アイヌ民族関連
産経ニュース 2016.1.30 07:00更新
 移住を希望する人たちに、地域の魅力を発信する「移住・交流&地域おこしフェア」が16、17の両日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。400を超す自治体や国の機関が出展し、過去最高の1万人超が来場。新天地へ希望を抱き、熱心に耳を傾けた。(牛田久美)
                   ◇
 タレントの辻希美さん、高橋愛さんのトークで開幕。高市早苗総務相は「長い通勤時間がなくなり地方で自由を楽しむ人もいる。まず観光するもよし、名物の味を楽しむもよし。健康で幸せな生活を営めますように」と挨拶した。
 会場には全47都道府県のブースが並び、「お試し滞在はいかが」「農業での自立、支援します」と各地の方言が響いた。井戸端会議コーナーは来場者が気軽に着席。「地方の企業就職と公の地域おこし協力隊、それぞれの長所と短所は?」「失敗例こそ参考になる。情報はどこ?」と相談員らに質問が相次いだ。
 東京都港区の会社員(41)は「雪山が好きで、東京を拠点にしつつ、週3日働ける地方の2地域居住地を探しに来た。退職後の充実につなげたい」と期待を語った。
 2日目は、全国464の自治体などが集結。担当者に直接相談できるとあって、来場者は8372人を数えた。主催の一般社団法人移住・交流推進機構(JOIN)によると、初回の26年(217自治体・団体、約3600人)から大きく増えた。移住への熱は年々高まりつつある。
 北海道一のトマト産地、平取町はトマト農家になりたい夫婦を地域おこし協力隊として募集。農協が全面支援する。同町アイヌ施策推進課、阿部孝之さん(39)は「町内産のアオトラ石が青森の縄文集落、三内丸山遺跡で見つかるなど大昔から人が来る町。一緒にトマトを育てませんか」。温泉地の魅力もアピールした。
 徳島県地方創生推進課の福永史織さん(33)は「熱帯魚が泳ぐ沿岸地域から、雪が降り積もる山間地まで、徳島の四季は豊か。どんな暮らしをしたいのか、希望を聞き取って移住先を一緒に探します」。
 内閣府の調査で、地方移住に肯定的な人は全体の4割。若い世代が前向きだ。JOINは「移住に興味・関心を持つ方に適切な情報をお届けし、自分らしいライフスタイルを実現できる社会にしていきたい」と話している。
                   ◇
 ■「生きる力」 協力隊で学ぶ
 群馬県高山村の地域おこし協力隊員、林沙晶さん(25)は3月に任期満了となる。近隣に定住する予定だ。
 東京都練馬区出身。東京農大在学中に東日本大震災を経験し「生きる力って何だろうという思いが募った。物作りや火おこしなど、身になることを学びたかった」。
 平成24年、NPO法人「地球緑化センター」から同村に派遣され「緑のふるさと協力隊」として活動を開始。25年、地域おこし協力隊員に。農作業体験プログラム「むらの学校」やガイドボランティア事務局で交流業務に従事。最近は、生芋こんにゃくなどの郷土料理教室を開いた。
 林さんは「みんな親切で土を触ったこともなかった私を家族のように迎えてくれた。三並山(みなみやま)を望む田園風景も豊かで大好き」と定住を決めた理由を語った。
http://www.sankei.com/life/news/160130/lif1601300007-n1.html

釧路市、外国人誘客モデル市に

2016-02-02 | アイヌ民族関連
読売新聞 2016年01月30日
 ◆自然、アイヌ文化活用へ
観光庁は29日、来日した外国人観光客を地方に呼び込むためにモデルケースをつくる「観光立国ショーケース」に、釧路市など3都市を選定した。来年度から5年間、国の支援を得ながら、釧路市では阿寒湖や釧路湿原といった自然環境、アイヌ文化を生かしたツアーの企画・提供など受け入れ態勢の充実を図る。
 釧路市から観光庁への提案では、カヌーや釣り、サイクリングをはじめとしたアウトドアスポーツツーリズムを推進する。無料の公衆無線LANの設置を拡大させる一方で、食事では、地場産品の使用を増やすとともに、イスラム教の戒律に沿ったハラル食の提供も進める。また、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じ、外国人観光客の好みを把握し、旅行プランの充実を図ることを強化する。
 こうした取り組みの結果として、市内の外国人延べ宿泊客数を2015年の約10万3000人から、20年には約27万3000人まで大幅に増やすとしている。蝦名大也市長は「地方都市のモデルとなるよう、多くの外国人観光客に選ばれる観光地づくりを目指す」とのコメントを出した。
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20160130-OYTNT50030.html

