京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
春に三日の晴れ間無し、
そして三寒四温、
黄色と白色の世界、
至る所で白梅が匂う、
曇天なれど、
匂う世界に春満つる、
ビルの渓にも春来る、
足元に水仙が出番を待つ、
ここには、
恥じらいて下を向く、
和水仙、
雪柳の蕾発見、
さきがけ、
一足早く、
一輪見つけ、
白い沈丁花、
何よりも先駆けて咲くマンサク(先ず咲く)、
確かに枯葉を枝に残しながらも、
健気にも春の到来を告げる、
辺り一面の落葉、
そこに、
初春の、
まだ弱々しい陽を透かして咲くロウ梅、
山茱萸の小さな蕾を見る、
ほころびだしている、
続くミモザにも春が押し寄せる、
日当たりの良い場所では、
零れんばかりに、
花の重さに揺れている、
当たり一面の菜の花を見に行きたい、
陽ざしに春を感じる東京、
北の国では、
まだ深い雪の中でしょうか、
ご自愛ください、
江戸時代、
深川、
縦横に堀割が通っていた、
その多くが埋め立てられて、
道路となり公園となっている、
何時もの木場公園、
トトロのトンネルは復活したけれど、
木々は切られて
もうトトロは居ない、
冷たい雨が降る、
枯れ木が続く、
その奥にスカイツリーが微かに浮かぶ、
堀割り大横川、
大横橋、
堀土手に咲く河津桜、
雨に霞み、
薄墨桜となる、
葉桜となりつつある、
染井吉野はまだなお蕾固し、
青空の下にあれかし、
江戸元禄時代、
深川に木場、
堅川そして大横川に横十軒堀、
隅田川を渡ると堀割が縦横に走り、
猪貴船が行き交っていた東洋のベニスとも、
思いつくままにも、
五間堀・六間堀・油堀・仙台掘に小名木川と、
そこに真紅の木瓜の華が咲く、
辰巳芸者の意気と張りを伝える深川界隈、
薄い朱を引いた木瓜の妙、
休日の午後小半刻、
京橋で茶の湯の御稽古、
一期一会の言葉、
仙利休の弟子山上宗二の著した「山上宗二紀」に、
一期ニ一度ノ会ノヤウニとあり、
井伊直弼の「茶湯一会集」に再見される、
加賀椿にマンサク、
竹台子、
手製の蒸し菓子、
黒点は大徳寺納豆、
奇抜は棗、
急ぎ「お茶の水」に移り、
聖堂に寄り、
鵜塀と鵜回廊、
緑青の瓦屋根、
聖橋を取って返してニコライ堂に、
白壁に黒のアクセント、
どちらに通じて行くのだろうか鉄扉、
瞬く間に半日が過ぎる、
残務整理が続く日々、