西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

日本の風景を変えた男たちー(1)池田武邦

2008-02-18 | 住まい・建築と庭
今日から三夜、NHKハイヴィジョンで「日本の風景を変えた男たち」がある。初夜は、池田武邦、明日は内藤多仲、明後日が丹下健三である。三人とも東大・建築学科の出身だ。日本の建築分野の「エリート」だ。

今日の池田武邦さんは、84歳、現存している。(他の内藤多仲さんも丹下健三さんも既に亡くなっている。)池田さんは藤沢市の生まれ、農村地帯で育つ、それが原風景、戦前は海軍兵学校出身、太平洋戦争で九死に一生を得る。戦後、焼け野原の復興にかけて建築をやろうとし、1946年東京帝国大学建築学科に入り、1949年卒、鈴木成文先生と同期かな。

設計事務所で活躍、日本設計設立、社長、日本初の超高層ビル・霞ヶ関ビルを設計完成1968年、その後、更に高い新宿三井ビルを設計、50階(地上200m)に自らのオフィスをつくる、前にブログに書いたが、http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/58eff9c143f6a537d183ec2bb56e6c1c
池田さんは冬のある日、外は雲の中だが、内は人工でコントロールされている環境で仕事のあと、地上の玄関に降立って、外は吹雪であるのを目撃し、愕然とする。こういう自然を拒否した超高層ビルとは何なのだろうか、と。

その後、日本の近代建築150年から反省して、数百年、数千年の伝統を大切にする、つまり海や大地、水や緑や動物等の自然を大切にする考え方に「回帰」している。私は、学生時代から自然、環境の重要性を認識してきたが、60歳位になってから改心した池田さんは偉いと思う。

環境保全、循環型のハウステンボスを造り、現在、長崎県西海市に住む。秋田の鵜養や福山の鞆の浦にも入れ込んでいる。私は数年前、科研費研究でハウステンボスに池田さんを聞き取りに訪ねた。

私が池田さんに贈った俳句:超高層降立ち吹雪に驚きぬ  市路

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (jjw)
2011-02-05 19:22:23
なぜ名誉会長をされている日本設計はいまだに超高層を推し進め地権者を苦しめるのでしょうか。
返信する
そうですよね (ichiro)
2011-02-24 09:43:56
事情は分かりませんが、「主義」から言えば、そうですよね。
返信する

コメントを投稿