振動少なく快適 道新幹線報道向け試乗会ルポ

2016-02-02 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2016年 1/29)
 JR北海道は28日、3月26日に開業する北海道新幹線の報道関係者向け試乗会を開いた。新函館北斗駅(北斗市)―木古内駅(渡島管内木古内町)間=約35・5キロ=を往復し、新幹線車両H5系の乗り心地を体感。片道約13分と短い時間だったが、そのスピード感も確かめることができた。(報道部・澁谷賢利)
 試乗会には道内外から、テレビ、新聞、雑誌など報道関係者約200人が参加。午前9時すぎにホームに到着した車両に早速、乗り込む。取材が許可された普通車は、通路を挟んで横に普通席が2列と3列に並んでいる。多くの人を収容できる効率的なレイアウトだ。シートは、テーブルやドリンクホルダーを備えた機能的なもの。各席に電源のコンセントがあり、パソコンの利用や携帯電話の充電などができる。
 普通車の通路部の床には雪の結晶が描かれており、座席横の窓には縄文土器やアイヌ文様にヒントを得たデザインのブラインドが使用されていた。車両の共用設備として電動車いす対応の大型トイレや女性専用の化粧台なども備える。
 新幹線は、地元の北斗市商工会の関係者に見送られて新函館北斗駅を発車。滑らかな動きで、徐々にスピードを増していった。シートに座っていると、伝わる振動は少なく快適だ。車窓からは遠くに函館山が見えてきた。景色は流れるように動いていき、スピードが出ていることが分かる。同新幹線は開業区間(新青森駅―新函館北斗駅)を最高260キロで運行。この日は雪の影響で210キロが最高時速だった。
 木古内駅に滑るように到着し、駅舎に降りると、赤い和牛の姿をした木古内町のキャラクター「キーコ」がお出迎え。地元名産のあんパンや豆パン、キーホルダー、ストラップを売るお土産コーナー、観光案内のパンフレットコーナーが設置されており、地域の同新幹線に対する大きな期待がうかがえた。北海道経済活性化の起爆剤として、全国区の注目を集める同新幹線開業まで2カ月を切った。
http://www.tomamin.co.jp/20160134716

