生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信323 ・「記者クラブ」はやはり広報役か

2009-10-15 06:36:56 | 日記
おはようございます。朝早くは冷え込むようになってきました。うっかり風邪などお召しになりませぬように。
生き生き箕面通信323(091015)をお届けします。

・「記者クラブ」はやはり広報役か
 今朝の読売新聞は、「基礎からわかる記者クラブ」という1ページ特集を組んでいました。記者クラブ制度がきわめて閉鎖的に運営されており、「国民の知る権利」を阻害していると言う批判があり、鳩山政権は「記者会見はすべての報道機関に開放する」と”公約”して、いろいろな試みが始まっているからです。

 鳩山首相の就任会見には、官邸記者クラブ(内閣記者会)非所属の雑誌・専門誌記者が10人ほど出席したと伝えられています。岡田克也外相は「すべてのメディアに解放する」と宣言し、9月29日から実施しています。ほかの省庁もそれぞれ工夫して「開かれた情報開示」への試みを始めています。

 これまでの記者クラブへの批判は、「記者クラブが置かれている省庁の『広報役』に堕している」というものでした。ニュース、特ダネを取る作業は、その情報源からいかに引き出すか、にかかっています。だからそうしても、その情報源とのよしみを通じることになってしまいがちです。それは、その情報源が情報操作に利用することと紙一重の関係です。

 読売朝刊の特集は、記者クラブ制度が始まった1890年からのほぼ120年の歴史を振り返り、外国の例も紹介しています。概して「いかに記者クラブは権力と闘ってきたか」「記者クラブが”知る権利”のために有効か」の観点が強く出て、記者クラブ擁護になっています。

 外国では、アメリカのホワイトハウスはもちろん、記者クラブ制度はありません。ただ、それなら「万々歳」かというと、そうでもないところにむずかしい問題があります。権力側が記者会見の開催権を持っているため、ともすると利用したいメディアを選び、批判的なメディアは締め出されることも日常茶飯だからです。

 もっとも、日本の記者クラブも、戦時中は戦争協力の笛を吹き、太鼓を鳴らしたものでした。「一億火の玉」「勝つまではほしがりません」と軍部が打ち出す方針をカネと太鼓でお先棒かつぎしました。戦場の報告も日本軍が「勝った、勝った」と書きたて、真実を伝えることはしませんでした。*もちろん軍部の取り締まりが厳しく、真実は紙面に掲載できなかったという事情もありました。

 時代が大きく変わりつつあるいま、国民の知る権利はますます大切ですよね。それを支えるのは国民の知る権利に対する意識だと思います。しっかりしたジャーナリズムとそれを受け止める受け手との双方向の努力が「知る権利」を意味のあるものとし、たしかな歴史を作っていくのだと思います。