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先住民族関連ニュース

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時田さんが10冊目の歌集 帯広

2012-11-17 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 11/15 16:00)
 【帯広】畑作の傍ら作歌を続ける帯広在住の歌人時田則雄さん(66)の10冊目となる歌集「オペリペリケプ百姓譚(ひゃくしょうたん)」(短歌研究社)が今月上旬に刊行された。生涯のテーマである「農」のほか、造詣の深いアイヌ民族をテーマにした作品など340首を収めた。時田さんは「十勝にこだわり続けてもう10冊目かという感じ。自在の境地を楽しんでほしい」と話している。
 帯広の農家に生まれた時田さんは、帯広農業高時代に作歌を開始。帯畜大卒業後はカボチャやナガイモなどを育てながら、十勝の風土に根ざした短歌を作り続け、2009年に歌集「ポロシリ」で読売文学賞を受けるなど、常に歌壇の第一線で活躍してきた。
 タイトルの「オペリペリケプ」とはアイヌ語で「帯広」の意味。歌集には「春は一気に足の裏からやつて来て俺は力の塊となる」「春泥のこびりつきたる長靴を履きゐる妻の顔新しき」など農作業の日常風景を詠んだ歌、「水がうまい、空気がうまい そりやさうだ オペリペリケプの樹なのだ 俺は」といったアイヌ語を生かした作品など、2年前から雑誌に発表した連載を中心に編集した。
 時田則雄さんの研究者で清水町在住の三澤吏佐子さんは「農業だけでなく、アイヌ文化に対する興味も読み取れる歌集」と評価。時田さんは「この年になってやっと七五調にとらわれず、自由なリズムで言葉を使えるようになってきた。今後はアイヌ民族の精神文化を取り入れて、新しい境地を開拓したい」と意欲は尽きない。
 四六判、192ページ、3千円(税別)。問い合わせは、短歌研究社(電)03・3944・4822へ。(佐々木馨斗)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/419775.html

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