控えめな印象の奥に不屈の意志 台湾初の女性総統

2016-02-02 | 先住民族関連
BBCニュース、台北2016年01月29日
シンディ・スイ

元法学教授は台湾の歴史に名を刻んだ。写真は、選挙中に支援者に手を振る蔡英文氏(1月14日)
かすかに背を丸めた姿勢と、控えめな物腰。59歳の蔡英文氏は一見、中国に脅威をもたらす人物とは思えない。
しかし台湾の次期総統に選ばれたこの女性は、「台湾の将来は台湾人が決めるべき」との強い信念を持つ。これは中国に真っ向から逆らう主張だ。中国は今でも台湾を統一すべき対象とみなし、必要とあらば武力行使も辞さない構えを示している。
蔡氏が台湾の主権問題で厳密にはどのような立場を取り、次の一手をどう打つのか。中国はそこを読み取る必要がある。蔡氏自身はこれまでのところ、明言を巧みに避けてきた。
蔡氏は中国にとって謎めいた存在だが、多くの台湾人にとっても得体の知れない力を秘めた、予測しにくい人物だ。
自分はスポットライトを避けて壁際を歩いていたいタイプだと語り、政界の階段を駆け上ってきた来歴を「偶然の人生」と振り返る。
蔡氏は台湾で初の女性元首となるが、ほかのアジア諸国でトップに上り詰めた女性たちと違って政治家一族の出身ではない。
父親は4回結婚。4人目の妻が蔡氏の母親だ。11人きょうだいの末っ子で、両親と多くの兄姉に囲まれた裕福な家庭に育った。
父は自動車修理業と不動産投資で成功していたが、蔡氏には広く社会に触れるため、公立学校へ通わせた。
蔡氏は30歳になるまで、学問の道を追及していた。
国立台湾大学の法学部を卒業した後、米コーネル大学で法学の修士号、英ロンドン大学経済政治学院(LSE)で博士号を取得し、後に法学の教授になった。
専門分野と英語力を見込まれて、1990年代には台湾の世界貿易機関(WTO)加盟交渉で法律顧問を務めることになる。
蔡氏はこうして、公職の世界へと一歩を踏み出したのだった。
中国本土との「小三通」
李登輝政権で国家安全保障担当の顧問役に就いた蔡氏は、李氏が提唱した中台「二国論」の策定に尽力した。中国との関係を「国と国の関係」と位置付けたこの表現は、中国側の強い反発を招いた。
次に就任した陳水扁総統の下、中台関係は最悪の状態に陥ったが、蔡氏は行政院大陸委員会のトップとして中国との協力関係を模索。そして2001年、中国本土と台湾の離島の間で直接の通商など「小三通」を解禁するという画期的な成果を上げた。後には、中台間初の直行チャーター便開通に向けて尽力した。
対中開放路線の行き過ぎも懸念されるなか、2003年にはさらに陳総統や立法委員(議員)らを説得し、台湾企業による中国への投資を合法化する法改正を実現させた。
当時、蔡氏と緊密に協力した元経済部長(経済相)の何美玥氏はこう語る。「人々が必要としていることであり、もともと非合法的には行われていることなのだから、政府は法律を作ってそれを合法的にできるようにするべきだ、というのが蔡氏の考え方だった」
「濃い緑」ではない党主席
蔡氏を知る人々は、同氏を実際的で臨機応変、そして合意形成のこつを心得た人物だと評価する。
「先頭に立って舞台に上がるタイプではないが、いったん会議の席に着けば主導権を握るのは彼女だ」と何氏はいう。
ただ台湾独立をめぐる蔡氏の立場は、周囲の人々にもはっきりとは分からない。
蔡氏のこれまでの歩みについて本にした専門家、チャンジンウェン氏は「反中派ではないし、緑色(独立を志向する民進党のシンボルカラー)が濃い人でもない。台湾の独立を支持すると発言したことは一度もない」と指摘する。
