生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信334 ・参院補選に見る民主主義の空洞化

2009-10-26 06:37:48 | 日記
・参院補選に見る民主主義の空洞化
 今朝の朝刊は、昨日行われた神奈川、静岡の参院補選と宮城県知事選、川崎、神戸の市長選の結果を伝えています。

 鳩山政権下で初の国政選挙となった神奈川、静岡では、民主の公認候補が完勝し、自民の退潮に歯止めがかかっていないという結果になりました。

 また宮城県知事選は自民系が当選。川崎、神戸の市長選では民主推薦候補が1勝1敗。

 メディアの目は、選挙結果に集中していますが、ほとんど注目されていない陰で進んでいる恐ろしい現象が、投票率の低下に歯止めがかかっていないことです。

 神奈川県という都市部にランクされる選挙区で、今回の投票率は有権者のほぼ4分の1の28.6%で、前回(05年10月)より4.0ポイントもの下落。静岡は有権者のほぼ3分の1の35.6%という投票率で、前回(07年7月)を一気に22.7ポイントの激減となり、過去最低となりました。今回投票率が多少上向いたのは、宮城と神戸でした。

 いわずものことながら、投票に行かなかった人は、投票結果に白紙委任したことになります。政治に白紙委任すれば、どんな政治が行われてもその政治にクレームをつけられない、理屈ではそうなります。つまり、民主主義の空洞化です。

 心配なのは、こういう低投票率の状態が長く続けば、いずれ日本全体がおかしくなります。間違いない。国が滅びるのは内部から腐ってくるからという歴史の教訓は、ローマ帝国の滅亡以来、数え切れません。

 政治から関心が離れるのは、ジャーナリズムにも大きな責任があります。時代がこれほど大きく変化しつつある動きを、生き生きと伝え切れていない結果でもあるからです。

 中国やイラク、アフガン、ミャンマーなど自由な選挙を望んでもいまだにそれが実現できない国、もちろん北朝鮮などの独裁国家もそうです。日本も64年前まで軍部独裁のファシズム国家だった。64年前まで、封殺されたジャーナリズムに闘う姿勢は全く見られず、市民運動もありませんでした。この国の形をどうして行きましょうか。




生き生き箕面通信333 ・普天間基地移設と東アジア共同体

2009-10-25 07:02:58 | 日記
おはようございます。稲刈り後の田で盛り上げたもみがらの小山が蒸し焼きにされていました。焦げた田舎の懐かしいにおい。
生き生き箕面通信333(091025)をお届けします。

・普天間基地移設と東アジア共同体
 普天間基地が日米関係の根幹を揺るがす大問題に発展してきました。鳩山ぽっぽちゃん首相の政治手法は、「県外移設だ」「国外もある」「名護市長選挙の結果など地元の意向を見てから」といろいろ言っているうちに、落ち着くところに落ち着くだろうという”公開討論方式”になってきました。

 この方式は、国の安全保障に対する国民的な議論を盛り上げる役割も果たしていると思います。「単にブレているだけじゃないか」という批判もあります。しかし、これが物議もかもし、さまざまな勢力からの議論を引き出してもいます。ぼくが切に願いたいのは、この機会に多くの人が安全保障について自分なりの考えを鍛えていくことです。

 ぽっぽちゃんは「東アジア共同体」構想を打ち出し、昨日24日のASEAN+3(日米韓)の首脳会議で正式に表明しました。これは、世界の成長センターとして東アジアを位置づけ、いずれは欧州連合(EU)のような存在を目指そうというものです。経済的に融通しあって経済発展を続けられるようにしようじゃありませんか。ウイン・ウインでいきましょう。お互い仲良くなれば、地域の紛争もほぐれていく期待が持てるじゃないですか。ぼくは、将来的には、この地域の集団的安全保障まで発展させるべきと期待しています。EUのNATOに相当するものです。

 普天間基地は、東アジアの将来の変化を見据えた展望の中で日本の安全保障がどうあるべきかを位置づけ、米軍基地全体をどうしていくのか、そうした全体状況に照らして結論を出すべきと考えます。時代の大変化の時には、世界平和をどう担保するか、この原点に立ち返って考えることが必要です。

