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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

菊とメープル:ある日系人の物語/4 先住民族と寝食共に

2012-02-24 | 先住民族関連
毎日新聞 2012年2月23日 東京夕刊

 <ゴードン門田さんは関西学院高等部(兵庫県)を卒業後、1952年にカナダに戻った>
 「日本で大学を出よう」と思わないでもなかったのですが、その時点で5人の兄のうち3人がいたカナダに帰りました。父を継いで製材の仕事がしたかったので、製材所で働きつつ、ブリティッシュコロンビア大学で学びました。夏休み中は働き、秋に大学に戻る生活です。
 バンクーバーから約100キロ北のウィスラー近郊にある製材所で先住民族と一緒に働いたことがあります。1日10時間、週6日、製材所で住み込みで働き、土曜日の終業後、15マイル(約24キロ)離れた彼らの保留地「マウントクーリー」に向かいます。「まだか」「もうすぐだ」と問答しながら歩き、午後10時半ごろ、製材所から12マイル先のペンバートンという町に着きました。
 彼らの目的地は当時町に1軒しかないビアホールでした。ビアホールは閉店が午後11時で、先住民族には一度に2杯しか注文できない厳しい規則が課せられていました。彼らは店を追い出される11時半までの1時間、一気飲みを続けました。
 その後、フラフラになりながら3マイル歩き、保留地にたどり着きました。あばら家に案内され、臭く、度数の強い自家製酒をふるまわれました。酔っぱらった彼らは「やつら(白人)は何も分かってない」と繰り返していました。抑圧された生活を送る彼らの唯一のうさ晴らしが酒でした。
 <日系人をカナダ沿岸部から160キロ以東に強制移動させた戦時令は49年に解除された。その後、一部の日系人はバンクーバーなどの沿岸に戻ったが、多くはカナダ各地に分散されたままだった>
 差別は根強く残っていました。日系人仲間でクリスマスパーティーを開こうと会場に電話で申し込みました。「大歓迎」と言われたのですが、数日後に打ち合わせに行くと、会場の持ち主は日系人と見て顔色を変え、「絶対にジャップ(日本人の蔑称)には貸さない」と言いました。58年か60年ごろの話です。
 製材から貿易に仕事の興味が移り、やがて61年に旅行業を始め、日本からの観光客誘致に力を入れました。日本でドルの持ち出し額が制限されていた64年、バンクーバー市を説得して観光誘致使節団を結成し、日本各地で「カナダに来てください」と訴えました。翌年はカナダ連邦政府の観光誘致団も日本に連れて行きました。次第に日本からの観光客が増えるようになりました。【バンクーバーで山科武司】=つづく
http://mainichi.jp/select/world/news/20120223dde007040020000c.html

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白老町がアイヌ民族博物館に24年度も1500万円補助

2012-02-24 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2012年2月23日(木)朝刊】

 白老町議会総務文教常任委員会協議会が22日開かれ、町側は入館者の激減などにより経営状況が悪化しているアイヌ民族博物館に、引き続き1500万円の補助を24年度も実施する考えを示した。
 アイヌ文化調査研究強化対策事業として同博物館に補助される1500万円は学芸員4人分の人件費。町側は民族共生の象徴となる空間の白老選定に関連し「国立博物館ができるまでの間、確実にアイヌ民族博物館を残さなければならない」と支援の必要性を強調した。
 存続が危ぶまれる状況にある。23年度の入館者数は、東日本大震災や原発事故の風評被害、円高の影響から入館者の4割を占める外国人観光客が6割強減少、22年度20万2千人だった総入館者数は23年度約14万5千人と見込まれ、入場者収入は4400万円の減額を予測している。
 同博物館は経費節減対策として退職者の不補充、23年度定期昇給の凍結(24年度も継続予定)などを実施。経営安定化に向けたさらなる対策として、閑散期における職員雇用の休止、売店の一時閉鎖、休館日の設定、誘客対策特別チームの編成などを模索している。
 今年1月、町に補助金支援を要請した同博物館は「危機的な財源不足から博物館事業の後退などを余儀なくされる状況になることが現実味を帯びている」と窮状を訴え、新年度予算で2398万円の財源不足が生じ、運営が立ち行かなくなる懸念を示した。
 同博物館はアイヌ文化の保存、公開、伝承活動など先駆的な役割を果たしており、平成19年策定の白老町アイヌ施策基本方針の目的達成に向けて町は「その一翼を過去もこれからもしっかりと果たしていくことが確実」ととらえている。
 民族共生の象徴となる空間整備に向けても、天皇陛下訪問はじめ関係閣僚、国会議員、関係省庁幹部の相次ぐ視察を挙げて「注目を浴びており、重要な位置づけを有している」との認識を示している。(富士雄志)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2012/02/23/20120223m_08.html

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