しかし一方で、台湾の民主主義を大事に思っているのははっきりしている。2008年に深刻な危機に陥っていた民進党のトップを引き受けたのも、民主主義には強い野党が不可欠との信念からだった。
当初はしぶしぶ政治に足を踏み入れた同氏が、その運命を進んで受け入れるまでに至った理由はなにか。答えを示唆するエピソードとして、蔡氏は最近の著書でとある出来事を紹介している。年配の飲食店員が自分の1カ月分の給与2万台湾ドル(約7万円)を全額、民進党に寄付したことについて、蔡氏はこう書いている。
「決して忘れません。彼女はお返しに何もいらない、ただ台湾の主権を守れるよう民進党に助けてもらいたいと言いました。自分はずっと台湾人でいたいと」
何より大事な中国
蔡氏が今後、台湾の独立を強く求めていくと予想する人はほとんどない。ただし同氏はこれまで、中国や与党・国民党からの強い圧力にもかかわらず、中国側が主張する「一つの中国」の原則を受け入れてこなかった。中国は、将来的な中台関係の基盤はこの原則しかありえないという態度だが、1992年時点の中台はこの原則を認めつつ解釈は相手に委ねることで合意した。中国側は、台湾と本土を合わせて一つの中国だと解釈している。しかし民進党は92年合意の存在自体を否定してきた。
一方で蔡氏は、民進党のそうした立場だけでなく、かつての自身の主張からも距離を置くようになっている。中国が今後も台湾にとって何より大事な国であり続けること、そして不安定な輸出状況で台湾が中国との経済協定を切実に必要としていることを、蔡氏は誰より承知しているはずだ。
国立政治大学の政治学教授、寇健文氏は蔡氏の柔軟性について、「彼女はイデオロギーの強い人物ではないと思う。とても頭の良い人だ」と話す。
それを裏付けるように、選挙期間中に中国のネット利用者が蔡氏の「フェイスブック」ページに何万件もの批判を書き込んだのに対し、蔡氏はただこう返した。「今回の貴重な機会を通じて私たちの『新しい友人』が、民主主義と自由、そして台湾の多様性について、全体像を把握できるように願っています。フェイスブックの世界へようこそ!」
深いルーツ
皮肉なことに、蔡氏は中国側にとって、現職の馬英九総統よりも好都合な相手になるかもしれない。馬氏は両親が中国本土出身で、親中路線の国民党を率いているため、台湾では不信感を抱く人もいる。だが蔡氏が署名する協定なら、反発を招く可能性は低い。
蔡氏の親族には台湾のさまざまな民族が交じっていて、先祖は代々台湾人だ。そのおかげもあって有権者の信頼を獲得できた。父は客家(ハッカ)系、母はホーロー系、父方の祖母は先住民族のひとつ、パイワン族の出身だった。
しかし中国の信頼を得られなければ、在任中は中台関係がこう着状態に陥ってしまう可能性もある。中国側が政府間交流を縮小したり断ち切ったりする可能性もある。再び緊張が高まって近隣諸国の懸念を招き、台湾防衛支援の法的義務がある米国と中国との関係に影響が及ぶことも考えられる。
蔡氏の著書には、同氏の信条の手掛かりとなる一節がある。ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの言葉を引用し、政治を堅い板に力強く、ゆっくりと穴を開ける作業に例えてこう書いている。
「理想を実現するためにはさらに忍耐強く、着実に、実践的に、そして正確にやらなければならない。これが私の流儀です」
(英語記事 Taiwan's first female leader, shy but steely Tsai Ing-wen)
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35436296

