西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

山(丘)、宅地、川の配置関係ー「ざあざあ」梅雨の反省ー

2010-07-22 | 地域居住学
今年の梅雨は、昔の「しとしと」梅雨ではなく、「ざあざあ」梅雨だった。主に北九州や山口など中国地方で川が氾濫し、山崩れも起こり、住宅が押し流されたりして独り暮らしや二人暮らしの高齢者が多く亡くなった。

鉄道に乗って地方を旅行し、車窓から眺めていると、「遠くに見いえる村の屋根」で、村の屋根屋根が見えているが、それらのすぐ後ろが山(丘)である。そして列車が走る平野は、田んぼであり川が流れ、時々鉄橋を渡る。

ということは、山(丘)の麓(ふもと)に集落がつくられ、より低地に田んぼがつくられたのだ。これは何故かと言えば、集落は、田んぼにも近く、できれば「水がつかず」、山の林の管理にも便利といった全体を考えて合理的立地をとったのだ。

しかし、そうした状況がくずれてきた。
(1)雨の降り方が、激変してきた。
(2)植林は、安定した「崩れにくい」山(丘)を変えてきた。

治山、治水、集落立地の全体を考え直す時期であろう。次の台風シーズンをこえ、中・長期的に「リッチ」な立地関係を追求してほしい。