 21世紀と言う100年を「世界平和実現のために格闘する世紀」と位置づけるなら、米軍基地は日本全体から段階的にお引き取りを願わなければならなくなります。日本人は日本の独立はまず自分たちで確立する気概が必要です。そして一国平和主義は成り立ちませんから、集団的安全保障を考えることです。しがらみを超えて、新しく時代を切り開いていきましょう。

 いまは、オバマ大統領が訪日する前に結論を出す必要が、アメリカから強力に求められています。しかし、「ちょっと、待ってください。1年間、考える時間を下さい」というべきです。わたしたちは、「あなた任せの平和」から「自分の手で作る平和」へ、1年間かけて転換すべきです。普天間もその文脈の中で結論を出す方がいいのではないでしょか。 




生き生き箕面通信332 ・ニューヨーク大暴落から80年――人類の挑戦は続く

2009-10-24 06:37:16 | 日記
おはようございます。夙川で渡り鳥が餌をついばんでいました。平和な世界。
生き生き箕面通信332(091024)をお届けします。

・ニューヨーク大暴落から80年――人類の挑戦は続く
 世界大恐慌の引き金となった「暗黒の木曜日」。1929年10月29日、ニューヨーク取引所でバブルがはじけ、株式大暴落が起こりました。それからちょうど80年。いままた世界的な景気後退期に入っています。

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは「第2次世界恐慌の始まり」といっています。

 第1次のときは、アメリカのルーズベルト大統領がとった政府の財政出動による景気刺激策・ニューディール政策で立ち直ったとされています。テネシー渓谷開発の公共事業創出です。しかし実際は、この政策では10年経っても失業者はあふれ、景気ははかばかしくありませんでした。専門家の間でも、ニューディール政策の効果については、いまだに評価が分かれています。

 本当に景気が立ち直ったのは、ちょうど10年後の1939年に始まった「第2次世界大戦」という戦争景気によってでした。ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、大戦が勃発。戦車や爆撃機、武器弾薬の生産が間に合わないほどの”好景気”。欧米、とくにアメリカは”戦争バブル”を謳歌し、ついにドルがポンドに取って代わって「基軸通貨」にのし上がったのでした。

 それ以来、アメリカは”戦争景気”の美味しさを味わい続け、「産軍複合体」という戦争体質が社会にがっちりと組み込まれて、そのモルヒネ中毒に冒された状態から脱することができません。

 いま、アメリカの本当の失業率は30%という驚異的な高さになっています。この数字では、オバマ政権が持ちませんから、1か月に36時間しか仕事がない人まで「就業者」の方に数えるというまやかし統計でごまかしているのです。

 一方、ニューヨークのウオール街では、ゴールドマン・サックスの経営者らをはじめ怪しげな「金融工学のプロたち」が相変わらず目の玉が飛び出すほどの超高給をむさぼり、詐欺師的にカネを吸い上げている、これが現状です。

 人間は「欲」のかたまり。それが活動の原動力になってきました。しかし、行き過ぎた資本主義の暴走を食い止め、社会の安定と幸せをもたらすのも、人間の活動です。地球上の60数億の人間。このうち明日の食べ物にもこと欠く人が三分の一以上。

 しかし、富は充分にあります。一部の人が必要以上に占有せず、多くの人に行き渡る仕組みさえつくれば、紛争は少なくなるはずです。

 あれから80年。落ち着いた世界を創るという挑戦は、道半ばです。







生き生き箕面通信332 ・ニューヨーク大暴落から80年――人類の挑戦は続く

2009-10-24 06:37:16 | 日記
おはようございます。夙川で渡り鳥が餌をついばんでいました。平和な世界。
生き生き箕面通信332(091024)をお届けします。

・ニューヨーク大暴落から80年――人類の挑戦は続く
 世界大恐慌の引き金となった「暗黒の木曜日」。1929年10月29日、ニューヨーク取引所でバブルがはじけ、株式大暴落が起こりました。それからちょうど80年。いままた世界的な景気後退期に入っています。

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは「第2次世界恐慌の始まり」といっています。

 第1次のときは、アメリカのルーズベルト大統領がとった政府の財政出動による景気刺激策・ニューディール政策で立ち直ったとされています。テネシー渓谷開発の公共事業創出です。しかし実際は、この政策では10年経っても失業者はあふれ、景気ははかばかしくありませんでした。専門家の間でも、ニューディール政策の効果については、いまだに評価が分かれています。