【有為転変】第96回 オーストラリア・デーの背後[社会]

2016-02-02 | 先住民族関連
NNA 2016/01/29(金曜日)
オーストラリア
オーストラリアの建国記念日に当たる1月26日のオーストラリア・デーに、グーグル(オーストラリア版)がホームページに載せた自社ロゴの絵を見た人は多いことだろう。イベントなど国内各地で祝賀ムード一色となっていたオーストラリアの記念日に、世界で最もよく使われる検索エンジンが、アボリジニの悲しみを表現するデザインを掲載したからである。こちらも検索を忘れ、思わず見入ってしまった。
グーグルのロゴは、その日の記念日などに合わせたデザインに変更されていることがある。これを「いたずら書き」を意味する「グーグル・ドゥードゥル(Google Doodle)」と呼ぶらしい。
グーグルは昨年末、「もしもその時代に戻れたら……」をテーマに、オーストラリア・デーのロゴを公募した。今回2万4,000点の中から選ばれたのは、キャンベラに住む16歳の女子高生、イネカ・ヴォイトさんが描いた「奪われた夢の時(Stolen Dreamtime)」だった。
ヴォイトさんの絵は、黄土色の砂漠で子どもと生き別れ、幸福な生活を奪われて、嘆き悲しむアボリジニの母親を描いたものだ。ヴォイトさんは「もしもその時代に戻れたら、生き別れた母親と子どもを再会させるでしょう」と説明した。白人系のヴォイトさんは「私なりの先住民族の人たちへの謝罪と、和解へのメッセージ」だという。
■「先住民族との条約がない国」
オーストラリア・デーを記念し、各州ではさまざまなイベントやパレードが催された。この日だけで約154カ国・地域出身の外国人約1万6,000人以上がオーストラリア国籍を得たという。
そうした祝賀的雰囲気の記念日だけあって、過去のグーグル・ドゥードゥルのデザインは、政治的要素が薄く、他愛なく明るいデザインばかりだった。
それなのにグーグルが今年、オーストラリア・デーのシンボルとして、多分に政治的議論を巻き起こしかねないデザインを使用したことには驚いたが、同時にインターネット上に賞賛の声が多かったことにも驚いた。インターネット上では、「国の統一ではなく、分裂をあおるようなことをするな」という非難もあったが、概して「オーストラリア・デーが“侵略の日”だという本当の意味を呼び起こしてくれた」といったものから、「グーグルの自由なセンスを評価する」といったものまで、さまざまな賛同が上がっていた。
あまり大きく報道されていないが、国内各地でオーストラリア・デーに反対するデモが起きたのも確かだ。シドニーでは、ニューサウスウェールズ州ジェニー・リョン議員などが扇動したデモに約1,000人が参加したほか、メルボルンでも約150人が「大量殺りくは誇ることができない」などと叫び、街を行進した。ある活動家は「オーストラリアはコモンウェルスで唯一、先住民族との条約がない国だ」と批判していた。
■オーストラリア・デーを別の日に?
オーストラリア・デーは、1788年1月26日にイギリス艦隊が植民地化を目的に、シドニー湾一帯に到着したことにちなんで定められたものだ。
実は、これを別の日に変えようという動きが本格化したことがあるという。
野党の地位にあった労働党のケビン・ラッド党首は2007年、アボリジニのコミュニティーに、もし労働党が政権を握ったらアボリジニにとって屈辱の日であるオーストラリア・デーを別の日にする、と約束した。ラッド労働党は同年の総選挙で勝ち、政権を握った。だが、約束は実行されなかった。当時のラッド首相は「オーストラリア・デーを変えようという要望に対しては、丁重かつシンプルに言えば、ノーだ」と言い放った。
■オーストラリアの十字架
デイリー・ライフ紙は問題を投げかけている。「グーグルのような外資企業ができるのに、どうしてオーストラリア政府や大半の国民ができないのか?」
インサイダー紙は「アボリジニにとって、先祖が殺されたり土地が奪われたりした日を祝うことがばかげているように、白人が『過去を忘れて前に向けて進もう』と言うのもばかげている。同じ理屈なら、アンザックデーを祝うのも止めなければならない」としている。
鉱物資源が豊富で、美しいビーチに囲まれた豊かな大地に、白人が作った「ラッキーカントリー」にとって、建国の意味を掘り下げることは、この国が今後も背負わねばならない十字架といえる。【NNA豪州編集長・西原哲也】
http://news.nna.jp.edgesuite.net/free/news/20160129aud020A.html

小豆島、移動中にセンバツ吉報待つ!2年生8人修学旅行中

2016-02-02 | アイヌ民族関連
スポーツ報知 2016年1月29日6時0分
 第88回センバツ高校野球大会(3月20日から12日間・甲子園)の出場校を決める選考委員会が29日、大阪市内で開かれ、一般選考29校と21世紀枠3校の計32校が選出される。離島のハンデを乗り越え、部員17人で秋季県大会を初制覇した21世紀枠候補・小豆島(香川)は、現在2年生部員8人が北海道に修学旅行中。最終日となる発表当日は、乗り継ぎ先の羽田空港で吉報を待つ。
 各校が「センバツ決定」の一報を待ちわびる中、小豆島ナインは異例の状況で当日を迎えることになった。
 8人の2年生部員は、26日から北海道へ3泊4日の修学旅行中。最終日となる29日は、午前中に白老町の「アイヌ民族博物館」などを訪れた後、午後1時に新千歳空港発の飛行機に乗り込み、同3時前に羽田空港に到着する。大会本部から学校に連絡が届く運命の瞬間を、1年生は校内で、2年生は空港と、それぞれ離れた場所で待つ予定だ。
 そんな中、1年生部員9人はこの日も通常通り練習した。杉吉勇輝監督(32)も「緊張しているような感じはなかったです。いつも通りでした」と落ち着いた様子を見せた。
 小豆島町役場によると、出場が決まった場合、町内全域に町内放送を流して祝福。高松港からフェリーに乗った2年生部員が小豆島に到着する午後8時半からは、港でセレモニーが実施される。「今はセンバツの話題で持ちきり。みんな楽しみにしてますよ」と、同校OB会会長の藤井久幸さん。春夏通じて初の甲子園切符を、島全体が待ち望んでいる。(種村 亮)
http://www.hochi.co.jp/baseball/hs/20160128-OHT1T50136.html