西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

ブレーメンの音楽隊、夏目漱石の病跡学的分析

2010-07-01 | 色々な仮説や疑問
一二日前、病跡学(びょうせきがく)の話をした。http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/9a5b67fa84e1241078802d64554b7d3a

で、夕べは二回分いっぺんに放送された。一昨日は、ワールドカップ日本対パラグアイの実況のため一回飛んだためである。

「ブレーメンの音楽隊」のことについて・・・グリム童話、齢(とし)をとって重い荷物を運べなくなったロバは、何をしようか考えてブレーメンに行って音楽隊に入ろうと考える。これなら力仕事でないから出来るのでは、と考えたのでは、と言う。道で寝ている犬に会う、「どうしたの」と聞くと、「齢で俊敏さを失って獲物を追いかけられなくなり「お払い箱」」とのこと、じゃーとブレーメンに行き音楽隊に入らないか、と誘う。次に猫に会う、「鼠を取れなくなり「お払い箱」」、じゃーとブレーメン行きの仲間に誘う。最後に悲しげに鳴いている鶏に会う、「明日スープになるんだよ」と言う。鶏もブレーメン行きを誘う。

夜になり森で寝ようとすると近くに灯りのついて賑やかな声のする家がある。行ってみると、泥棒たちが美味しそうな食べ物を前に金貨の山分けをしている。そこで四匹の動物達は大きな声を出して泥棒たちを追い出して、美味しいご馳走と住みやすい家にありつく。結局、ブレーメンに行かずに、そこで楽しく過ごしたとさ。チャンチャン。

「これって最近の人間の高齢者問題解決にピッタリの話ではないか」と筑波大学教授・精神科医 高橋正雄さんは言う。第一の仕事をやめると、次は全然別の仕事に取り掛かろうとする。でも途中で、(年金だけでも良いとして、かな)一つ屋根の下で共同生活に入る・・・。モデルになる。

次に、夏目漱石の病跡的分析だ。夏目漱石は、江戸末期に生まれ明治を生き抜いた人物、二十歳台、三十歳台、四十歳台それぞれの後期に神経症に陥っている、それが作品の中に現れていると言う。主人公は決まって背が高く痩せ型らしい、クレッチマーが「体格と性格」の関連付けを発見する前に夏目漱石は、痩せ型の神経質に気づいていたと言う。また、そういう人物に優しく接して治療の方向も示唆していた、とのこと。高橋さんは、漱石は偉大な病跡学者の「はしり」ではなかったか、と言う。

今度、そういう目で漱石を読んでみよう。