 本当に景気が立ち直ったのは、ちょうど10年後の1939年に始まった「第2次世界大戦」という戦争景気によってでした。ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、大戦が勃発。戦車や爆撃機、武器弾薬の生産が間に合わないほどの”好景気”。欧米、とくにアメリカは”戦争バブル”を謳歌し、ついにドルがポンドに取って代わって「基軸通貨」にのし上がったのでした。

 それ以来、アメリカは”戦争景気”の美味しさを味わい続け、「産軍複合体」という戦争体質が社会にがっちりと組み込まれて、そのモルヒネ中毒に冒された状態から脱することができません。

 いま、アメリカの本当の失業率は30%という驚異的な高さになっています。この数字では、オバマ政権が持ちませんから、1か月に36時間しか仕事がない人まで「就業者」の方に数えるというまやかし統計でごまかしているのです。

 一方、ニューヨークのウオール街では、ゴールドマン・サックスの経営者らをはじめ怪しげな「金融工学のプロたち」が相変わらず目の玉が飛び出すほどの超高給をむさぼり、詐欺師的にカネを吸い上げている、これが現状です。

 人間は「欲」のかたまり。それが活動の原動力になってきました。しかし、行き過ぎた資本主義の暴走を食い止め、社会の安定と幸せをもたらすのも、人間の活動です。地球上の60数億の人間。このうち明日の食べ物にもこと欠く人が三分の一以上。

 しかし、富は充分にあります。一部の人が必要以上に占有せず、多くの人に行き渡る仕組みさえつくれば、紛争は少なくなるはずです。

 あれから80年。落ち着いた世界を創るという挑戦は、道半ばです。







生き生き箕面通信331 ・非核と武器輸出両三原則見直しを、と全面広告

2009-10-23 22:25:27 | 日記
こんばんは。今朝からバタバタしていて、ようやくいま落ち着いたところです。
生き生き箕面通信331(091023)をお届けします。

・非核と武器輸出両三原則見直しを、と全面広告
 今日の日経朝刊に「積極的平和主義と日米同盟のあり方」の見出しで、1ページ
全面を使った意見広告が掲載されていました。日本国際フォーラムという保守系シンクタンクのものです。

 今回は9項目の提言ですが、主なものは最初の3項目で①「非核三原則などを再検討せよ②米軍再編プロセスに協力し、集団的自衛権の行使を認めよ③「武器輸出三原則」は根本的にそのあり方を見直せ――と主張し、提言しています。

 「核の持ち込みはいいじゃないか。普天間基地は早く移設しないと、アメリカとの関係がおかしくなる。集団的自衛権は解釈改憲で認めよう。武器に使える優れた
技術がありながら輸出に活用できないのは、もったいない」――ありていに言えば、こんなところでしょうか。

 政権交代が起こり、また来月にはオバマ大統領の訪日を控え、保守の側が危機感を強めてきているようです。

 しかし、オバマ大統領は核なき世界」を呼びかけてノーベル平和賞を受賞、これからその手形を落さなければならない立場です。そうしたなかで、日本は核の力を推進する側に立とうと言う提案です。また、武器輸出を解禁して、”死の商人”の仲間入りをしようとも主張しています。

 これらの提言が馬鹿にできないのは、もともとこの団体は、アメリカで影響力の
強い「外交問題評議会」(CFR)をまねて作ったもので、会長は元経団連会長(元新日鉄社長・会長)の今井敬氏で、学者、評論家、自民党議員などが名を連ねています。

 まさか民主党中心の新政権が簡単に影響を受けるとは思えませんが、気になるのは、いわゆる革新の側に安全保障についての確たる理論構成ができていないことです。というよりも、国民全体に「アメリカの核の傘に入っていれば安全」と、あなた任せの国防意識、とても独立国とは思えない”平和ボケ”のまん延がみうけられます。

 時代が大きく変わろうとしているいまこそ、新しい時代に対応する安全保障の考え方を作り上げ、実践すべきではないでしょうか。一人ひとりが世界平和の確立のための安全保障策を考えたいものです。