西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

伝統的町屋の温熱環境

2006-03-04 | 地域居住学
3月2日、2月27日ブログで越後・村上市の町屋保全の取り組みについて書いた。村上市から来られた吉川美貴(きっかわ・みき)さんの話に関してである。その話の後、質疑があって私も住民と大学の連携について質問したが、奈良女子大学の温熱環境専門の磯田則夫先生は「伝統的町屋の保存は良いとして冬は寒くて大変なので、過去、変に改変されたのではないか。保存しつつ温かくする方法の開発も必要では・・」と言われた。答えて吉川さんは「伝統的町屋では、通り庭と部屋の間に障子はないのであるが、余りに寒いので最近、障子を入れた家もある」と言われた。私は、その程度の改変は保全の枠内であると思った。磯田先生には、どういう画期的方法があるのか、もう少し聞きたい気がした。

PSE問題

2006-03-04 | 時論、雑感
今日のNHKTV19時のニュースでPSEのことをやっていた。P及びSはProduct Safety、EはElectrical Appliance & Materials の略で、昨日3月3日の「きっこのブログ」では「メーカーのための電気用品安全法」ということになっている。NHKが、この人気のブログに影響されたわけではあるまいが、電気製品の中古品を売る業者が「反対署名活動」を始めたのを捉えて放映したのは良いことだ。この法律は、良く周知されないうちに公布されてしまっている。この4月から多くの電化製品の中古品は、「PSEマーク」がないかぎり売れない、買えないことになる。中古品にこのマークをつけうるのは元メーカではなく中間流通業者で、リスクが大きい。やはり本来製造メーカーが責任を持つべきだろう。この法律の施行は、3R即ちReduce(削減),Reuse(再利用),及びRecycle(循環利用)に反するものである。今からでも遅くないので、撤回ないし根本的見直しが必要だ。詳しくは3月3日の「きっこのブログ」参照

東大寺二月堂のお水取り

2006-03-04 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
東大寺二月堂のお水取り(修二会)が佳境に入ってきた感じだ。3月1日から2週間行われる。12日の深夜に行事の代名詞でもある「お水取り」が行われる。二月堂の下にある鎌倉時代の建築である重要文化財の「閼伽井屋(あかいや)」の閼伽井(別名:若狭井(わかさい))からお香水(こうずい)(閼伽水)を汲み上げ、十一面観音に供えるのである。閼伽とは、Aqua-で水のことで「閼伽井」とは「水井」となるのかな。Aqua-は、アクアラングとかアクアスキュータムとか、水にちなんだ名前の接頭語のようだ。一寸これから「発展して」「赤」という字も「水」を表わすようで、赤川さんは「水川」、赤瀬さんは「水瀬」さんである。ところで閼伽井屋に関しては、別名「若狭井」と言われているように、毎年3月2日、若狭の小浜・神宮寺では「若狭井」に向けて「お水送り」が行われているのは最近良く知られるようになった。これは、古来、若狭と奈良は深い関係(渡来人のルートか)があったことを示している。ために小浜市は奈良市の姉妹都市の一つとなっていて小学生の交流などもあって良い。「お水取り」の後、「だったん」という火の行法が行われる。これが毎年テレビで放映されている。最近は毎夜多くの人が「おたいまつ」等の見学に行っているが、昔はどうだったのだろうか。1685年、芭蕉42歳の時に、「二月堂」にこもっている。
「水とりや氷の僧の沓の音  芭蕉」
小生の駄句:お松明(たいまつ)沓音声明(くつおとしょうみょう)闇夜かな 市路
(写真は右手上が二月堂、左手下が若狭井、中間に神社があるのが面白い)