西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

時代の違う二冊の本の共通点

2011-12-26 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
今年も色々な本を乱読した感じだが、その中に発行された時代が違うが、大きく見て同じ問題意識だなと思う二セットの本があった。

一つは、江戸時代の貝原益軒の『養生訓』と明治末期に書かれた幸田露伴の『努力論』(1940年発行、2011年2月第15刷りの岩波文庫による)が「似ている」ことであり、もう一つは、最近出た岩波新書の羽田 正著『新しい世界史へ』と2009年10月第15刷りの岩波文庫、宮崎市定著『史記を語る』が「通底」しているということである。

貝原益軒と幸田露伴の似ているのは、ともに「気」の重要性を根底においていることではなかろうか。まあ「東洋的考え方」とも言える。

また羽田 正氏と宮崎市定さん(東洋史学)が似ているのは、羽田さんが現在、東大教授(東洋文化研究所長)ではあるが、京大文学部出で京大で学んだ時には、既に宮崎市定さんは京大教授をやめていたが、京大東洋史学の雰囲気は感じたのではなかろうか。それと、ひょっとして羽田 正さんは羽田 亨さんの孫ではないのかな。私が京大に学生でいたころ、羽田 亨さんが京大文学部教授(東洋史)でおられたのではないか。

ここで、世界史というのは、高校時代に習ったようなヨーロッパ史中心の「世界史」ではないのである。

で、宮崎市定さんも、「歴史は世界史でなければならない」ということを率先して言った方なのである。その伝統を羽田 正さんが引き継いでいるとも言えるのである。  あにはからんや、羽田さんは、その新書で宮崎市定先生を「引いている」。

これからは、内にあっては「気」の重要性を、外にあっては世界史の重要性、面白さをしっかりと学んでいきたい。

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