西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

使用価値の創造的組み合わせ=ライフスタイル

2010-07-27 | 思いつきから仮説へ
学生時代、4回生の時(1963年~1964年)、卒論で「尻に火」が付いているのに、大部の『資本論』に読みふけっていた時期がある。第一巻の最初が「商品」の項で、資本主義生産の一番の元であり、マルクスは、それを実に精妙に分析していくのだが、そこで商品の価値、交換価値、使用価値という概念が出てくる。

価値は、労働時間で測定できることが示される。交換価値は、価値に規定されるけれども市場で決まってくる。使用価値は、それぞれの時代や人々の「発見」によるとされ、価値のような規定は与えられていない。

現在、市場には多種多様な商品が供給され、人々の需要に応えようとしている。その需要という奴がその時の「使用価値要求」なのだが、それがないと死んでしまう食料品などを「必需品」と言っている。

今は、デフレが世界の多くをおおっており、「必需品」以外、なかなか「手」が出ない世の中になっている。今までは、逆に「ちょっと必要かもしれない」ものまで「インパクト・ショッピング(衝動買い)」した時代で、家に「ガラクタ」が「溜まっている」場合も多い。

これからは、商品の使用価値厳選の時代に入るのではないか。「必需品」の食料品といえども、本当に健康に役立ち、それを保持増進し、なおかつ美味しいもの「少量」に限られてくるだろう。

こうして各人で「使用価値の創造的組み合わせ」を選び、それを使ってのライフスタイル成熟、確立の時代になるだろう。頭と手足と口は益々使う必要があるだろう。