西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

病跡学(びょうせきがく)とは?

2010-06-29 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
昨日、ラジオ深夜便で「病跡学(びょうせきがく)」という言葉を初めて聞いた。

〔ないとエッセー〕病いをのりこえ 生きること(1)筑波大学教授・精神科医 高橋正雄さんによる。『広辞苑』によると、病跡学:「個人の生涯を疾病、特に精神病理学的な観点から研究分析し、その活動における疾病の意義を明らかにしようとする学問。芸術家・文学者・学者・政治家など傑出した人物を対象とすることが多い。パトグラフィ。」とある。

高橋さんは、ある時、医者ではなく患者として入院生活をしてみて、病気に対するイメージがガラッと変わったという。暇にまかせて夏目漱石の『門』を読んでみて、以前読んだ『こころ』とほぼ同じ筋立てで、精神的に悩む人間像を描いていることに気づいたという。(まあ『我輩は猫である』とか『坊ちゃん』と違う傾向?!)

そういう病的人間像を主題とした作品は、芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫など色々あることがわかった、とのこと。それで、良く考えてみると、人間と言うのは「病気持ち」が普通、普遍的傾向で、それを抱えて、どう生き切るかが常態ではないか、とのことだ。まあ、良く「一病息災」というが、そうなのかなーとも思う。だが、無理に病気になることもなかろう。続きは、明日の「ラジオ深夜便」で、今日はサッカーの実況だ。

(そう言えば、昔、ドイツの文豪ゲーテは、躁うつ的傾向で、うつ状態を克服しようと『イタリア紀行』を敢行した、と聞いたことがある。ドイツに戻って更に名作を生み出したという。)

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