デング熱の媒介の一匹の蚊の存在に、
閉鎖されていた御苑に人が戻ってきた、
入口の大銀杏の下には、
スイセンが待つ、
季節は、自然の摂理で巡っていた、
一本のヒマラヤシーダーは変わらず立っている、
見る角度から、
首をかしげているような気がする、
こちらは、三本のレバノンシーダー、
その先に、秋の空が広がっている、
そして次に出会うのが、
大きな、おじいさんのモミジバスズカケノキ、
秋の陽を受けて輝く、
幹が歴史を伝えてくる、
落ち葉がかさかさと音を立てている、
こちらもまたはく木蓮の大木、
その先に、メタセコイヤが、
並んで待っている、
ラクウショウの葉が秋の世界を作っている、
穏やかな陽を浴びて、
そして、御互い待っていた再会、
小人たちがいる、
変わらずに待っている者たちがいる、
森は秋に覆われていた、