西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「病の起源ー脳卒中ー」早すぎた進化の代償より(NHKTV)

2013-05-27 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
2013年5月26日のテレビで「病の起源ー脳卒中ー早すぎた進化の代償」をやっていた。病気の真の原因が明確に中々分からず、まあ治療と言うと症状に対する対症療法が多かった印象だが、こういう人類進化の歴史から「病気の起源」を探るのはよいと思うし、関心もある。先週は「がん」であった。これについては又触れたい。今回の番組の「歴史の旅人」は女優の室井 滋さん。

脳卒中の定義をはっきり言っていなかったが、私の理解で、「脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など」としておこう。

現在、世界の脳卒中発症は年1500万人と言う。これは人類史においてはアフリカにおいて、700万年前から、チンパンジーと別れた時点から人類におこってきたもので、チンパンジーにはおこっていない。これは、ホモサピエンスへの進化の過程で脳が急速に巨大化したこと、6万年前の出アフリカによる生活環境の急速な変化(寒冷化など)が大きい。

脊椎動物の進化で、4億年前の魚類から脳血管は「薄く」なったが、2億年前の哺乳類から脳血管は「薄く」、脳以外の体血管は「厚く」なった。それは体はよく動かすため「厚く」なったが、脳は運動しないため「薄い」ままだった。

人間の脳血管は総計600㎞もあり、毛細血管が増えて隅々まで血液を循環させている。幹血管から毛細血管に分かれる外側で血流が速くなり血管に圧力が強くかかって「薄く」なって微小動脈瘤が出来、それが膨らんで動脈瘤になり、遂に脳卒中となる。

一応、治っても手足や口が動きにくくなる場合が多いが、何故だろうか。脳に広く分布する運動神経野から、血管が脳から体に出ていくところにあるレンズ核綿条体動脈がやられて脳卒中になりやすく、その場合、運動神経末端部に血液が行きにくくなるためである。

人間は250万年前から運動能力が進化し、石器も進化して他の動物の食べ残した肉を骨からそぎ取って食べれるようになった。

先にも触れた6万年前の出アフリカ以来、環境の変化に対応し、食物の調理や貯蔵でも塩を使うことが増え、ナトリウムイオンも増え、それを薄めるため水を多くとると「血液量」が増えて血圧が高くなってきた。これも脳卒中の遠因である。

ところが、食塩の摂取量の低いアフリカのピグミーには脳卒中は「ない」ようだ。血圧は低く、我々の場合、高齢になると血管の弾性が落ちて血圧が高くなるのに、ピグミーの場合は年齢が上がっても「最高血圧」110台のようだ。

最近、脳以外の首の血管でも「(脳)卒中」が増えだしているのは、肉類、脂類の「とりすぎ」も原因と考えられている。

「脳卒中予防」の先進取り組みは、九大医学部のサポートの下、福岡県久山町の取り組みだ。ここでは、肥満を減らし(BMI値低く)、運動も週3回以上実践して血圧を下げている。 さあ、我々も予防に励んでいこう!!




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